タイトルにもなっているが、本書はシステム思考の実践ガイドである。
わたしはこの分野の知識がなく初学に近かったので、読むのに2週間ほどを要してしまった。しかし、課題を構造化して問題を捉えようとするときに、本書から、かなり有用な知識をインプットすることができると考える。
多くの社会課題や地域課題を生み出すことは、新たなブルーオーシャンの創造である。しかしその課題設定が間違っていたら、より大きな課題を生み出したり、単なる浪費に終わったり、社会的なコストを生み出すだけに終わることも考えられる。そうならないために、課題を見える化して、なにに取り組むべきか、レバレッジポイントと呼ばれるものを明らかにすることが必要になる。
おそらく本書を読んだけでは知識を得るだけに終わるだろう。実際に現場で活用してはじめて、理解も深まっていくはずである。実践ガイドとあるように、本書を活用して、実際のケースで使っていければと思う。
本書は、システム思考の基本書であり、この分野における必須の一冊だと考える。また良書に多く言えるのですが、本書の監訳者の解説もよい。解説を読むことで、実際のケースにどのように用いるべきか、思索が深まると言える。
◇気になった個所(付箋を貼った個所)
(p45の図 1-1)
P57の図 2-1
p63の図 2-2
p241の図
――監訳者による解説―――
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◇プロフィール
藤井哲也(ふじい・てつや)
株式会社パブリックX 代表取締役/株式会社ソーシャル・エックス 共同創業者
1978年10月生まれ。京都大学公共政策大学院修了(MPP)
2003年に人材ビジネス会社を創業。2011年にルールメイキングの必要性を感じて政治家へ転身(2019年まで)。2020年に第二創業。官民協働による価値創造に取り組む。現在、経済産業省事業のプロジェクト統括も兼務。
議会マニフェスト大賞グランプリ、グッドデザイン賞受賞。著書いくつか。
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