変人の人生
前々から好きなテレビ番組がある。
その番組名は、「激レアさんを連れてきた。」だ。
番組は、激レアな体験をしているorしていた人をゲスト(=激レアさん)に呼び、その生い立ちを紹介する内容になっている。
基本的には芸能人ではない、いわゆる素人が出演し、自分のエピソードを紹介する。
なぜ、この番組が好きなのか。
その理由は、すばり「激レアさんに変人が多いから。」である。
変人といっても、とっつきにくい変わり者ではなく、思考回路が独特な人だ。
例えば、最近見た回には、里山を守るために棍棒を作りまくっている人が出ていた。
木を切って棍棒を作りまくろうとは常人は思わない。
類を見ないセンスの持ち主たちがゴロゴロ出てくるのだ。
もちろん褒めている。
思い返せば、僕は昔から変人が好きだった。
中学生で学力が最大値を迎えた僕は、県内トップ校と言われる高校に入学した。
天才と変人はまさに紙一重だった。
「我が高校の常識は世間の非常識」という迷言が出回るぐらい変人が多かった。
刺激のある生活が僕はとても楽しかった。
凡人の僕にはなれないような人たちが側にいる世界が面白くて仕方なかった。
そんな生活を3年も続けていたのだから、体に異常をきたしても仕方がないのだろう。
僕は変人を求めていた。
そんな矢先に出会ったのがこの番組だった。
変人には変人なりの論理がある。
それが凡人には理解ができていない。
それが故に変人は変人として扱われてしまう。
嘆かわしいばかりだ。
変人の魅力に気づけないなんて。
僕は凡人だ。
無理に変人を演じようとすると、変な人になってしまう。
僕には一生なれない存在。
だからこそ憧れがある。
「毎日蒙古タンメンを店で食べるために会社を辞めます。」
そんなことを言ってみたい。
激レアさんを見ていると、何だってなれるそんな気がする。
今の窮屈な人生に縋り続ける必要はないのだと教えてくれる。
いつか彼らみたいに僕もこのくだらない人生に終止符を打ってみたい。
彼らのとてつもない行動力は到底真似できない。
「ウルトラマラソンばかり走る人。」
「階段垂直登りばかりしている人。」
彼らのような超人にもなれない。
でも、僕自身も少しぐらいは激レアさんになりたい。
激レアとまで言わなくていい。
少しだけレアさんでもいい。
普通から抜け出したい。
普通はつまらない。
少しでも変人に近づくため、今週も激レアさんを見る。
そうやっていつしか誰かから「あの人変人だよね」って思われるようになったら、僕の人生は意味あるものになると思う。
全ての変人に愛を込めて。
では、また。