見出し画像

心技体

先日、私が参加している「知心会」の11月の定例講に出席しました。「知心会」では、ありのままの己の心を観ながら仲間と共に研鑽する機会の一環として定例講があります。

定例講では、「心技体で最も難しいものは何か?」という問いかけがありました。ポイントは言葉の順序にあります。体得するのが難しい順に並んでいます。

心技体は私たちにとってどれも重要で欠かせないものです。そのうえで、あえて言えば、最も重要でかつ体得が難しいのが、心だというわけです。心で「こうしたい」と思ったことが脳に伝わり、そして体に伝わります。よって、心が乱れているなら、体はうまく動かない。

言われてみれば当たり前のことのようにも聞こえます。「それでは、重要度・難易度の高いとされる心を磨くために、普段どのようなことに取り組んでいるか?」という問いかけがありました。振り返ってみると、心を磨くために意識して取り組んでいることはとても少ないように思います。

知心会では、心がけるべき「二十則」があります。二十則の中から、2つほど取り上げてみます。

・相手が100
自己都合0相手都合100で考える。相手の都合に合わせて自分を変える。

・信念を問う
自分はどうなりたいのかを自分自身に常に問う。イメージ出来ないことは叶い様がない。

定例講では、「相手が100とは、相手のことを100%ゆるすこと」という説明がありました。この「ゆるす」の言葉は、よく使われる「許す」ではなく、「恕す」です。時々使われる「赦す」と合わせて、言葉の意味合いは次の通りです(コトバンクから引用)。

許す:不都合なことがないとして、そうすることを認める
赦す:とがめずにそのまま見逃す
恕す:思いやりの心で罪や過ちを許す

「恕す」について、「相手の事情を考慮して寛大に扱う」と説明しているサイトもあります。これらを見ると、「恕す」と「赦す」の違いとして、「恕す」は「赦す」に「思いやりの心」が加わったものであると言えるのかもしれません。

明確な法令違反行為への対応などはまた別だと思いますが、自分と相手の主張が異なる、どう見ても相手の意見や行動が自分にとって都合が悪い、と感じる時であっても、それを恕せるかどうかが問われるというわけです。

そのうえで、何でもかんでも相手の言うことに迎合するのではないと思います。「受けとめる」と「受け入れる」は異なります。相手の主張を受け取ってそのまま飲み込んでしまう「受け入れる」は、相手の言ったことに完全に同意・賛同する行動です。相手がどんな主張をしてきても一旦はきちんとキャッチして相手のことを理解する、そのうえで、同意・賛同するかどうかはまた別だという対応行動が「受けとめる」です。同意・賛同まですべきかどうかは、内容にもよると思います。

自分なりの受けとめができるためには、自分の信念が明確になっている必要があると思います。自分はどうなりたいのかの軸がはっきりしていれば、相手を「恕す」という行動をとりながらも、相手に引きずり込まれずにすみます。そのうえで、相手との関係性の中で、お互いにとっての新たな発見やアウトプットにつなげていくことができるかもしれません。

このことを日々実践していくのは、たいへんに難しいことだと思います。だからこそ、心を磨く具体的な取り組みを習慣化し、少しでもそれができる状態に近づくのを目指すというのが、定例講での示唆だったという認識です。

心を磨くために具体的に何に取り組むとよいか。これについては、人によって自分に合う方法はいろいろなのだと思います。本を読む、師事する人に教えを乞う、コーチングを受ける、瞑想する、困難だと言われることにチャレンジする・・・など。どれが一番良いという答えはありませんが、以下のプロセスが必要という点では共通していると考えます。

・思考するために必要な情報・知識を得る
・情報・知識を土台にして思考する・自分の心に問いかける
・思考した結果を行動に移す
・行動した結果を振り返る

このような心を磨くための機会は、普段なかなかつくれていない、あるいは実行しようと思いながらも3日坊主で終わっていたことがいくつかある、ということに思い当たりました。

体を鍛えることは、なんとなく生活していれば実現するものではなく、筋トレやジョギングなどわざわざその時間をとって、「今からこれに取り組む」と明確に認識して実行しないとできません。心を磨くこともそれと同様に、なんとなくの日常で実現するわけではなく、意識して具体的な何かに取り組むことが必要なのでしょう。そうした習慣が日常の中にどれだけあるかを省みた次第です。

心を磨くために自分に合ってそうな方法を、改めて明確にリストアップし、取り組んでいきます。

<まとめ>
筋トレ同様、心を磨くための具体的な取り組みが必要。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?