湿り気

「全部吐き出しちゃえば」
なんて友人は言う。
曖昧で行き場のないこの感覚。言葉にしちゃいたい気もするし、このままにしておきたい気もする。

きれいに刈られた芝生に通る小道を歩く。大木が落としきった毛虫みたいな長いフサフサが辺りを覆う。
道がなくなったみたい。
5月の合間の雨露が全てを滑らかに、しっとりと一体にさせている。いつもと違う色、1秒も同じ瞬間はない。

たぶん、きっと、このままでいいんだと思う。

#エッセイ #小説 #文学 #essay #literature #読書 #あたしのエッセイ