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個人イラストレーターのススメ バズらず仕事に繋げる方法

こんにちは、藤依しのです。


少し前にFANBOXのほうで依頼についての話をまとめました。


今回はその中でも個人をターゲットにしたイラストレーターについて、note向けにまとめてみました。バズらないと依頼が来ないと思っている中堅絵師の方は、参考にしてくれると嬉しいです。

長くなりますが、お付き合いください。



■いきなり有名イラストレーターは目指さなくていい

依頼が来る仕組みについて話す前に、まずは、絵の仕事とは何なのかということについて、少し話したいと思います。


よくあるイラストレーターのイメージ

イラストレーターの仕事と言っても色々ありますが、絵の内容で大別すると、大体デザイン系とキャラクター系にわかれるかなと思ってます。

そして目立つのはやはりキャラクター系を手掛ける絵師さん方です。
ゲームやMVイラストなどでも有名な人はわりかしキャラクター系に偏ってますよね。

もちろん業界の人たちからすれば、キャラクターでなく、シンプルデザインやアーティスティックな絵、背景イラストなどで名の通ってる人もいると思いますが、業界の外にいる一般人からすると、普段SNS使ってて注目を浴びるのはキャラクターを描く絵師さん方が多いんじゃないでしょうか?


そして、やっぱり目立つ人、人気者は羨ましくなりますよね。

それにオリジナルの作品で何万もいいねを獲得するような人は、クリエイターとしてかっこよくないですか?

ただ単に収入や地位を誇示するだけの人は何かに執着してるようでかっこ悪いですが、動画出したり配信したり作品を公開したりして多くの反応を貰ってる人は、自信に満ち溢れ人生楽しそうですよね(実際にそうかはともかく)


なので、皆さんどうせイラストレーターを目指すなら、そういう有名絵師さんに憧れると思うんです。憧れますよね?

という流れを作ったところで次に本題です。



バズらないと無価値か?

有名絵師さんに憧れてイラストレーターを目指すと、そういう「影響力」への憧れに囚われて、「絵はバズらないと価値がない」「バズらない人はイラストレーターになれない」的な思考に陥ることがあります。

確かに、有名な企業様からの依頼を受けたいなら、その理屈は通ります。なぜなら大企業というのはより多くのユーザーをターゲットにしていることが多く、大企業の打ち出すコンテンツに使うイラストもまた、より多くのユーザーに刺さるものであることが望ましいからです。

なので数千フォロワーでいいねも少ない絵師よりも、数万フォロワーでバズを連発している絵師のほうが、ニーズにマッチしやすいという話です。


ただ、これはあくまで企業を狙った場合であり、何でもいいからお金を貰って依頼を受けたいという話であれば別です。



個人向けであれば、有名じゃなくてもいい

絵の依頼とは、お金を貰って要望通りに絵を描くことですが、実は絵師さんにお金を払って絵を描いて欲しいと思う人は何も企業だけじゃありません。


たとえば「vtuber」

大きな事務所に所属してやってる人もいますが、個人で絵を用意して動画を出す人も結構います。

あるいは、vtuberでなくとも動画内で使用する素材を絵師さんに描いて欲しいということもあるし、個人作曲者がMVを公開する際にもイラストを使うことがあります。個人開発ゲームの素材や、自費出版で小説を出す時の挿絵を依頼するということもあります。


今はわりと誰でもクリエイターになれる時代で、活動のための投資としてSNSで絵を依頼するのは当たり前になってます。

もちろん個人とはいえ有名な絵師さんに依頼したい人が大半でしょうが、中にはそんなに有名人ではないけどこの人の絵が凄く好きで依頼したいという人もいますし、なんなら有名人に依頼するのは気が引けるからこの人にしておこう的なパターンもあります。

つまり、依頼受けたいだけなら有名であることが必ずしも必須ではないわけです。



クリエイター系のファンがいるかが重要

むしろ大事なのは、どれだけ絵がいいねされてどれだけファンがいるかではなく、自分の絵をいいねしてくれる人の中に、絵を依頼してくれる人がいるかどうかです。

何万いいねされようと、その全員が「見る専」だと依頼に繋がらないのです。

いや実際にはバズればバズるほど、色んな人に絵が届くので依頼も来るし、企業様の目にも止まるので、「バズれるぶん」には何の問題もないんですけどね。


でもバズる自信がないなら、真っ先にそこを目指すべきではないと、僕は思います。それはある意味他力本願というか、現状バズれもしない癖に「バズればどうにかなるっしょ」みたいな楽観思考だと思います。

もし、あなたが企業様にアプローチできるほど上手くないけど絵を仕事にしたいと思っているなら、ただバズらせるために絵を描くのではなく、「どういう人に依頼してほしいか」を意識して絵を描き、個人クリエイターの方々と積極的に絡むべきなのです。



■個人依頼でもお金にはなる

とはいえ、「依頼といってもたかが個人クリエイターでしょ? そんなの仕事になるの?」と思うかもしれません。

これに関しては、満足に稼げるとは残念ながら言えません。


本当に気に入ってくれたならお金は出してくれる

ただ満足には稼げないとは言いつつ、思ったよりは出してくれるパターンもあります。

ネット文化に疎いひとは、アマチュア絵師への依頼なんて一枚数百円〜数千円くらいが関の山だと感じるかもしれませんが、自分の場合はyoutubeのサムネイルでも数万、vtuber用の立ち絵とかになると10万近く。一回だけですが、数十万の依頼もありました。

はじめて数万円で依頼を受けた時は、「自分の絵を必要としてくれる人もいるんだな」と思いました。自分の絵はプロには劣ると思ってますが(謙遜とかではなく素直に)、それでも需要があるという事実はとても嬉しいですよね。


もちろん有名絵師さんのようにひっきりなしに依頼が来るわけではないので波はありますが、その辺はどれだけ自分を宣伝するかでも変わってくると思います。


たとえば自分は今、宣伝しなくても最低月1件は数万の依頼が来る状況ですが、もっと稼ぎたいなら、積極的に絵をツイートして、名前にお仕事募集中とか書く手もあります。

あるいはSNSだけじゃなく外部サービスを利用するのも手です。特にskebやpixivリクエストは、依頼内容がかなり自由度高いので良いと思います。



普通の仕事よりストレスは少ない

さらにお金では見えない部分のメリットもあります。それが普通の仕事より圧倒的にストレスが少ないことです。


普通というのは、一般的にイメージされる会社員や積極業などのアルバイトです。

それが楽しい人は何の問題もないのですが、世の中「コンビニのアルバイトすらまともにできない」というタイプの人は案外多いと思います。自分もそうでした。

このタイプは「トロくて仕事ができない」という印象を持たれがちですが、単に仕事内容が性格に合ってないだけで、頭脳労働やクリエイターとして働かせれば、それなりに成果は出す人の可能性があります。(単純作業が得意なタイプもいるので一概には言えないですが)


とにかくそういう「普通の仕事できない勢」は何ができないのかというと、「人とのコミュニケーションを円滑に行うこと」ができないのです。単に人付き合いが苦手だったり、レスポンス良く返事するのが苦手だったり、多くの人に囲まれると辛い人もいます。

ちなみに自分は頭の回転が遅く、色んなことを同時に処理できないタイプでした。


そういう人間からすると、SNSでの一対一の仕事はめちゃくちゃ楽です。メールなので多少レスポンスが遅くても大丈夫ですし、常に自分の進捗を気にする上司もいません。

これに関しては、もしかしたらプロの社内イラストレーターより精神的に楽かもしれません。

少なくとも、アルバイトをこなしながら絵の勉強もするよりは楽なので、将来イラストレーターになりたいなら、まず個人依頼から請け負うのは良い方法だと思います。


個人依頼をこなしつつ上達させればいい

そして何より、こうした個人依頼を請け負うことで、少なからず自分の絵の上達に繋がります。

もちろんプロの仕事とは全然違いますし個人依頼で絵の仕事全てを語る気はありません。

しかし顧客のニーズを聞き、それに対応するというプロセスはどんな仕事でも共通です。会社やサービスのようなすでに出来上がったシステムを利用せず、SNSで直接自分を売り込み仕事のやり取りをしたという経験は、これからイラストレーターとして自分を売っていくのに、良い自信となるはずです。


何も個人依頼をゴールにする必要はなくて、いずれプロのイラストレーターとして名を馳せたいという目的があったとしても、いきなりプロの世界にアプローチせず、まず手が出せるところから始めるというのも、アリなんじゃないかと思います。



ただし受けすぎには注意

とはいえ、いずれちゃんとイラストレーターになりたい場合は、仕事の受けすぎには注意です。


プロのイラストレーターはやっぱり上手いんです。たとえネットで「下手」なんて言われてる絵であっても、絵を描く側から見ると素人とは違う「見られる絵」を意識したツボを押さえてるなと思います。

才能のない人がそこにたどり着くためには、プロになるための練習が必要です。これは個人依頼のように「一人のユーザーのニーズを満たすためのイラスト」を描いているだけでは、難しいと思います。


バズる必要はないとは言いましたが、バズる絵を描ける実力は、本気で絵を仕事にしたいなら必要です。

あまりに個人依頼を受けすぎると、そういう先を見据えた絵を描く暇がなくなってしまうので、それえだけは気をつけたほうがいいです。僕は今この状態なので、少し身軽になるため身辺整理してます。



■依頼を受けるために具体的にやること

というわけで、バズりたいけどバズれない人は、まず個人依頼からやってみるのはどうでしょう?みたいな話でした。


そしてここからは今回のオマケ、「具体的にどうすればいいか?」という話です。

自分は最初から「個人依頼を受けよう!」と思って活動していたわけではないので、ノウハウには乏しいのですが、体験談から話したいと思います。

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