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オーバーヘッドスポーツは肩だけみても治せない(下肢体幹編)

どうも肩関節機能研究会の郷間です。
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今回はオーバーヘッドスポーツの治療について3部構成でお話していきたいとおもいます。
2月:オーバーヘッドスポーツ疾患の評価 下肢体幹編
3月:オーバーヘッドスポーツ疾患の評価 肩関節編
4月:オーバーヘッドスポーツ疾患の治療編


先日、肩肘マガジンメンバーで『肩甲上腕関節を制する者は肩を制する』というテーマで執筆された志水先生(@echohuku)に思い切り噛みついているテーマとなっていますが、決して志水先生を否定しているわけではありません。
むしろ、オーバーヘッドスポーツ治療に関わるのであればまずは志水先生の記事をしっかり読んでみてください(^-^)ノ
今回の記事は志水先生の記事と併せて読むことで肩関節治療の幅も広がると考えております。
ぜひ合わせてご一読ください!



ではいきなりですが皆さんに質問です。
皆さんはオーバーヘッドスポーツ選手の治療に自信はありますか?

先日アンケートをとってみたのですが結果はこのような感じでした。

結果はイメージ通りでした。
どうしてもオーバーヘッドスポーツは”スポーツ色”が強く出てしまい苦手と敬遠される方も多いのではないでしょうか?

私としては「回答2:自信ないけど治療している」人と「回答3:全くわからない」という人に是非読んでもらいたい記事となっています。

お恥ずかしい話、このような記事を書いておきながら、私は『絶対に自信がある』とは言いませんし、言えません。

理由は選手によって
①それぞれスポーツ特性が違う
性別、年齢、運動強度(日数や練習時間)等が違うからです。

正直難しいですよね。
特にオーバーヘッドスポーツを経験されていないセラピストはイメージつきにくいと思います。

加えてこのような質問もしてみました。

ざっくりまとめると
介入時にフォームを評価するセラピストが85%
評価しないセラピストが15%
予想通り大半の人が”評価する”と回答されていますね。
もちろん私も見ます。

私が実際に動作をみる理由としては、問診視診等で得られなかった問題が新たに見つけられる可能性があるからです。

ですが、もしプロスポーツ選手で問題点となり得る動作があったとして、それに対して指摘したときに『この投げ方が武器なんだ。この投げ方を修正されたら選手としての”売り”が無くなる』と言われたらどうしますか?
もう何も言えませんよね。

ですので、私も一応指摘はさせてもらうことはありますが、投球フォームやスイングフォームからは治さず、軽く問題点だけお伝えするまでに留めています
そしてその様な選手達にも説得力があるのが数字とデータです。

直接的にフォームを治さなくても、目安となる数字をデータとして提示することは我々医療者ができる武器と考えています
皆さんにも武器はぜひ持っていて欲しいです。

このように、オーバーヘッドスポーツの治療に関わる時はスポーツ整形の要素が加わるため、苦手意識が強まりやすい傾向にあると考えています。
そんな苦手意識がある方は、今回の記事を読んでオーバーヘッドスポーツ治療の一助になれれば幸いです。

ではここから本題に入っていきましょう!

そもそもオーバーヘッドスポーツとはどういったものなのか。



オーバーヘッドスポーツとは

野球やテニス,バレーボールのように投球やスマッシュ,スパイクなど拳上位での動作を要するスポーツ競技である.

投球障害肩は投球側の肩だけでなく、対側の肩関節、股関節、肘関節、体幹、股関節、膝関節、足関節を含めた全身の連鎖運動と投球フォームの観察が必要となります。

臨床現場では『手投げ』や『手打ち』を指摘する場面を頻繁に見かけます。

オーバーヘッドスポーツは本当に全身をみるべきなのか?

動作遂行に必要なパーセンテージはこちらのスライドをご参照ください。

画像1

肩関節と全身の関係(テニスサーブ)では
下肢+体幹 54%
肩関節   21%
肘関節   15%
手関節   10%       
Kibler (1995)  

肩関節と全身の関係(投球)では
股関節、体幹からの力が24%減少した場合同等の力で投げるには肩の力を34%増加させる必要がある。
Kibler and Chandler (1995)
Seroyer et al (2010)
Sciascia and Cromwell (2012)

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