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投資と投機

知人と話をしていて、投資話になりました。そして、「投資以外に投機と言われるものもある。投資と投機はどう違うのだろうか」という問いかけがありました。このことについて私なりに考えてみます。

「投資」と「投機」について言葉の定義を探そうと思えば、Web辞書などでもいろいろ出てくると思いますが、漢字の組み合わせを考えれば本質がぱっとつかみやすいのではないかと思います。

投資は「資産に投じる」と読めます。

資産については、検索してみると例えば次のような説明があります。

・個人、または法人の所有する経済的価値を有する有形無形の財産(コトバンク)

・会社は収益をあげるために、出資者や債権者から調達した資本を運転資金や設備などとして用いる。これらの、会社に帰属し将来的に会社に収益をもたらすことが期待される経済的価値を資産としてとらえる。(ウィキペディア)

これらも参照すると、将来的に経済的価値を生み出してくれるであろう有形無形の資産に対して、自分の資金や時間を投入する行動だと表現できます。当然、高い経済的価値を生み出してくれる資産なら大きなリターンが得られますし、投資する側はそのような資産かどうかを判断する目利きが大切になります。

「人的資本経営」という言葉を最近聞くことが増えました。その背景のひとつが、これまで有形無形の資産として十分に認識されていなかった人材の価値をしっかりと認識し、その価値が上がっているかどうかを見える化しようという動きだと言えます。その組織の経営者や投資家にとって重要な情報であるためです。

一方で、投機は「機会に投じる」と読めます。

為替が円高/円安、株式市場全体が株高/株安、国債価格が上昇/下落、原油高/原油安などのトレンドであるから、その流れを機会としてとらえて○○の取引で利益を狙おう、という行動だと表現できます。

投資と投機、どっちが良い・悪い、どっちかだけにするべきだということではないでしょう。そのうえで、長期的、本質的に取り組むべきは、基本的に投資のほうであるのは明白だと思います。投機は機会が変わってしまえば無効になるからで、その機会も長続きしないからです。

このことは、個人として資産形成などに投資するのはもちろんながら、企業活動でも同じことが言えます。

企業活動では、外部環境分析という取り組みがあります。これから先の政治・経済・社会・技術などの動きを想定し、事業機会と脅威に分けて整理し、自社の戦略策定につなげることです。その際、機会は大切な概念になります。

今後5年や10年といった長期的な時間軸での、自社を取り巻く外部環境の動きから事業機会をどのように認識するのかは重要です。その結果、資金や時間を投入して取り組むべき事業だと判断して投資することで、企業は発展できます。この場合の「機会」は、長期的、本質的な意味での環境要因を指しています。また、投資する対象は事業機会そのものではなく、事業機会に対応する事業計画、設備、人材など(ヒト・モノ)だと言えます。

一方で、投機の「機会」は、せいぜい1~2年程度しか続きそうにないブームのようなものを指すイメージだと思います。何かのブームを本質的な事業機会と混同してしまい、ブームに乗った何かに極端な資金や時間を投入する、すなわち投機するのは、問題があると言えます。

このような明確な投機活動になっていなくても、結果として投機と同じような状態に陥っている場合もあり得ます。例えば、仕入れの輸入や完成品の輸出の量が多く、為替レートの動きいかんで利益が大きく影響を受けてしまう企業などです。この場合は、為替予約をすることなどで、一定のリスクヘッジができます。

個人、あるいは組織として、

・資金や時間を投入しようとしているのが、長期的、本質的な視点での投資になっているか。短期的、近視眼的な視点での投機になっていないか。
・投機と同じような結果になってしまう事象はないか。

振り返ってみたいところだと思います。

<まとめ>
資金や時間は、中長期的に経済的価値を生む「資産」に投じる。

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