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藤井満
2022年5月29日 22:49
京都駅から山陰本線の普通列車に乗った。嵯峨嵐山駅で大半の乗客がおり、トンネルとトンネルの合間に保津峡の急流を眺めていたら広々とした盆地に出た。サンガスタジアムと隣接する亀岡駅に降りた。愛敬の馬の木造の走田神社 21番の穴太寺までは3キロちょっとだ。市役所まではまちなかを歩き、京都縦貫自動車道をくぐると水田が広がった。車が通らない農道は、ウグイスやカエルの声が耳にとびこんでくる。 走田神社
2022年5月28日 08:26
西国三十三所には清水寺がふたつある。有名な京都の清水寺(16番)と、兵庫県加東市にある25番の清水寺だ。「もうひとつの清水寺」を訪ねるため里山に囲まれたJR福知山線の相野駅に降りた。5月末、黄金色の麦畑が風で波打っている。寺までは10キロほどらしい。 近くのコンビニでお茶とミニアンパンを買い、9時半に出発した。自然木と巨石、鯨の骨の鳥居 名物の黒豆や丹波焼の看板を横目に30分ほどで山に
2022年5月1日 10:20
熊野は「死の国」、水葬の名残は今も 2015年から2年間、熊野の山と海を取材してまわった。熊野は出雲とならぶ「死の国」であり、明るく清浄だけど薄っぺらい伊勢とは正反対の存在感を感じた。 イザナミの墓は、古事記では出雲と伯耆国の境の比婆山とされているが、日本書紀では熊野の有馬村の花の窟(三重県熊野市)と記されている。 平安時代には阿弥陀の縁日である15日に多くの僧が、自らの体を焼く「焼身