身体測定の攻防~小学校編


(※ネットなどで見かけたつぶやきやエピソードから、構成したものです)

 初めて「やせたい」と思ったのは小4の4月。
 身体測定のあと、小柄な友達と数字を比べたら、私のほうが15キロ以上重かった。そのときの身長体重は、144センチで43キロ。でも、やり方がよくわからないし、親や先生の目も気になって、なかなかやせられなかった。

 それで、本格的にダイエットを始めたのが、小5の4月。
 新しく担任になった男の先生に、身体測定のとき「おまえ、発育いいな」と言われ、ちょっと触られた。そのとき、思ったんだ。発育が悪ければ、こんなことされないはずだって。
 ちなみに、そのときは149センチで48キロ。

 そこから頑張って、9月の身体測定では42キロまで落とした。身長は2センチ伸びて、151センチ。
 保健の先生に呼び出され、
「身長が伸びてるのに体重が減ったのはあなただけよ。ダイエットしてるなら、やめなさい」
 って言われたけど、逆に誇らしかった。なぜって、太ってる子も数人呼び出され、やせるように指導されたことを知ってたから。

 そのままダイエットを続けたら、翌年1月の身体測定で、152センチ36キロに。
 保健の先生にはますます怒られたけど、全然平気だった。毎日走ってたおかげで、マラソン大会の順位も前の年より上がってたし。ついでにいうと、勉強の成績もダイエットを始めてから上り調子だった。

 そして、小6の4月。身長は153センチ、体重は31キロになった。
 1年前に数字を比べた友達との体重差も逆転。その子は身長もかなり伸びてたし、
「成長期だから、体重は増えて当たり前だよ」
 って慰めてあげた。
 心のなかでは、成長期なのにダイエットできてる私ってすごい、って優越感にひたってたんだけどね。

 ただ、そろそろ、やめどきかな、とも思い始めてた。
 頑張ってるわりにあんまりよく言われないし、親や友達との関係もギクシャクするようになってて。何より、自分の体や心が思い通りにならなくなってきたことが、すごいストレスだったんだ。
 だから、20キロ台まで行けたら、キープに切り替えようと決めたんだよね。

 でも、20キロ台になれても、ダイエットはやめられず、そんな6月のある日、保健の先生に呼び出された。
 そしたらまさかの抜き打ち身体測定。153センチで28キロだった。
 先生にはいろいろ脅され、でもそれ以上に怖かったのは、身長が変わってなかったこと。縦に伸びなくなると横に大きくなるって聞いてたから、そうならないよう気をつけなきゃって思った。

 そして「気をつけなきゃ」がもうひとつ。こういう事態に備えて、学校の机の引き出しにおもりを置いておくことにした。
 おかげで7月の終業式の日、また抜き打ち身体測定があったのだけど、先生の目に映った数字は28キロのまま。減ってなかったことで、大目に見てもらえた。
 2キロ分のおもりに感謝!

 だけど、そこまでが限界だった。
 夏休み中にもやせた私は、9月の身体測定では、4キロ分のおもりを使い、28キロキープに見せかけたのだけど。
 不審を覚えた先生に追及され、おもりのことがバレてしまった。

 そこからはもう地獄。
 結局、病院に連れていかれ、入院させられたりして、ダイエットは水の泡に。

 翌年1月の身体測定では、30キロ台まで逆戻り。具体的には31キロだったけど、9月より7キロも太っちゃった。
 ただ、小学校のあいだにまたやせるのはあきらめないとね。そのかわり、春休みになんとかできないかなって思ってる。中学最初の身体測定では、せめて29キロになっていたい。
 それが今の私の夢、いや、目標だから。


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