貴方がリーダーならどうしますか?シリーズvol266 『ガラス張りの経営』第2弾決算書の開示は必要?決算書は読めたほうがいいの?何か経営に役立つの?という疑問をお持ちになったことございませんか?

 第1弾では、ガラス張りの経営とは?会社の数字を包み隠さず、積極的に社員に公表する経営姿勢のことです…とお伝えさせて頂きました。
 第2弾では、会社の数字の公表ですが、何を公表することがガラス張りの経営なのでしょうか?
 ずばり、決算書です。一年に1回、決算後に税理士さんが作成してくださる会社の成績簿のことです。BS(バランスシート)といわれる『貸借対照表』と、PL(プロフィット&ロスステイトメント)といわれる『損益計算書』のことです。
 若いころ、初めてこのシートを税理士さんから渡され、説明を受けましたが、難しすぎて理解不能…頭から湯気が出ていたのを今でも覚えています。(笑)
 そもそも必要性を感じていませんでしたので、難解なシートをいくら眺めても、さっぱり分からず、いつの間にか紛失していました。(笑)
 スタッフが増えてきたころ、先輩経営者の方から、「経営者なんだから、決算書ぐらい読めるようになりなさい!」と言われ、ユーチューブのなかった時代でしたので、渋々書店に行って、できるだけ簡単そうな決算書のビジネス本を買ったのを今でも覚えております。
 買ったのはいいのですが、読めば読むほど、余計に理解不能に陥りました。
 自己資本比率がどうのこうの…流動比率がどうのこうの…総資本回転率…固定資産回転率…棚卸資産回転率…
 頭の悪い私には、外国語に見えてきました。(笑)
 それでも、先輩の言いつけなので、しばらくビジネス本と格闘して、少しずつ何のことか分かり始めました。
 ところが、理解すればするほど、『この決算書が読めたからって、何か経営に役に立つのか?』という疑問が沸々と湧いてきました。
 この難解な指標を理解して、経営に必要な正常な数値を目指したからと言って、会社が良くなるとは到底思えませんでした。
 決算書はそもそも読めることが大切ではなく、活用することが大切だと思い始めました。
 決算書を何に活用するのか?といいますと、『社員がワクワクする経営計画書づくりに役立てる』ことができます。
 社員が良くなるためのビジョンを数値で表すことができるようになります。
 例えば、どれくらいの労働生産性で、どれくらいの労働分配率を実現できれば、社員の給料(平均年収)をベースアップできるのか?
 どれくらいの利益が出れば、もっともっと豊かな美容師人生を送ることができるのか?を算出することによって、社員にとって意味のある売上目標を設定することができますよね。
 私は、社員がよくなるために必要な利益を『幸せ利益』と呼んでおります。
 『利益が出たら待遇面を考慮する…』という考え方ではなく、逆に『待遇面を考慮して必要利益を算出する』ことが社員とワクワク感を共有する経営計画書だと思います。
 その他、利益率がいくら上がれば…そのためには単価がいくら上がれば…と、実現可能な戦略も立てることができるようになります。
 ですので、手形商売ではなく現金商売である美容業は、貸借対照表より損益計算書の活用を積極的にされた方がよろしいかと思います。
 ビジネス本に出てくる難しい指標よりも、社員がワクワクする経営計画書を作りのための夢の数値化のツールとして、決算書を活用することをお勧めいたします。
 
 
 


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