1000字要約:「スタンフォード式疲れない体」

久々に大きく体調を崩す出来事があり、この本を手に取ったので備忘録がてらまとめています。

本の目的:疲れにくい体を作る

この本では、「そもそも疲れにくく、疲れてもすぐに解消する」を実現するメソッド・習慣について説明しています。スタンフォード大学はプロのアスリートを多く輩出しており、実際に彼らが取り入れて効果が実証されているものが本書で紹介されています。

そもそもなぜ我々は疲れてしまうのか

慢性的な疲労は、脳⇔神経⇔体の各部のスムーズな連携が乱れることで引き起こされるとしています。脳が出した司令がきれいに伝わり、体が軽く反応してくれる状態が疲れていない状態であり、逆に神経が司令を伝えにくく、体の反応も悪いという状態になると、脳が「だるい」「重い」と疲労を認識するというわけです。

体の各部をケアするというのはイメージがつきますが、「神経の働きを整える」という観点で疲労予防にアプローチしているのがこの本の特徴的な点だと思います。

その上で、重要なのは「姿勢」「睡眠」「食習慣」であるとしています。

"強い腰"が中枢神経の働きを整える

猫背など、姿勢が悪い・体が歪んでいるということはほぼ間違いなく疲れやすい体であるとしています。立っている・座っているといった通常の動作においても、姿勢がいい人に比べて体に余計な負荷がかかるだけでなく、無理な姿勢を維持しようとすることで中枢神経の働きが阻害されるそうです。

正しい姿勢を得ることが疲れない体を得る上で必要不可欠というわけですが、そのための手法として紹介されているのがIPA呼吸法(腹圧呼吸法)というものです。

これは、吸うときも吐くときもお腹をふくらませるようにして腹圧を維持する呼吸法で、この呼吸法により腰回りの土台が強化され、体幹と脊柱が安定することで中枢神経の働きが良くなるという仕組みです。

この本ではこのIPA呼吸法について特に重点的に紹介されています。呼吸は1日3万回行っているとのことで、そんな呼吸を改善することのインパクトはありそうです。

規則的な睡眠が自律神経の働きを整える

自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスにより、日中の覚醒と夜間の睡眠を体に指示しているものです。従って、これが乱れると「朝起きているのにしゃきっとしない」「夜になかなか寝付けなくて睡眠が浅い」といった現象が発生します。

自律神経の乱れを防ぐためには、平日・休日問わず毎日決まった時間に寝て決まった時間に起きるということと、7時間(少なくとも6時間)の睡眠時間を確保することが重要であるとしています。

血糖値スパイクを防ぐ食事習慣で疲れない体に

昼食後に感じるだるさは、昼食時に血糖値が急上昇し、その反動で急降下する「血糖値スパイク」が原因で起こります。これは胃腸に負担がかかり、疲れやすい体のもとになります。この本ではこれを防ぐ方法がいくつか紹介されています。

朝食を必ず食べる(毎日決まった時間に)
朝食を食べることで昼食の空腹→満腹の上がり幅を減らせるので、血糖値スパイクの発生を防げます。

3食ともに腹八分目まで
食べすぎないことで、消化にかかる時間を減らすとともに、血糖値の急激な上昇を抑えます。お腹が空いたら間食でフルーツやナッツを食べることが推奨されています。(空腹状態は作らない)

食物繊維を取る
食物繊維を取ることによって、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。逆に、炭水化物の比率は抑え、タンパク質;炭水化物=3:1になるように摂取することを理想としています。

その他の内容

その他にも、肩こり、腰痛、眼精疲労を解消するちょっとしたテクニックや、日常の動作を少しでも疲れにくくする方法、3食ごとの細かな栄養のとり方のコツ、アスリートが絶対に避ける飲食物など、日常的にちょっと意識できそうな内容が紹介されています。

読んでみての感想

スタンフォード式というだけあり、科学に基づいた内容で仕組みが理解しやすいです。ただし、アスリートが日頃行っていることがベースになっており、そのまま自分が適用するには難しい内容もいくつかありました。個人的には「毎日同じ時間に寝て起きる」「毎食ごとに満腹にしない」「体を動かすことで疲れを取る」あたりの内容は即座に取り入れようと思いました。

おすすめ度:★★★☆☆(興味が湧いたら読んでみてもいいかも)


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