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「指先」という曲(続き)

written by 大江友海

出会って、ただ一度ライブきいただけで、赤須翔がどんな人かも知らないし、いきなりユニットやりたいなんて思ってなくて、思ってもそんな熱いこと言えるタイプじゃないし、それにまずやってくれるとも思ってなかったから、ひとまず自分の歌の伴奏してもらおうと考えたわたし。

だけど、あれこれ彼の既存作品を送ってもらううちに、ほんといい曲書く人だなあと。だから伴奏じゃなくて、彼の曲歌ったり、なんか一緒に作ってみたいなと思いました。

それを伝えたところ「初めからそのつもりだよ」。
(……そ、そうだったのか!)
突っ込みどころ満載だなあと思いつつも素直によろこぶわたし。

そんなわけで送られてきた曲、ワンコーラス。

あなたに曲作るよ、ってのはいいんだけど、ラブソングかいな!一体どういう神経してるんだろうと思ったけど、まあロマンチックでいっか(いいんかい)と、じゃあ「あなたに歌を歌うよ」って2番を作りました。

わたしは春に不眠気味になります。この時も安定の不眠気味。
送ってもらった曲を気に入って、コードひろってたら楽しくなっちゃって余計に眠れなくて、もらってすぐ夜更かしして2番書いたっけ。そんなわけで本音の「眠れない夜、ギターをきかせて」。
赤須が歌ってるのを流しながらコーラス重ねて録って送った。どんな顔するかなあとか、ビビりつつ。

いつもわたしのことはひとつもほめてくれたりしない人だけど、この時だけはすごくいいねって言ってもらえた。一安心。
(もちろん気に入らないところ直されたけどね)

以上、録音の往復手紙みたいな「指先」ができた経緯でした。
わたしたちの、はじまりの思い出の曲。

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