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後藤達也さんの記事

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2022年4月に日経新聞を退職されフリーランスになった後藤達也さんのnoteをまとめています。冷静客観的で誠実な切り口が参考になるとtwitter,YouTube,Noteでも人…
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2022年11月の記事一覧

よくわかる黒田日銀① 2%目標

よくわかる黒田日銀① 2%目標

「日銀」という言葉がニュースにでる日が増えています。

いくつか理由があります。

円安の一因は日銀の金融緩和

金融緩和の柱であるYCCの修正観測

総裁人事の本格化

黒田総裁就任からまもなく10年。そして、この年末年始には次期総裁の人選が大詰めを迎えます(就任は来年春)。

日銀について断片的な知識はあっても、この10年間の全体像や、今後の焦点までは理解が追いつかないという方も多いかと思いま

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そもそも経済#10  S&P500

そもそも経済#10 S&P500

noteメンバーの方と直接お話しする機会が増えてきました。よく聞くのが、「もっと基礎的な話も解説してくれるとうれしい」「投資の基本が学べるようなら、友人や子どもにもすすめられる」といった声です。

「そもそも経済」シリーズでは、これまで「G20会議」や「市場予想」といった少しマニアックな話題を取り上げてきましたが、「S&P500」のような基本的な用語も扱っていこうと思います。

金融になじみのない

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FOMC 議事要旨のポイントは?

FOMC 議事要旨のポイントは?

日本時間のきょう未明、FOMCの議事要旨(11/1-2開催分)が公表されました。11/2にはパウエル議長の会見がありましたが、議事要旨はFOMCの全体の議論をバランスよく伝えており、今後の政策運営を占う重要な資料です。きょうは議事要旨を材料に、今後の米金融政策のポイントをコンパクトにまとめます。

◆ まず議事要旨の重要箇所まずは特に注目された2つの箇所です。

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日本も40年ぶりインフレ  いつ収まる?

日本も40年ぶりインフレ いつ収まる?

けさ発表の日本の10月CPI(消費者物価指数)。下記の通り、40年ぶりの高騰を記録しました。

noteでは今回のCPIの中身を詳しくみるとともに、いつ収まるのか、最後に少しだけ、今回の物価高騰下の賢い支出の仕方についてお話しします。

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訪日観光回復  景気・為替に影響は?

訪日観光回復 景気・為替に影響は?

外国人の訪日観光が回復しています。下記のように10月は49万8600人と9月の2.4倍に増えました。すでに観光地や都心部などでは外国人旅行客とみられる方が増えていると感じる方もいると思います。

最大の要因は10/11に入国規制が緩和されたことです。さらに円安が進んだことで、外国人からみて、日本での消費のオトク感が強まったことも誘因になっているとみられます。

とはいえ、コロナ前の2019年10月

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米インフレ ピークアウト? PPIも予想下回る

米インフレ ピークアウト? PPIも予想下回る

11/15発表の米PPI(生産者物価指数)は市場予想を大きく下回りました。先週のCPI(消費者物価指数)に続き、インフレのピークアウト期待を強める内容となり、市場では株高・金利低下・ドル安が進みました。

まず、数値の概要から。

企業間の物価であるPPIはCPI(消費者物価指数)に先行して動くこともあります。

ご覧のように2021年初めの物価上昇はPPIの方が先んじて大きく上がりました。一方、

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ピークアウト? CPIをもう少し深掘り

ピークアウト? CPIをもう少し深掘り

記録的な米国株の高騰をもたらした米CPI。昨日の速報記事でざっくり説明しましたが、ピークアウト期待が強まったわけを昨日とは少し違う角度で補足しようと思います。

まず、食品・エネルギーを除いた「コア」の前年同月比をみてみましょう。

10月は6.3%の上昇。市場予想(6.5%)よりは下回りましたが、数カ月前より伸び率は高いですよね。「頭打ちとはいえるかもしれないけど、本当にピークアウトするの?」と

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【速報】10月米CPI  株価・為替は?

【速報】10月米CPI 株価・為替は?

金融市場が大注目の10月米CPI(消費者物価指数)は市場予想を下回りました。利上げ警戒は一気に和らぎ、株価は記録的急騰、金利急低下、ドル円146円台→140円台となりました。CPIの要点や金融政策の見通しをわかりやすくまとめます

まずはCPIの概要(日本時間11/10 22:30発表)

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Bitcoin急落 なにが起きた?

Bitcoin急落 なにが起きた?

まずBitcoinのチャートから

1日あまりで20%以上も急落。1年前の高値と比べると4分の1になりました。最近、Bitcoinはあまり派手な値動きをしなくなっていたのですが、一変しました。

なにが起こったのか――。暗号資産になじみのない方にもわかるようザックリ整理します。

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【11/10発表】米CPIプレビュー

【11/10発表】米CPIプレビュー

金融市場が大注目の10月の米消費者物価指数(CPI)が日本時間11/10(木)22:30に発表されます。先月までは21:30の発表でしたが、アメリカは今週、冬時間に入ったので1時間遅れます。

CPIそのものの前に、まず株価の反応をおさらいしましょう。

ご覧のように発表当日はNASDAQを中心に株価が大きく動く日が目立ちます。今回もCPIへの注目度は変わらず高く、内容次第で乱高下がありそうです。

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どうなる米中間選挙 市場への影響は?

どうなる米中間選挙 市場への影響は?

バイデン大統領の審判となる11/8の米中間選挙。日本時間11/9(水)の昼頃から開票情勢が伝わります。焦点はどこで、市場への影響はどうなるのか?コンパクトにまとめます。

まずは昨日のTwitterに載せた1枚紙から。

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【チャート集】マーケット定点観測

【チャート集】マーケット定点観測

月に1回ほど、マーケットや経済のチャート集を配信しています。原則2019年からのチャートをたくさん並べていて、ザっと横断的に眺めると、いろいろ頭の整理になると思います。チャートは月々の話題に応じて、入れ替えたりしていますので、ご意見などあればお寄せください。

まず日米株。10月はFRBの政策転換期待で株価が上昇しました。しかし、11/2のFOMCでパウエル議長は利上げの終着点は従来想定より高くな

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米ISM景況感  企業コメントに変化

米ISM景況感 企業コメントに変化

今週(11/1 & 11/3)、アメリカ企業へのアンケート調査であるISM指数(10月分)が公表されました。

メディアでは上記の景況感が見出しになりますが、この指標は全体の数値以外にも見どころがたくさんあります。特に企業の生のコメントは米景気のいまの空気感が伝わり、私も毎月チェックしています。このnoteでは毎月コメントを和訳でご紹介するとともに、「物流」「インフレ」の状況を映す指数の個別項目も

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【AM3:00~速報】FOMC

【AM3:00~速報】FOMC

FRBは11/2、0.75%の利上げを決めました。ただ、これは市場の予想通り。焦点は12月以降の政策運営です。声明では12月の利上げ幅縮小の可能性をにじませた一方、記者会見では従来以上に利上げが必要とのトーンも出しました。

株価は声明発表直後に上昇しましたが、会見が進むにつれ、下落が強まる乱高下の展開に。以下、声明・会見・市場反応をコンパクトにまとめました。(AM6:10ごろ、いったん編集完了)

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