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1期目の振り返り

前回の投稿からだいぶ日が経ってしまいました...。本日面談した子に『note更新しないんですか?』って言われちゃったので、今日のことは今日やります。


前提

そもそも『意思決定』とは?

ちょうど『意思決定入門』(内田和成氏 著)を読み進めています。導入部分で語られているのは、「事前に何でもわかっていたら、経営者はいらない」という点です。従って、経営者の役割は、「将来が見通せなくて、計算できない不確定要素があるときに、質の高い意思決定をする」ということになります。一方で、意思決定とはとても主観的なものだと思います。よく言われるのは「万人がYES」と言う手は悪手だということです。

ひとまず、本noteにおける『意思決定』は、「一定の不確実性がある中で、特定の主観に基づき、意志を持って取捨選択をすること」とします。

意思決定10か条(仮)

前職にて共同創業者を務めていた時に、基本的にはすべての意思決定は代表に任せていました(ので私は名ばかり共同創業者でした)。途中、どえらい崖っぷちに追い込まれたこともあり、その時の反省を踏まえ、当時の執行役と3人で「意思決定10か条」を作りました。
① 類似の意思決定はこれまであったか。ない場合は十分なリサーチを行ったか。
② 定石を踏まえた選択か。そうでない場合は、自社しか気づいていない点はどこか。
③ 何を捨てることになるかを理解しているか。リスクを取っているか。
④ ワーストケースを想定できているか。リスク許容度を越えたリスクを取っていないか。
⑤ 効果測定のタイミングと判定軸は明確か。撤退ラインは決まっているか。
⑥ 効果測定までのリードタイムはどれくらいか。長期になる場合、短縮する方法はないか。
⑦ プランBの用意はあるか。なぜプランBを選ばないのかの根拠・判断軸は明確か。
⑧ 他に方法はないか十分な検討がなされたか。目的は明確か。
⑨ 一貫性とストーリーのある意思決定になっているか。
⑩ 関係各所に十分なコンセンサスを得ているか。
今見直すと微妙なところは多々ありつつも、当時の反省点は反映できているのかなと思います。

上記を踏まえ、既に1期目が終わって半年経ってしまってはいますが1期目の意思決定を振り返っていきたいと思います。

良かった意思決定

「独立したこと」

間違いなく、これが最大かつ最良の意思決定でした。半ば成り行きではあったものの、独立して本当に良かったと思っています。(泣き言的な意味での)辛いことは正直なかったですが、それでも不安がゼロだったわけではないです。ただ、「ダメだったらサラリーマンでいくらでもやり直せる」という自信はありました。そういう自信を持たせてくれたという意味では、前職での経験には本当に感謝しています。
この意思決定において、(1)捨てたものは「安定」と「安心」であり、(2)大切にした主観は「自分の在りたい姿」で、(3)得られたものは「自由」と「使命」です。※細かい話をしだすと文章量がえげつなくなるのでこれくらいシンプルにしておきます。

「G's Academyに入学したこと」

別のnoteでも書きましたが、G's Academyに入学・卒業したことは本当に良かったと思っています。自分の手で、ひとまず動くサービスを作ってみること自体も勿論とても良い経験でしたが、それ以上に、自分のやりたいことが本当にクリアになりました。『観光業をもっとも魅力的な産業に』する為に、「私が」やるべきことが今はハッキリ描けています。
この意思決定において、(1)捨てたものは「短期的な売上」であり(私の工数がそれなりに持っていかれたので)、(2)大切にした主観は「迷ったら前へ」で、(3)得られたものは「道しるべ」と「コミュニティ」です。

「信念を曲げなかったこと」

これは正直まだ答え合わせはできていません。何の信念かというと、「採用」です。正直、妥協をしたり、都合の良いことだけ言ってたりすれば、正社員は採用できたと思います(現状、正社員はゼロです)。ただ、私の中では「組織の強さ」が最大の競争優位性だと思っているので、そこを曲げるわけにはいきませんでした。
この意思決定において、(1)捨てたものは「逃げ道」や「楽すること」であり、(2)大切にした主観は「自分自身を追い込み続けなければいけない」ということで、(3)得られたものは「じゃあどうするか」「自分がやるしかない」という根性です(笑)

悪かった意思決定

「新卒採用を軽視したこと」

軽視したわけではないですが、重要視はしていませんでした。ただ、最近は23卒の新卒採用のタイミングを逃したことを反省しています。というのも(炎上しそうですが)「福岡の中途人材市場で(私の主観に基づく)良い人を見つけるのが本当に難しい」と感じているからです。実際、とあるスタートアップ支援施設の採用担当者の方も「福岡で野心ある人は東京大阪に出てっちゃうからね」と言っていました。そうであるなら新卒から叩き上げた方がより強い刀になってくれるのではと最近は思っています。
これは「意志を持って取捨選択」をしたというよりは不作為の意思決定です。意思決定10か条に即して反省すると、事業計画を立てる上で4・7・8条を考慮しきれていなかったということになります。1つ上で「採用において信念を曲げずに良かった」とか言っておいて逆説的にはなりますが、そうなった場合のリスク想定が甘かったです。現状、「案件はあるのに人が足らずに売上が頭打ちになってしまっている」・「私が長期的な企業成長の為の時間を作れていない」という状況に陥ってしまっているので、この不作為の意思決定は反省すべきことが多々ありました。

「採用以外の選択肢を持たなかったこと」

同じ様な話にはなってしまうのですが、リソース確保のプランBとしてアウトソーシングをもっと選択肢として持つべきでした。案件を取ってきて、一旦はアウトソーシングして、採用が進む中で内製化していくという選択肢も取り得たはずです。アウトソーシングする分どうしても利益率は下がってしまいますが、長期的に考えれば私の工数が目の前の案件に取られてしまっているのは最も大きな機会損失なので、避けねばなりませんでした(従業員の方の生活を守るのに必死だったみたいなところはありますが)。
これも不作為パターンではあるのですが、やはり総じて「選択肢の洗い出し」が全然足りていなかったと反省しています。意思決定をする上では、あらゆる選択肢とその長短を把握し、その中から意志を持って取捨選択しないといけないので、そもそもの選択肢が限られてしまっていては(想定できていなければ)そもそもスタートラインにすら立てていません。反省です。

「任せ過ぎたこと」

適切な権限移譲は必要だと思います。立場が人を変えることもあると思います。自ら考え自走する人もいると思います。ただ、0→1のフェーズにおいては私が仕組みを作り込んで、一旦はそれを忠実に実行してもらう方が中長期的には私も楽になりますし、従業員の方たちにとっても自分で考える時間や考える軸ができるので良かったのかなと思います。
勿論、皆さんそれぞれが自分なりに頑張ってくださっていて、それ自体はすごく感謝していますし、それ以上を望むべくもないです。一方で、「発想の外にある考え」は出て来ないのも事実です。これは経験値の差なので頭の優劣の話ではないですが、私だったらもっと良い方法を思いつけることはどうしてもあります。私自身もそうです。私がどんなに考えたところで、百戦錬磨の経営者の方の方が良い方法を見つける可能性は高いのは真実だと思います(だからこそ、シリアルアントレプレナーが強いのだと思います)。
この意思決定においては、10か条の5・6条の観点がかけていました。賭けた以上は、どこで回収するのか・撤退するのかを明確にすべきでした。今福岡の観光需要は繁忙期ということで鰻登ってしまっているので、本来はもっと閑散期に仕込んでおくべきでした。「任す」という選択から撤退するのが遅すぎました(「100回叩いたら割れるのに99回叩いて皆諦めてしまう」みたいな理論もあるので、どこで撤退するのかは本当に難しいですが。その意味で、致命傷にはなっていないので今修正するくらいで丁度良いのかもしれません)。

結び

2期目もすでに半年終わってしまっていますが、1年後・3年後・5年後・10年後の弊社にとって(お客様にとって)「また1つ最良の意思決定ができた」と思える瞬間を1年に1つは積み重ねていきたいと思います。※意思決定した時点では最良かどうかなんかはわからないので、結局は実行の方が大事ですけどね。

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