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自主性を育む企業文化の構築-タイムマネジメントの役割とは?~町工場の夫は准教授

中小企業(特に小規模事業)は、企業利益の最大化のため、様々な課題に直面していると思います。その中でも、「人」の課題。企業利益の最大化のため、企業は創意工夫と柔軟性を持つ社員を求めています。しかし、時折、社員たちが自ら考えることなく、上司や他の同僚からの指示に頼る傾向が見受けられます。

同じような嘆きを町工場の娘から聞き、考察をしたのが次の記事でした。

今月、一番読まれている記事であることも、その関心が高い課題といえるかもしれません。

今回の記事では、「社員が自分で考えずに正解を求める行動」について、その原因と影響、そして改善策について考察していきます。

そして、考察した結果・・・町工場の娘が抱える別の課題の問題の根源が同じところにあるということに気が付きます。それは「時間」というもの。「自主性」と「時間」についてのお話になります。

正解を求める行動によるマイナス面での影響

 創造性とイノベーションの低下

自分で考える習慣の欠如は、創造性やイノベーションの発揮を妨げる結果となります。新しいアイデアや斬新な解決策は、自ら考えることから生まれることが多いため、これらの能力の低下は企業の競争力に影響を及ぼします。

この点は、中小企業の課題である「新規事業展開」ということに大きな影響を与えそうですね。

意思決定の遅延

社員が常に正解を求めることに慣れてしまうと、意思決定が遅れることがあります。他者の指示を待つために、判断が鈍り、迅速な対応が難しくなります。

この点は、「生産性の低下」ということにつながります。これもまた、抱えている課題の要因となりますね。

そうすると、社員が正解を求める行動は、中小企業の抱える「生産性の向上」や「新規事業展開」に悪影響を及ぼすもの。だからこそ、なんとかしたいということになります。

行動の要因は何か?

自己責任を避ける心理

社員が自分で考えることを避ける理由として、失敗や責任を負うリスクを回避したいという心理が挙げられます。自ら考えることで誤りが生じる可能性もあるため、確実な正解を他者に求めることで自己責任を回避しようとする傾向があります。

リーダーシップの欠如

トップダウン組織では、社員が主体的に考える習慣が育ちません。部下がリーダーの指示を待ち、それに従って動くことが当たり前となり、自主性や自己判断力の発揮が減退します。

時間や労力の制約

社員たちは「なるはや」「最短納期で」という無謀なスケジュール感やプレッシャーにさらされています。そのため、正確な答えを素早く得るために、自分で考える時間や労力を削減し、他者に頼る習慣が身についてしまいます。

タイムパフォーマンスという視点で考えると、「時間や労力の制約」があることから、結果として正解を求める行動は合理的といえるかもしれません。しかし、その結果、意思決定の遅延が起きるという本末転倒なことが起きているということになっています。

また、時間に追われているため、トップダウンで進めていくということも起きている(「自分でやったほうが早い!」とか「指示通りにやれ!そのほうが早い!」と言っていませんか?)。

ただ、これも合理的と言えば合理的です。その段階においては、納期を厳守、「なるはやでお願いします」とかに応えることが、最大利益につながるともいえるからです。

そうすると、問題の元は「時間」にありそうです。企業利益の最大化のために、「社員が正解を求める」し「トップダウン」のほうが良いという状況は「時間がないから」ということです。逆に、「時間があれば」変化してきますね。

例えば、DXであるとか生産性向上といったことへの取り組みが、自主性を育むという効果も生み出すということが言えそうですね。

タイムマネジメントの改善

多忙なスケジュールの中で自分で考える時間を確保すること。そのためには、タイムマネジメントの改善やタスクの優先順位の見直しが求められます。そのために、デジタルツールの活用ということも手段として出てきますね。DXも単にデジタル化ということではなく、社員が自分の成長や自己啓発に充てる時間を増やすことができるのだと考えることが目的となります。

また、タイムマネジメントの改善では次のようなことが一般的に言われているでしょう。

  • 目標設定と優先順位の明確化

  • タスクの効率的な分割と時間配分

  • 優先順位の見直しと時間の振り返り

  • 集中力の向上と時間の断片化の防止

  • 自己管理とタイムマネジメントの継続

難しいと思うことは、「自己管理とタイムマネジメントの継続」でしょう。この取り組みは、上司や同僚とのコミュニケーションを通じて、お互いの成長をサポートし合うことでカバーできます。ここで「コミュニケーションスキル」というテーマが生まれてきますね(コミュニケーションとは、飲み会とか、一緒に食事するとかいうことではないのです)。

仕事のやり方を「マルチスキル」を持つ社員個人に任せるではなく、「プロジェクトベース」で「チームとして取り組む」ということ。多能工で、なんでもやる社員に依存する組織ではないということです。

このように、タイムマネジメントの改善によって、社員のタイムパフォーマンスを向上させることができます。そして、社員の自主性を育み、より成果を上げる組織を築くことが可能となるでしょう。

おわりに

社員の自主性を育むことは、中小企業において特に重要な課題ですね。自主性を欠く行動が創造性やイノベーションの低下、意思決定の遅延などのマイナス面を引き起こす可能性があります。それらの要因を理解し、改善策としてタイムマネジメントの向上を採用することが有益です。

タイムマネジメントの改善には、目標設定と優先順位の明確化、効率的なタスクの分割と時間配分、優先順位の見直しと時間の振り返り、集中力の向上と時間の断片化の防止、自己管理と継続的なタイムマネジメントの習慣づけが含まれます。これらの取り組みによって、社員は自分の成長や自己啓発に充てる時間を増やし、より生産的な働き方が可能となるでしょう。

最後に、自主性の育成が組織全体のイノベーション力向上に繋がることを念頭に置きながら、タイムマネジメントの改善を進めることが企業の競争力向上にも寄与するでしょう。

あと、気が付いたかと思いますが、コミュニケーションであるとか、チームワークであるとか、様々な課題は「点」としてとらえるのではなく、相互に関係性があるということです。このことも意識して、研修や社風を築き上げていきたいですね。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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