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健康経営には、しかけが必要

ご好評?にお応えして、健康経営シリーズ第3弾!(note50回目投稿)

過去2回は、まず「健康経営とは」、そして「健康経営は切り口になる」
について記載してきました。

今回は、行動経済学の「ナッジ」を利用した健康経営の進め方について、仕掛けが必要との観点から具体的な活用例について書いてみたいと思います。

「ナッジ」とは

「ナッジ」とは、人々を強制することなく、望ましい行動へと誘導するようなシグナルまたは仕組みのことをいいます。

"そっと肘で押す”とかが日本語訳になっていますが、みなさんも"知らず知らずのうちに・・・” なんてこと、ありますよね!

例えば、「コンビニのレジの前に足型をプリントして張っておくと、人が黙っていてもそこへ並ぶ」とか、「男性用トイレに的(マト)を張ると、周りが汚れなくなる」など、これらはナッジの手法を用いた例といわれています。

「わかっちゃいるけど・・・」

むかし(年代がバレバレか💦)、植木等というコメディアンが一世を風靡?し、よくテレビでこの言葉が流れていましたが、

ひとはなかなか行動変容できない、まさしく「わかっちゃいるけど、なかなかタバコがやめられない!」ですよね。

ここでちょっと経済学のお話し

従来、経済学では「人は合理的に行動する」が前提となっていました。ところが、「人は必ずしも合理的に行動しない」ことに着目し、従来からの伝統的な経済学ではうまく説明できなかった社会現象や経済行動を、人間行動を観察することで、実証的にとらえようとする新たな経済学として、行動経済学という分野が脚光を浴びるようになってきています。

限定合理性 つまり人は完璧な合理性を持たず、限定的な合理性のもとで意思決定する、この点からNudge(ナッジ)を用いて様々な経済行動を解き明かしたことで、2017年にリチャード・セイラー博士がノーベル経済学賞を受賞されたことはあまりにも有名です。

当たり前にする

では、いよいよ本題です。

ナッジがいかに健康経営に活用されているのか、または活用される余地があるのか、についてすこしだけ触れてみたいと思います。

これまで人はなかなか行動変容できない、必ずしも合理的に行動しないということを説明してきました。

であれば、これらを逆手にとって、特に健康無関心層へのはたらきかけがとれないか、いやとれる!ということで、これらの層への様々なアプローチが健康経営の現場では既に取り入れられています。具体的には、デフォルト オプションといわれているものもその一つです。

みなさんが、お昼に社員食堂でラーメンを頼んだとします。そしたら気前よくサイドメニューにサラダがついていました。ラッキーですよね!でもよく見ると、「サラダはライスに交換できます」のPOPが!
さあ、みなさんならどうしますか?サラダをライスに交換しますか?

実は、多くの人は最初に提示されたものに従いやすいのです。つまり、「定食には必ずサラダをつけるを、当たり前にする」と良いのです。

他にも、社内に設置されている自動販売機のメニューを、糖分を抑えたものやノンカロリーの飲料を多めにするといった仕掛けをつくる(ヒューリスティック)なども有効です。

まとめ

前回お話したように、国も健康経営の取り組みを推進しています。では具体的にどうやるのか、なにが受け入れやすいのか。
健康経営の現場では、行動経済学の限定合理性を逆手にとり、ナッジの考え方を活用してすでに様々な取り組みが行われており、特に健康無関心層に対しても刺さりやすく有効ではないかと思われる、です。

いかがでしたでしょうか。
みなさんも、知らず知らずのうちに「あっ、それっ!そうそう。」と思われたのではないでしょうか。
ここに挙げた例は、ほんの一例です。今後も折に触れて、健康経営について書いていきたいと思います。






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