【2018年版】売れるTVCMのまとめとCM表現の考察

TVなんて誰も見ないと多方面から叫ばれて15年以上経つ2018年にTVCMの今後について改めて考えてみます。

TVCMの種類

そもそもTVCMとは何かというと、全国48都道府県に存在する民放と言われる放送局で広告を流してもらう事です。

TVCMを流す企業は大きく分けて2つの意図があります。意図をどちらかに偏らせる場合も多いです。

企業イメージ、企業認知を高めるTVCM

伊藤忠商事のCM(竹原ピストルの挿入歌が流れるやつです)中外製薬のCM(未来人が登場するやつ)など、B to B企業がメインに行う事が多いです。

今だとキリンのサッカー日本代表を応援するTVCMや、オリンピックを応援する系のTVCMもこれに該当します。

商品認知・理解を促進し、売上を高めるTVCM

多分、CM本数はこれが一番多いです。味の素のCookDoのTVCMや携帯会社の新しい割引セールなどがこれに該当します。Coca-Cola社は戦略的にアクエリアスや綾鷹のTVCMで自社の企業ブランド名をあえて出さず、ブランドのみを伝えています。

さらに、広告配信枠の買い方には2種類あって、①TV番組の枠として買う(タイム枠)、➁様々なTV番組の合間を絞って買う(スポット枠)です。

もっと細かく分けると①の中には買い切り枠というのもあったりしますし、タイムとスポットのどっちがどう優れているか、等の具体的な話はここではしません。

TVCMって本当に効果あるのだろうか?

ぼくはブランドマーケターとして担当ブランドの売上を最大化させる為に、どうすれば最も効果的に売上が上がるか、という側面からTVCMを考えています。2018年の現在、世の中にはAbemaTVや、FacebookなどのSNSメディアが世の中の話題の多くを占めていますが、やっぱりTVCM出稿による売上効果は高いな、というのが印象です。

仮にターゲットユーザーが20代に限定している商品ではターゲット効率は悪いのですが、それでもTVCM出稿における一定の成果は絶対的です。

感覚的な話ですが、SNS上に流れてくる動画広告やバナー画像って思い出せないですよね?Youtube広告もやっぱりウザいと感じます。結局、以下の点からTVCMに代わる広告枠は存在していないと思います

・TVを見る若者はまだまだ多い

・液晶テレビのモニターに映し出される15秒間のインパクトの大きさはSNSで何回も到達させるよりもインパクトが大きい

伝わるTVCM=コピー寄りになってきた

最近のTVCMの傾向として、製品ベネフィットを文章としてCM中で伝える事が多くなってきました。その象徴がP&G社の「ファブリーズ」のCMです。

ターゲットユーザーの心理をナレーション&テロップでがっつりと表示して、商品が必要となるシーンの訴求する、とにかく分かり易さを追求した説明TVCMです。これは完全にP&Gという会社を象徴するTVCMですね。

なぜなら、TVCMを作る時というのは、シーンごとに伝えたい内容を設定します。作ったCMを視聴した人が伝えたい意図を明確に理解できたかどうかを、消費者調査を行って数値化・分析を行います。この数値化による、成果の高さを求めた結果、「誰が見ても同じことを理解できる」ためのテロップを表示するという手法が導入されました。

そのため、P&G社のTVCMはどれも非常にわかりやすく明快なTVCMとなります。一方で、製品のオシャレさや広告をアートと考えている人たちからはあまり好まれない手法ですが。

前置きが長くなりましたが、このP&GスタイルのTVCMが最近増えてきた印象です。

その一例を以下に載せました。

・Panasonic「DIGA」の使い方を説明するCM

・SUBARUの「XV」のTVCM

こちらもキャプチャですら理解できる明確なTVCMですね。(TVCMを見たい方はYoutubeで検索してください)

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このP&G方式の広告スタイルは、データドリブンマーケティングが進んできた現代のマーケティング・広告業界に起きている流れがもたらしたもので、今後さらに「とにかくテロップを入れて、誰にでも伝わるTVCM」が増えてくると思います。

最後に、究極のTVCMがこちら。

キャリアプランナーの方々からの批判の声が巻き起こった、このコピー。

実際にこのTVCM配信後、DODAへの登録が急増した、と関係者より聞いております。

このTVCMのペルソナ像である、20代後半~30代前半の会社員(リーマンショック前後の不況期に入社した)達に眠っている不満を引き出す、究極の言葉と思いました。もはやコピーを伝える媒体として存在するTVCMです。

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今後は、昔のように何となく面白いTVCMというのは減り、メッセージをダイレクトに伝えるテロップ入りのTVCMが増えていくと思われます。

個人的にはじわじわと楽しめるヒガシマルのTVCMのようなものが好きなのですが。

以上

マーケティング研究所 藤本たぬき

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