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絵において個性は差別化要因にならない

イラストレーターのしのです。


最近、真面目に基礎から学び直そうと思いまして、良いと評判のcolosoのモ誰さんの講座を購入してみました。

動画形式でまだ視聴中なのですが、序盤にすごく面白いことを言ってたので、少し紹介したいと思います。


今回のテーマは、「個性は差別化要因にならない」という話です。


個性が差別化要因にならない理由

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なぜ個性が差別化にならないのかというと、そもそも「個性」って誰にでもあるものだからです。


個性が押し殺され画一化された分野では、個性を出せることは武器になります。一方で絵の場合どうかというと、みんながみんな自分の個性を精一杯だそうとするので、個性を出せることは強みになりません。

よほど素晴らしい個性であれば別ですが、あなたが個性的な絵(テンプレから外れた絵)を描いたとしても、twitterではみんながみんなテンプレから外れた絵を描いているため、大抵の場合はありふれたものとしてスルーされます。


これが個性が差別化要因にならないシンプルな理由で、講座の中で一瞬だけ触れられていたのですが、自分にとってはすごく印象に残っています。


狙って個性的な絵を当てるのは難しい

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もちろん中には個性的な絵で成功する人もいます。でもそれは個性的だから受けたのではなく、その人の個性とみんなが面白いと思う革新性が偶然一致しただけです。


これを狙ってやる場合は、自分の持っている個性だけでなく、世間に受けそうな個性を自分で作り出し、それをヒットさせる必要があります。これがどのくらい大変かということは、絵を描いている方ならわかると思います。

個性だけで勝負するのは博打に近いし、「ありのままの自分」だけで勝負できるほど心地よいものでもないのです。


もし自分の持つ個性で勝負したいと思うなら、個性だけではなく他の武器を手に入れる必要があります。

それが基礎画力です。


基礎とは現実世界の持つ基準

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基礎とはなんなのか?

これも講座でわかりやすく説明されていました。


基礎とは要するに基準です。自分の伝えたいものを相手に伝えるための共通の価値観、それが基準です。

その基準の最もわかりやすい例が『現実世界』です。


あなたがりんごを描いた時、そのりんごが相手にも「りんごだ」とわかるようにするためには、現実世界のりんごの特徴を反映させるのが最もシンプルなやり方です。

現実世界を基準にして、相手にも伝わりやすい絵を描くこと。これが『基礎』になります。


基礎を踏まえてこそ、相手に伝わる

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相手にも伝わりやすいという点は非常に重要です。なぜなら、自分では可愛い絵を描いたつもりが、それが相手に伝わらないと、ただの自己満足で終わってしまいます。

少なからず相手に良いと思ってもらうためには、自分の好み・自分の感情・自分の感じている世界観を、絵を通じて上手く相手に伝えないといけません。


これは絵を売る上でも同じことです。

「うさぎカフェの宣伝に使ううさぎを描いて欲しい」と依頼したのに、描かれた絵が「猫」だったら、その絵は宣伝に使えません。たとえあなたが「うさぎ」を描いたつもりでも、基礎ができていないとそういうことが起きます。

もちろん、偶然その絵がSNSでウケる可能性はあります。しかしそれは偶然です。狙って仕事を勝ち取ったり、ファンを増やすことは困難になります。

だから基礎が大事なのです。



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イラストは基礎が大事と言われることが多いですが、芸術そのものにおいて基礎(技術とも言える)と個性どっちが大事なのか、答えをはっきり出せる人は少ないと思います。

ただ、間違いなく言えるのは「基礎ができていないと、伝えたいことを狙って伝えるのが難しい」ことでしょう。


基礎を頑張るか、基礎よりも個性を重視するか、迷っている人は参考にしてもらえると幸いです。

もし基礎が重要だと思うなら、ぜひモ誰さんの講座を受けてみてください。値段は高いですが、もしかしたら値段以上のものを得られるかもしれません。

https://coloso.jp/illust_webtoon/illustrator_mogoon_jp


では(。・ω・)ノ゙

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