Fichronicle #47 『暗号を解き始めて500万年』

「君ももう二十歳か」と言われ

僕は「どうしようもない二十歳ですよ」と返すと

「まだ人生折り返しでもないのに何を言ってるんだ」と返ってきた。

ここでの僕の文脈は『成人してもどうしようもない人間のまま』で、その方もこの意味を汲み取った上での返答だった。
2021年3月28日(日)現在、-もうすぐ変更されるけど-日本においては20歳が成人の歳に当たる。

普段、同年代と人とオフライン上で会話をする事がない僕は、成人の歳を迎えた者は “心の中も大人になっている事が普通”だと思って生きていた。
でもこの方の言葉を読み解くとそれは事実と違うような感じがした。

みんな僕のように思って生きているのだろうか。そんな込み入った事を人に聞いたことないし、聞きにくいから分からない。

少し話を逸らすけど、僕は人生の折り返しに当たる年齢が何歳か分からない。
少なとも現在は“人生100年時代”なのだと思う。
でも、技術は信じられない速さで進歩しており、医学も同様の道を進んでいる。

老化細胞を人為的に取り除く事が動物実験で成功している程に。

その中で僕が属する世代における、人生の折り返し地点が平均何歳になるのかが分からなくなってしまい、少し戸惑ってしまった自分がいた。

もし、21世紀の間に全人類が老化細胞を除去する事が当然な世界になったら、僕は100歳を過ぎても2021年における、健康な20歳のような姿をしているかもしれない。
人間の寿命も有限か無限かで議論があり、老化細胞を除去した人間の人生折り返し年齢がどこか、ますます分からなくなる。

変わらないな、と思う。
昔もそうだった。人と話している時によく理解してもいない医学の話が浮かんだ。

そういう人間性だと受け入れた方がいいのかな。心の中で思っている分には誰にも迷惑はかからないし。


軌道を戻す。


結局、人は 自分が“普通の”大人になれていない と思いながら日々を生きているのだろうか。分からない。色々な事が分からなすぎる。誰なら分るんだろう。


そこに−現在における−答えを出すことが出来たら 大人 なのかもしれないなと思った。

機材代に使います