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メタボの原因は過食以外にもある    時間栄養学 食をテーマに 4

過食によって、メタボになったかとたいていの人は考えているようですが、必ずしもそうとは言えないようです。

「国民健康・栄養調査」によると、日本人の摂取エネルギーは減少してきています。にもかかわらず、生活習慣病は増加しています。

これだけをとっても、原因については過食のみでは説明がつきません。ライフスタイルに問題があると考えるべきでしょう。

テレビのある番組で、大企業の社長さんの昼食を紹介していました。

社長さんたちはとっても忙しくて、ある人は簡単な昼食をパパっととると、食後いや、食べてる最中も携帯で仕事の話をしているのです。

その社長さんは、夕食はたっぷり食べるから心配いりませんと言っていました。

こういう人たちが、メタボ街道をまっしぐらということになります。

一日のトータルカロリーが同じであっても、夜間に偏りがある場合は、肥満になりやすいのです。

生命体である人間は計算どおりにはなりません。

もっと複雑な働きをするのです。

脳には視交叉上核(しこうさじょうかく)という細胞があります。その中に中枢時計遺伝子があります。

細胞には末梢時計遺伝子があります。

中枢時計遺伝子は朝の光によってリセットされます。末梢遺伝子は朝食によってリセットされます。

これは時計遺伝子が25時間のリズムなので、24時間に合わせる必要性があるのです。

この時間差は蓄積されると、大きな狂いを生じることになります。体内時計の狂いは、代謝に影響を与えることになります。

人間は朝起きて、太陽の光を浴び、食物を食べ、昼間の活動へと続きます。そして夜には活動を止めます。

これが人間という生命の営みでした。

時間の観念を超え、夜でさえ活動するようになった現代人は、自分が生物のひとつであり、それゆえ自然にそって生きることが、大切な意味を持つということを忘れていました。

科学の進歩が、この事実を教えてくれたのです。


参考文献   時間栄養学 時計遺伝子と食事のリズム
       香川靖雄 編著  女子栄養大学出版部


作品掲載   「小説家になろう」
       華やかなる追跡者  
       風の誘惑     他

       「エブリスタ」
       相続人    
       ガラスの靴をさがして ビルの片隅で



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