早く死ぬ人

飯島愛の遺稿が出版されたらしい。

ふと思うのは、彼女のような人が夭折する、という、人の世の摂理、について。憎まれっ子世にはばかる、とはよく言ったもので、そういう図太さにもまた、一目置くべきとは思いつつ、やはり、その対極にも見える彼女のような存在にシンパシィを抱かざるをえない。

「愛されてばかりいると 星になるよ」

四半世紀前、井上陽水はそう歌った。


(初出「痩せ姫の光と影」2010年6月)


引用した歌詞は、井上陽水が1983年に発表した「愛されてばかりいると」のサビのフレーズ。そのヒロインのさまよい方より、飯島のそれは真面目でプラトニックなものだったはずだが、深い孤独をいっぱいの愛で埋めようとする生き方はやはり、死を引き寄せやすい気がする。


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