見出し画像

カスタマーハラスメント

「お客様は神様です」
東京オリンピックで「こんにちは!」を歌った人から 広がったこの言葉
本人は「歌を聴いていただくお客様は神様のように有難い!」との意味合いが、今日の勘違いハラスメントにつながっているようだ。

今朝、NHK「朝いち」で 取り上げられた問題
アンケートを取れば、なんと男性は50% 女性は45%という高さで
「やったことがある」とのこと。
そういえば、アナウンサーもゲストの方々も そして私も やったことがある。と、思い当たることがあった。

「カスタマー ハラスメント」これ以降「カスハラ」と省略させてもらう。
「カスハラ」には 提案の意味にとれる「いい苦情」と感情攻撃の「悪い苦情」がある。
それだけ、世知辛い世の中になったのか…?!

私の場合を書かせていただこう。
★ある日、突然 会社から
「千葉県の社宅から1~2年以内に家を買って社宅を出るように!」という
勧告が出て「ええ!?千葉県に居る間ずっと社宅に居られるんやなかったんかあ?」と 思ったけれど、期限が迫ってくると1軒又1軒と引っ越して行く人に、私たちも「探さねば…」との一種強迫観念を感じて 探しはじめてようやく社宅の近くで 小さな家を買うことになった。
ところが、その時「頭金」とやらが「要る」ことを知らなかった私たちには まとまったお金はなかった。 仕方なしに 親に「借りる」という名目で、
夫の親と自分の親に折半で無心することになった。
「お願い」となると、最初は手紙だが 千葉と京都では やり取りがもどかしいので、電話を使う。当然 電話料金は通帳から引き落とされた。

 給料を下ろしに行った時(まだATM等なかった頃だったのだろうか?)窓口業務の定年間際のような男の行員さんが、私の通帳をじっと見て言った「電話代が多いですなあ」
若かった私は 怒ることなく、ことの事情を話して 京都の親と連絡が多くなったことを説明した。が、
「それでも 多いですなあ」と言ったことへ さすがの私も堪忍袋の緒が切れた。抗議として、窓口の人を名指しせず「こんなことが起こるのは 行員の教育が悪い」と、意見箱に投函したのだ。

1か月して後、にこにことした低姿勢の福の神のような人が 挨拶にきて
「新しい支店長です」と言われるではないか…!?
「ご丁寧に!」といいながら、なんで支店長が変わったん?と、思いながら後日 銀行に行くとあのじいさんは同じ窓口に平然といるではないか…?
私は「しまった!」と思った。あのじいさんにお灸をすえてやるためだったのに…「行員の教育が悪い」と支店長あてに書いたから、こうなったんだ!
悔しさの中に 支店長迄変えてしまった失策に猛省した。

★夫が亡くなって、夫が持っていたカードを解約するためにカード会社に連絡を入れた時のこと。
受話器を取った窓口の女の子に
「カードを解約したいんですけど・・・」というと、カードを解約したい
理由を聞かれた。何か悪いことでもしたことで解約したがっていると思われたのか、その声のトーンは低く嫌な感じが伝わって来た。が、私は「夫がなくなったんで!」と、答えた。すると、途端に事務的なことばが 立て続けに流れてくる。そこで私は言った。
「ちょっと、待って! 『亡くなった』って聞いたら、普通は『長いことご利用ありがとうございました。か ご愁傷さまです』が出てくるのが普通でしょ?」
と言っても それには応じず マニュアル通りの言葉を言い始めた。
そのように教育されているのは分かるが、臨機応変に対応できないのだ。と判断した私は「ここの支店長さん呼んで、あなたは若い窓口業務だからあなたに言っても嫌がらせになるだけだから、ここの責任者を呼んでくれる?」
長い間かかって、男の声で「なんでしょう?」ときた。私は静かに言った。
「あなたは ここの責任者でしょ?」
「そうですけど」憮然とした声が返ってくる。
「あなたのカード会社は00銀行関係でしょ?」「はい!」
「00銀行って老舗じゃない! カードを解約したい本人が亡くなったって聞けば、『ご愁傷様です』の一つも出るのが普通でしょ!普通のカードでもましてやゴールドカードを使っていたんだったら『長い間 ご利用ありがとうございました』よね!そんな言葉は出てこないの? そんなの 老舗でもなんでもないわ、老舗が泣くわよ」
私はどうしてか、怒ると関東のアクセントになる。
ダンマリを決め込む相手から ひと言もこの二つの言葉の一つでも聞きだせなかった。
 それから11年後娘が亡くなって、娘のカード解約のためカード会社に
電話することになる。嫌な記憶がよみがえるが、仕方がない!
連絡はしないと…!と 重い気持ちで受話器を取ったところ、娘が亡くなったことを告げると すぐさま「ご愁傷様です」と返ってきたのだった。

★言われることへの理不尽さは いずれも心地良いことはない。
しかし、言っている本人はどうしようもない怒りで爆発しているのだ。
コンビニでも配達などでも ハラスメントが去った後それを見ていた人が
カバーしてあげることが大事だ」とNHK「あさいち」で言っていた
のを忘れないようにしよう!

 生協の配達が遅れた時も「どうしたの?今日は遅かったねえ」と言うと、「すんません、さっき『こんなん注文してない』とか言わはるんで、本部に確認してたんです。会員さんはお年寄りが多いんでねえ」と ぼやいた。
私は いつものペットボトルお茶を出しながら
「そうかあ、たいへんやねえ、これでも飲んで!」と言うと
「いっつも、気つこてもうてすみませんねえ、いただきます」と生協のお兄さんは笑顔になった。

 郵便局員さんや宅配配達の人には「ごくろうさま、気つけてね!」とか、手を合わせて「ありがとう!」といっている。
働くことのしんどさや不甲斐なさなど、80年間生きてきたら自然と分かる
息子たちも遠くで、心身を粉にして働いている時、誰かかが回りまわって私のしていることを 息子たちにしてくれたら、どんなに心が安らぐだろう!
そう考えているうちに、ふたつのことが浮かんだ。

★社長がイライラすると部下に当たる、家に帰ったその部下は女坊に当たる女房は子供にあたり、こどもは犬に、犬は石ころに!ってね!
石ころは何に当たるんだろう?

★善行は人のためにあらず
 まわりまわって自分にかえってくる。
自分に返らんでもええから、息子や孫に返ってくれたら うれしいな!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?