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『学問のすゝめ』をあらためて考える

みなさん、おはようございます。
いよいよ今年も残り5日、カウントダウンに入ってきました。
寒さ厳しい折、どうかご自愛ください。

さて、昨日の投稿「前へ進め」で『学問のすゝめ』発刊からことしで150年となることをご紹介しました。

実は昨日家に、慶應義塾の季刊誌『塾317号』が届いていました。やはり、その中でも、『学問』をあらためて考えると題して特集されていました。

その中では、常任理事さんと現役学生2名の対談形式で綴られていますが、そのうち特に印象的な一部を引用させていただきます。

コントラストこそ貫く主張


「天は人の上に人を造らず」は有名な一文ですが、そのあとの「されども」から続く一文への展開が、実は大事です。
現代語訳には反映されていない「有様ありさま」という言葉に注目してください。「有様」とは現実です。福澤は「天は・・・・」の一文で「理念」を示します。この理念と有様(現実)のコントラストこそが、『学問のすゝめ』で福澤が貫いている主張です。
現実が理念に照らされたときに課題が現れ、それを克服する方策が論じられていく。この理念と現実の綴れ織りが論を進めていく仕掛けです。

当たり前を疑問視した先に理念や理想がある


『学問のすゝめ』で貫かれているモチーフとは、当たり前を疑う視点だと思います。当たり前という有様を疑問視して課題化していくその先に、我々が目指すべき理念や理想があるはずです。それらを常に忘れずに歩んでいきたいものです。

正にまさに。
現代のwithコロナの時代にも通底する考え。
150年前に著された考えがいまもまったく色褪せていない。
すごいとしか言いようがありません。

最後に、『学問のすゝめ』名言集が掲載されていましたのでご紹介します。

『学問のすゝめ』名言集


「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと云えり」
人には生まれつきの格差はない(だが実際の人間社会にはさまざまな格差が存在する。その理由は学ぶか、学ばないかの差である)

「顔色容貌を快くして、一見、直ちに人にいとわるること無きを要す」顔色や表情をいきいきと明るく見せ、相手にイヤな印象を与えないことは、人と交際する基本的なモラルである。

「進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む」
世間の物事は、進歩しないものはそのまますたれていき、進む努力を続けるものは必ず前進するものである。

「男も人なり女も人なり」
そもそもこの世に生まれた者は、男であっても、女であっても、それぞれ果たすべき使命を持った人間であることに変わりない。

「学問に入らば大いに学問すべし。農たらば大農となれ、商たらば大商となれ」学問を志したなら大いに学問に励め。農業なら豪農に、商業なら大商人を目指せ!小さな安定に満足してはいけない。

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いかがでしたでしょうか。
慌ただしい年末ですが、書に触れて自らを問い直す時間も必要ですね!


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