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今の教育はどうなっているの?(新しい学習指導要領から)

先日、奈良県生駒市教育委員会のいこま教育フォーラムにリモート参加させていただきました。同フォーラムの分科会で、新しい学習指導要領に基づいた「今の学び」について、交流する機会をいただきました。
分科会でのやり取りを、同教育委員会の三室哲哉先生(以前は、北鎌倉学園で情報化教育などを推進)のご講義を中心にまとめてみました。

 学校での今の学びはどうなっているのでしょうか?
 カリキュラムや授業は、国が策定する「学習指導要領」に基づいて計画されます。要領では、教育課程全般にわたることを、総則で定めています。
社会の変化を見据えて、子どもたちがこれから生きていくために必要な資質や能力について見直しをほぼ10年ごとに行っています。

新しい学習指導要領では、
◇生きる力の育成
◇育成すべき資質・能力(三つの柱①学びに向かう力(人間性)、②知識技能、③思考力・判断力・表現力)
◇社会に開かれた教育課程の実現

を定めています(2020年小学校、21年中学校、22年高校で実施開始)。

現場では、育成すべき能力・資質に合わせた授業のやり方(授業設計)が必要になります。
授業のスタイルには、主に、一般指導スタイル、自由進度学習(セルフペース)、プロジェクト型学習(PBL、CBL)、探求学習の4つがあります。
旅行のたとえを用いると、
・一般指導スタイル⇒バスガイドによるツアー
・自由進度学習(セルフペース)⇒ナビを使い、自分で車を運転
(アクセルやブレーキ、寄り道は自分の判断)
・プロジェクト型学習(PBL、CBL)⇒交通手段選択型
(目的地のみ決まっている。目的地以外は自分で考え行動する)
・探求学習⇒フリープランの旅
(目的地も何をするかも、自分で決める)

ICTというテクノロジーを使い、上の様々なスタイルの学びを行っていきます。一般指導スタイル以外の学びを助けるのがICTです。
こうした授業では、学ぶ子どもはクリエーターで、教師はデザイナーという側面があります。どうでしょう?詰め込み式の教科習得学習、受験勉強とは、かなり違いますね。

もう一つ、家庭での保護者の役割についても言及がありました(一部加筆)。

家庭学習:必ずしも宿題というわけではありません。保護者の働きかけがある子どもの学力は高い、という傾向があります。
例えば。。。
• 学校や友達のこと、地域や社会のできごとなど家庭での会話が多い(コミュニケーション)
• テレビ、ビデオ、DVDを見る時間などのルールを決めている(時間管理)
• ゲームをする時間を決めている(自制)
• 子どもに本や新聞を読むことをすすめている(知識、思考力)
• 子どもに最後までやり抜くことの大切さを伝えている(一貫性、達成力)
• 自分の考えをしっかり伝えられることを重視している(表現力)
• 地域や社会に貢献するなど、人の役に立つ人間になることを重視している(公共性、利他)

こうした家庭学習の重要性の保護者への周知は有用です。
一方、おしごとや病気などで、十分におこさんとコミュニケーションできないご家庭へのフォローも課題になります。


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