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僕はえらい

お盆明け最初の出勤日。

憂鬱だ

とにかく憂鬱だ。

いつもだって行くのが憂鬱なのに、お盆休みを満喫してしまっている。
憂鬱でしかない。
朝起きてからはもちろんのこと、なんなら前の日の夕方から憂鬱だった。

よく、FIREをすると暇で飽きると聞くが、毎朝のこの思いをしなくていいのなら、それだけですらメリットがある。

休み最高!
暇最高!


そうは言うものの、やはり僕も会社に属している以上、行かなければならない。
どうにか家にいたい気持ちを抑えつけて、外に出る。

外は暑いが、会社へ向かう。
憂鬱なのに気持ちに僕は勝った。

こんなに暑くて、休み明けで辛いのに、会社へ行くなんて僕はえらい。

そう、僕はえらいのだ。
いつだったからかはもう忘れてしまったけれど、自分自身を偉いと認識をすることは無くなってしまった。
いや、もしかしたら偉いと認識したことすらなかったのかもしれない。

出来て当たり前の人生。
逆に出来ないことが悪く、なぜ出来ないのか悩むことすらあった。
大きくなればなるほど、出来ないことは増えていく。
自分の程度が知れて、あぁこんなもんなんだと絶望する。

それでも、今日は、今日だけは自分がえらいのだと思って、思い込んで生きていく。

実際問題、えらいことにはえらいのである。
自分でお昼ご飯を詰めて、水筒を持って、会社へ行っている。
帰ったら多少の家事もする。
えらいに決まっている。

はぁ、僕はなんてえらいんだろう。


僕は偉くはなれないし、なろうとも思わない。
地位や名誉が欲しいわけではない。
けれども、日々の生活を送っている僕にはマルをあげたい。

よく自己啓発書に載っている「自分を褒めよう」みたいな教えは好きではない。
なんというか厚かましい気がするのだ。
たとえ自分の中だけの話であっても、どことなくむず痒い気分になる。良いところ探しなんてごめんだ。

でも、「僕はえらい」
そういう気持ちで毎日を過ごせば少しでも憂鬱に勝てるかもしれない。


僕はえらい。
僕はえらいのだ。


では、また。

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