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社員表彰にこだわる

先日、ある企業様のイベントに参加させていただく機会がありました。全社員が集まる全社イベントでした。そのイベントの中で社員表彰が行われたのですが、とても印象的なものでした。

その社員表彰は、決まった評価軸やルールに沿って評価をする人事評価などではなかなか表れてこないながらも、職場に貢献したと皆が考えている人を選出し、拾い上げて見える化する趣旨です。「MVP賞」「新人賞」などいくつかありました。同様の取り組みをしている会社も多いことと思います。

その表彰状が印象的でした。

例えばMVP賞は各拠点から1人ずつ、社員全体で複数人が受賞したのですが、表彰状授与の時に読み上げられる文面がすべて違っていました。他の賞も同様で、表彰状の文面が始めから終わりまで、すべてにわたって一人ひとり内容を書き分けられていたのです。本人に向けて個別でかなり細かい、メッセージ性のあふれる内容でした。

この日の受賞者は、賞のテーマごとに社員投票で選ばれていました。どうやら、社員投票の時に書かれていた、投票の理由やコメント、普段から見聞きした拠点でのその人の様子をもとにして、選ばれた理由や受賞者に対して伝えたいメッセージを、経営陣が受賞者一人ひとりに合わせて書き分けていたようです。表彰状自体が手紙のような感じになっていました。

これは、社員の表彰制度がある企業でも、なかなかなされていない取り組みではないでしょうか。受賞者の中には、感極まって涙する方も見られました。

表彰状の授与では、各賞をイメージした動画も会場を盛り上げました。記念品は決まったものを渡すのではなく、いくつかのプランを準備し、その中から受賞者が自分で好きなものを選べるというやり方になっていました。このあたりの設定・演出も凝っていました。

毎年MVP賞などを選ぶ制度があったとしても、その表彰状には決まった定型文に名前を当てはめて終わり、というやり方もよく見られるものです。上記の例のように同じ賞を複数人受賞して1度に表彰する際にも、2人目以降は「以下同文」で授与がすぐに終わることも一般的です。

・受賞者一人ひとりに対して個別化された表彰になっている
・受賞者が「本当に承認されている」と実感できる表彰になっている

やはり、承認されると人はうれしいものです。

せっかくの表彰制度なら、形式的なものではなくて、表彰する内容、選考のプロセス、その伝え方が趣旨に沿った、素晴らしいものになるようにしたいものです。同社様の取り組みを見て、改めてそのように感じました。

一度に大勢の受賞者がいる場合など、条件や状況が違う組織の場合には同じことができるわけでもないとは思いますが、同社の取り組みは参考になる事例だと思います。

<まとめ>
一人ひとりに向けて表彰を個別化する。

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