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経営方針や社長の考えを浸透させるには

先日、経営者が集まって意見交換する会に同席する機会がありました。そのときに複数の企業様から、会社の経営方針や自身の考えを浸透させる取り組みについてお聞きしたのですが、それがとても示唆的な内容でした。

各社様が取り組んでいることとしてお聞きした内容から、一部取り上げてみます。A群はいろいろな会社で一般的に見かけるもの、B群はそこまで頻繁には見かけず個別性が高いと感じるものです。

<A群>
・全社員向け経営方針発表会

全社員を集めて会社の中長期ビジョンや方針、年度の方針や計画を説明するものです。年度初めに1回行う会社が一般的ですが、半期に1回や四半期に1回など高頻度に行っている会社も中にはあります。コロナ禍で、実地の開催を中止してオンラインで開催、社員にメール送信して終わり、などとなっていた会社もありましたが、ここにきて集まって実施する形に戻している会社も増えている印象です。

・月1回のPDCA会議

年度の経営計画について、進捗状況を確認し必要な軌道修正を図るものです。会社によって、「役員会」「幹部会議」など、呼称や単位はいろいろあります。より高頻度に行う会社もありますが、全社レベルだと月1回が頻度としては典型的な印象です。

ある会社様では、月1回のPDCA会議で管理職は参加必須とし、非管理職も任意で見学可としていました。その会議では、全社の実行計画のPDCAを行うと同時に、1か月間の損益計算など財務情報も開示しています。非管理職者が見学することで討議内容は変わりませんが、会社の考えを浸透させることや、非管理職間の経営への参画意識を高めることにつながっているようです。

・毎日の朝礼

事業所の全社員で朝礼を行っている会社も多いと思います。朝礼もやり方次第で、会社の方針や考えを浸透させる有意義な場として機能します。

<B群>
・イントラネット(社内限りのネットワーク)上での社長ブログ配信

イントラネット上で社長ブログを配信する会社様では、普段社長が考えていることをフランクに伝える場となっています。仕事の話だけではなく、個人的な話も発信されています。同社長は次のように言います。自己開示の効果もありそうです。

「経営方針発表会で説明される内容はかたくて、なかなか伝わらない。このブログと合わせて受け止めてもらうことで、理解が促される。ブログを読むのは義務ではないが、割とよく読まれていて「あんなことなさってたんですね」などと声をかけられる。社外には出せないような失敗談なども載せる。失敗談が社員に一番覚えられている。」

・外部に参加する経営セミナーへの、社長以外の幹部の参加

社長が参加する経営セミナーに社長以外の幹部が参加するのは、社内に「共通言語」をつくるうえでとても有効な方法です。経営にはいろいろな言葉が使われます。例えば「理念」「ビジョン」といっても、それらの言葉にどのような意味を思い浮かべるのかは人によって異なります。「良い会社」といっても、何が実現されているのが良い会社なのか、幹部が考えていることがバラバラであれば良い会社にすることができません。

社長以外の幹部も社長に同行して経営セミナーに参加することで共通言語ができ、目指すべき方向性のベクトルを合わせやすくなります。

・管理職抜きでの社長・一般社員との飲み会

この飲み会を企画している社長は、やはりアルコールが入るとコミュニケーションが促されると言います。社長の考えや経営方針を一般社員に直に伝えると当時に、一般社員の意見を直に聞くことを目的にしているそうです。管理職が入ると一般社員が遠慮してしまうため、管理職抜きで行われます。といっても、管理職に関する愚痴や個人攻撃はまったくなく、会社や仕事に関する忌憚ない意見交換会になっているそうです。

一般社員だけでは普段行くことがない高めのお店で行い、一般社員は(完全無料ではありませんが)少額で参加できるという形態にしているとのことです。人数が増えすぎると意見交換にならないため、1回あたり10人ほど、スケジュールも無理のないよう月1回程度の実施です。普段行かないお店に少額で行けるということで希望者が多く、順番待ちだそうです。

・社内に無料の飲み屋スペースを設置

社内に無料の飲み屋スペースがあることで、仕事後にそのまま社内で飲んで帰ることができます。勤務時間外のインフォーマルな話なら、飲み屋スペースで行おうという利用の仕方や、女子会を行うなどの利用も見られるそうです。無料ということもあって、多くの人に使われているそうです。

こうしたシステムや取り組みをどのように活用していくとよいのか、続きは次回以降のコラムで取り上げてみます。

<まとめ>
会社の経営方針や考えを浸透させる自社なりの方法に取り組む。


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