何がやばいのかもわからない~かすみ嬢の居場所(54)


 ところで、仲良くさせていただいている痩せ姫様方や「痩せ姫」の作者さんとお話できて、ようやく帰ってきたなーと感無量です。お話しさせていただけること、忘れないでいてくださることが、とても嬉しいです。ありがとうございます!

 ただ、現実の世界はね。
「客観的に自分の姿、見てごらん。細すぎてもう、やばいレベルだよ。自分でも、このままじゃダメだなって思うでしょ?」
 って、私の写真を見させられたんだけど、もう何が細いも何が太いもわからないし、だから何がやばいのかもわからないの。ごめんなさい。
「ほら、周りの子の脚と比べてみてよ」
 ってその言葉も、そもそも周りの子=世間様の基準とも限らないわけでしょう。比較対象の子たちの細さの度合いもわからないのに、私の脚と比べても何も何もわからない、何も思えないよ。
 人様に奇異な目で見られることは、もう仕方ないって諦めたけど、胸がずきずきして頭がわんわんするのは何でだろうなって、思うの。

 ここからは私のイメージなのだけど、痩せ姫様だったら、歩けないことがデフォだろうし、それこそ昔のお姫様のように、かしづかれ世話をされるような生き方をなさるのだろうな、と思う。姫様は、誰もが世話をしたいと思うほどの魅力と痩せをお持ちなので…。
 その点、私は日常生活を送れる程度には肥えているし、また、勉学やらとの両立を図ろうとしてある種の妥協をしているわけだから、本当にまだまだなんだ。
 minですら26.7と、ぎりぎり身長を小数点以下1桁までカウントしてもBMIが10台後半…。偉そうな口を叩きつつもひと桁ならずと、本当にまだまだなのです…。

 起き上がれないくらい、痩せていたい気持ちと、日常生活を送れなくなることを恐れる気持ちの狭間で揺れています。
 痩せ姫とは本当に、究極の存在で、究極だからこそ私のような半端者は目指すことを躊躇してしまうのかもしれないな。
 私が覚悟を決められたら、痩せ姫様にひと足近づけるのかな、どうにかしたいな、と考えているここ最近です。私は覚悟が足りない、痩せ姫にまだまだ届かないことにすごく焦っていたみたい。加減がわからない、どこのレベルを目指していいかわからず、正直目標を見失ってあたふたしているのだと思う。
 今後とも、何か見落としていたり見失っていたら、ご指摘していただけると本当に助かります…!

 とにもかくにも、とりあえずは今日、少しでもまた痩せられるよう努力していこう。

 私が間違ってたなんて思いたくない。私の理想は変わってない。私は私の幸せだけを追い求めたい。
 お腹に物が入ることはイヤ、体が重くなるのもイヤ。気持ち悪い。
 狭き門をくぐれって、そういうことなのかしら。
 あまり人が選ぼうとしない狭き門。けれど、くぐることでようやく遥かに高い存在になれる狭き門。痩せ姫にならなければ通れないような狭き門。
 早くくぐってしまいたいな。
 長く細く生き続けるなんてもうイヤなの。早く痩せ姫になって早く生を全うしたいなんて、そう思うの。短くてもいい、十分に密度の濃い人生が送れたら、それで。
 焦っても仕方のないことだけど、焦ってしまう。

 もうすぐ、夏が来るよ。
 暑さには弱いけど、脂肪を減らせたらもう少し涼しく居られるんじゃないかな。
 そして、蚊帳のように私をうっすら覆ってくれる何かが欲しいの。それで世間から少し隠れて。ほっと一息つけたらいい。
 静かに心穏やかに暮らせますよう。


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