休眠人材の活用を考える
1月24日の日経新聞で、休眠人材に焦点を当てた記事が複数掲載されていました。
「休眠人材、サービス業で引き合い ヘアカット「QBハウス」、再教育で600人就業」の記事は、次の内容です。(同記事より抜粋)
「コスメ人材、復職しやすく ファンケル、ウェブ接客や在宅視野 コーセーは離職者も対象」の記事では、次のように紹介されています。(一部抜粋)
先日は、出戻り社員の採用をテーマに考えました。
各社で人材不足の現状なのは周知のとおりですが、これまで一般的と考えられてきた採用の考え方ややり方だけでは十分な人材確保がなかなか進みません。考え方ややり方を変える必要がありますが、そのことに関して上記に挙げた記事は示唆的な内容だと思います。
休眠人材の活用には、「就業していない人の就業化」の観点と「生産性のより高まる結果となる就業」の2つの観点があるのではないかと考えます。
就業していない人の就業化では、「前例や制約をとっぱらう」のが大切だと考えます。町民に登録を誘導し活用することや、保育士の派遣、復職者向けのセミナーなど、前例としてはあまり聞いたことのない方法です。
就業意思がありながら就業していない人は、それを妨げている何らかの要因があるはずです。その要因は、現場を離れていたことによる技能への不安、出社ができない、フルタイムでは働けないなど、人によって様々です。フルタイムが無理なら就業規則や受け入れ体制のほうを変えて、隙間時間という働き方でも就業を可能にするのもひとつのやり方だと言えます。
生産性のより高まる結果となる就業については、「自社での業務に必要な何らかの要素とのマッチング」が重要な要素になると考えます。一口に休眠人材の活用と言っても、自社とこれまでにまったく接点のない人材より、何らか強く関連づく要素の持ち主のほうが、雇用契約後に活躍できる可能性が高まります。
出戻り社員のように、自社の文化や業務内容、人間関係などを理解していることが、まさにそれに当てはまります。自社でなくても類似の職場で発揮した技能の持ち主や、自社の事業で必要となる資格の持ち主も、当てはまるでしょう。そうしたテクニカルスキル以外にも、自社に強い共鳴を表明してくれているということも、業務に必要な要素の持ち主と言えます。
上記記事にあるニセコ町と倶知安町の例の場合、登録した人は宿泊業については初心者かもしれませんが、町をよく知り愛着を持っているという強みがあります。宿泊者との会話などでこの強みが活きるという点で、宿泊業に就く上での有力な要素を持っていると捉えることができます。
何の予備知識や要素も必要とせず、人数を集めたいという求人もあると思いますが、何らかの要素の持ち主であることが望まれる求人が多いと思います。生産性向上という観点では、上記記事の例のように、その就業と生産性の高いマッチングが促されるような仕組みかどうかも、ポイントだと思います。
<まとめ>
休眠人材の活用には、前例や制約をとっぱらって、よりよいマッチングを考える。
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