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りんご飴より甘酸っぱい真っ赤な飴色の思い出

今日ひょんなことからネイルをした。
きっかけはお母さんからの
「かわいいネイルない?」
というメッセージ。

お母さんは趣味で卓球をしていて、仕事が休みの日はほぼ卓球の練習に行っている。
そんなお母さんが新しくネイルをするのは決まって卓球の試合の前日。
今日も明日の試合に備えてかわいいネイルをする予定だったらしく、あのようなメッセージを私に送ってきたのだ。

お母さんのメッセージを受け取ってから、私は自分のマニキュアポーチを取り出した。
ポーチに入っていた色とりどりのマニキュアを色ごとに並べてみる。
赤、ピンク、オレンジ、黄色、緑、白に、金のラメ。
並べてみるとかなりの色数を持っていたようだ。
特に赤とピンクはマニキュアの数が多く、明るい原色、深い秋色、クリーミーなやさしい薄色まで、バリエーション豊富に持っていた。

お母さんに送るメッセージ用に写真を撮り、自分のマニキュアコレクションを改めて見てみる。

このピンクのマニキュアは夏になるとよく足に塗っていたな。
ああこれは友達が誕生日にプレゼントでくれたマニキュアだ。
この緑はいちごネイルにはまっていたときに使っていたな。

マニキュア1つ1つにたくさんの思い出が詰まっていた。

そんなマニキュアコレクションの中に1つ気になるマニキュアがあった。
それは真っ赤だけれど透き通っていて、ちゅるんとしたキャンディーのようなマニキュア。
花火大会の屋台で、必ずや見かけるりんご飴のような綺麗な赤色だ。
ちょうど2年前の夏、浴衣を着るなら指先にはこのネイルをしたいなと思い、買ったものだった。
このマニキュアの蓋を開けることなく終えてしまった2年前の夏。

塗ったらどんな色になるのかな。

興味本意で左手の親指に塗ってみる。
たっぷりはけにマニキュアをつけてすっと一塗り。
はっとするほど綺麗に透き通る赤色。

気づいたら夢中で10本の指先にこの真っ赤な飴色のネイルを塗っていた。

そういえばネイルをするのは好きだったけれど、手の爪にしたことはほとんどなかった。
アルバイト先が飲食店だったので、ネイルはいつも足の爪、ペディキュアだった。
手の爪にネイルをしたのは、成人式とお兄ちゃんの結婚式のときくらい。
それくらい手の爪にネイルをするのは私にとって特別なことだったのだ。

もう一度綺麗な赤色に染まった自分の指先を見てみる。

光に当たるとさらに透き通る、明るい綺麗な赤色は、華やかな浴衣を引き立てつつも、りんご飴より私の手元を鮮やかにし、少しばかりの勇気と自信を私にくれただろうな。

なんて物思いにふけってしまった。


綺麗な赤い飴色に蓋をキュッとしめ、再びマニキュアポーチの中にそっと戻した。

福岡の大きな花火大会がまた1つなくなったらしい。
福岡では有名な夏の始まりを象徴する花火大会。
大学1年生のとき、寮のルームメイトと来年こそはって誓い合ったっけ。


元号は変わるけれど、来年も変わらず夏はやってくる。
だから来年こそはってこの真っ赤な飴色のマニキュアに誓おう。
とびきり素敵な夏にするって。


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今日のマニキュア
「りんご飴より甘酸っぱい真っ赤な飴色の思い出」
ダイソーかキャンドゥで2年前の夏に買いました。
まだ置いてあるのかな。
108円の甘酸っぱい飴色ほしいよね。

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