キャリアの転機を考える
8月12日の日経新聞で、「駐在同行、キャリアも両立 業務委託で越境リモート」というタイトルの記事が掲載されました。海外駐在員となった配偶者に同行しながら、キャリア開拓をしている事例について取り上げた内容です。
同記事の一部を抜粋してみます。
リモートワークによって場所を問わない働き方も浸透してきました。また、正社員/パート・アルバイトといった区分だけではなく、その中間のような雇用形態や、業務委託のような形態も広がっています。
同事例のように、場所や勤務形態を問わない働き方は、今後さらに増えていくのではないかと想定されます。
同記事からは、2つのことを感じました。ひとつは、改めて、キャリアのあり方は一様ではなく人それぞれだということです。
配偶者への同行という他律的な要因によって他国にわたり、その先で新たなキャリアを開拓していくのは、なかなかできないことだと思います(私などでは、できるイメージがまったくわかないです)。素晴らしいキャリア形成だと思います。
他方で、日本に残って現職を当面続けるのも、他国で家業に専念するのもキャリアの選択です。どれがよい悪いではなく、自分にとって何を選択し実行するのが適していると考えるかがテーマだと思います。
同事例の場合は、配偶者の海外赴任が、キャリアの大きな転機になったようです。キャリアの転機は、ひとそれぞれに、それぞれの形で起こり得ます。キャリアの転機にあたって、何を優先させて何をとるのか、自身のキャリア観を固めておくことの必要性が感じられます。
なお、キャリアの多様性という意味では、同事例と逆の事例もあってよいと思います。すなわち、妻の海外駐在に夫が同行するという構図です。
「配偶者の海外赴任が決まると、同行するため勤務先を退職」という事象は、そのほとんどが夫の駐在に妻が同行する構図です。キャリアの多様性の観点からは、その逆パターンもありです。
もうひとつは、元の勤務先での勤続という選択肢はあったのだろうかという点です。
会社側にも事情があります。個人の都合を受け入れて東京赴任とした後で、すぐにまた新しい人事発令をするなどは難しく、限界もあることと想像します。そのうえで、大手であり東京の部署への転勤の相談に応じるなど理解もあり、従業員の多様性を受け入れる基盤もある程度ありそうな会社でもありそうだと想像します。
同記事の様子からは、成果も上げていて、元の勤務先に合っている印象です。おそらくは、会社側としてもできればそのまま残ってほしかったのではないかと想像します。リモートワークや業務委託など、働き方の何かを変えることで勤続するという選択肢も、人によってはありかもしれないと思います(そうした可能性も模索したうえでの、退職という選択だったかもしれませんが)。
いずれにしても、労働力人口がさらに減っていく今後の環境下では、個人としても自身のキャリアを最大限活用できる方法を模索する、組織としても多様な人材を最大限活用できる方向を模索する。双方の取り組みがさらに必要になっていくと考えます。
<まとめ>
キャリアの転機にあたって、何を優先させて何をとるのか、自身のキャリア観を固めておく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?