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想像力と自主性の力ー個人と組織の成長を促進する重要な要素~町工場の夫は准教授

ここ最近、自主性をキーワードに記事を書いています。そして、ふと「自主性」と「想像力」には関係があるという私の経験を思い出しました。その経験は、学生時代のお話になります。自由であり、自主性が重んじられている校風の中では、想像力があってこそということ。

今回の記事は、想像力と自主性の力について考察していきたいと思います。


想像力とは何かを確認する

想像力は、目に見えないものを思い浮かべる力であり、現実には存在しないことや未来の出来事を考える能力を指します。

この力によって、私たちは新しいアイディアを生み出し、物事を理解していくことが可能になりますね。

そして、私は長年にわたり講義や研修を行ってきましたが、受講者に対して「想像すること」の重要性を常に強調してきました。

なぜなら、想像力は問題解決や創造性を育む上で不可欠な要素であるからです。

例えば、「善意の第三者に対抗することができない」という文章を見た場合、それを単に読むだけではなく、具体的な状況を思い描き、問題点を理解し、解決のアイディアを考えることができるようになってきます。

想像力が欠如するとは

しかしながら、想像力が発揮できない場合もあります。特定の専門的な用語や概念に対しては、想像力が働かないことが考えられます。

例えば、「金銭債権の相対的効力」という言葉を見た場合、専門的な知識がないとイメージすることが難しいでしょう。また、「Apple」という言葉を見た場合も、個人の経験や知識によって異なる連想が生まれることがあります(果物をイメージするか、iPhoneをイメージするのは人によりますね)。ここで重要なのは、想像力の基盤として自分の経験や知識があることが、想像力の発揮に影響を与えるということです。

想像力の欠如がもたらすデメリットは多岐にわたります。物事の理解を阻害し、問題解決策を見出すことを困難にします。自分の経験や知識に基づいた狭い視野でしか物事を考えられなくなり、相手の立場や主張を理解することが難しくなります。また、目標設定にも影響を与えます。目標を設定するには、自己の未来像をイメージすることが必要ですが、想像力が乏しい場合、目標設定が難しくなるでしょう。

そして、想像力が欠如する要因として次のことが考えられます。

想像力が欠如する要因

一つの原因として、知識不足が挙げられます。想像力は、目に見えないものを思い浮かべる力ですが、それが自分の経験にしか基づかない場合、制約されてしまいます。想像力を広げるためには、知識で補う必要があります。社会人教育においても、社内での「教養」を得る環境を整えることが重要です。

次に、時間の制約が想像力の欠如に影響しています。忙しい現代社会では、自主的に物事を考える時間を取ることが難しくなっています。時間がないから考えられない、知識を得る時間がないから教養を高めることができないというジレンマに直面します。これにより、既存の知識に偏りが生じ、想像力が制約されてしまう可能性があります。

さらに、環境も想像力の欠如に影響を与える要因です。個人が帰属している集団が、偏った思想や知識を持っている場合その圧力によって自己否定し、失敗を恐れるあまり、安全な領域にとどまりがちです。このような環境下では、新しいアイディアを出すことや想像することが抑制されてしまいます。

想像力の欠如が起こる背景には、「環境」と個人の関係性が深く結びついていることが分かります。偏った思想や知識、集団からの圧力、時間の制約といったことから、「知識」「教養」を高めるという機会を失っているということです。

想像力と自主性を育む環境へ

想像力は自主性を促進する要因となります。未来の可能性を見出し、自己実現を目指すためには、想像力が必要です。自主性を持つことは目標を持つことでもあり、自主性が想像力を促進する一方で、想像力が自主性の基盤となります。

この想像力と自主性を育む環境は、上記のマイナス要因を改善する環境作りということが重要になりそうです。環境を整え、社員の想像力と自主性を促進する取り組みを行うことで、社員の潜在能力を最大限に引き出し、組織全体の発展に寄与することができるはずです。

社員教育における想像力と自主性の促進には、いくつかの方法が考えられますが、以下の二つは特に意識したいところです。

まず、社員に対して柔軟な学習環境を提供することが重要です。知識や教養を高めていく環境と、新しいアイディアや異なる視点を受け入れる社風を醸成し、社員が自由に意見を述べることができる雰囲気を作り出すことで、想像力の育成が促進されます。

具体的には、問題解決型の研修やグループワークを通じて、現実的な課題に対して想像力を働かせる機会を提供することです。前提となる知識や教養を共有し、チームメンバーがお互いにアイディアを出し合い、自主性を発揮することで、より創造的な解決策が生まれることにつながってきます。

そして、時間の制約は想像力の発揮に障害となります。自分の時間管理を見直し、想像力を育む時間を確保することが必要です。仕事や日常生活の中で、時間を有効に活用することで、自己成長や創造的な活動に充てることができます。スマートな時間使いを心がけることで、想像力を伸ばす余裕を持つことができるでしょう。

タイムマネジメントについては上記の記事を参考にしてみてください。

もちろん、組織全体のビジョンや目標を社員と共有することも重要といえます。ビジョンを共有することで、社員は未来の姿を想像しやすくなり、自主性を発揮して目標に向かって取り組むことができるはずです。

おわりに

想像力と自主性は私たちの人間性や能力にとって重要な要素です。想像力は未来を見据える力であり、新たなアイディアを生み出す源になります。一方で、想像力の欠如は問題解決や創造性を阻害し、自主性にも影響を与えるでしょう。

欠如の原因として、知識不足や時間の制約、環境の影響が挙げられます。これらを乗り越えるために、自己成長の意識を高め、知識や教養を広げることが重要です。また、自由な議論ができる環境を整え、異なる視点を取り入れることで、想像力を豊かに育むことができます。

想像力を大切にし、社員の一人ひとりがより豊かな人生を築くためにも、自主性と想像力の両方を育むことが重要です。これらの能力を鍛えることで、未来への可能性が広がり、成長や発展に寄与することができるでしょう。

想像力と自主性を育む社内環境を、一緒に考えてみませんか?

今回の記事はこれで以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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