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音楽小説「ハンマーソングと痛みの塔」


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以下の内容で記事を投稿します。よろしいですか?
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キョウコのヤツサイアク!!
もっと人のキモチ考えた方がいいよとか偉そうに人に意見しやがってあん
たなんかにあたしの気持ちがわかるかっての調子に乗るんじゃねーよ。も
うあんたのこと友達だなんて思ってないから、サヨナラ。
ってか死ねばいいのにワラ
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 あたしは怒りにまかせてケータイの決定ボタンを押してブログを更新する。はい、おしまい。これであたしの最後の友達との絶交は完了しましたー。ばいばいキョウコ、あんたなんかと友達だと思ってたあたしが馬鹿だったよ。ってかあたしに友達とかできるわけなくね? なんか目が腐ってる男子に新垣結衣に似てるとか言われて有頂天になってるキョウコに、万年モテナイ干物女って言うかもはや女じゃないみたいなあたしの気持ちとかわかるわけねーし。「ナミの気持ちもわかるけど」とかマジきもいし。いつの時代のブリッコだよ。
 あーあ、てかマジだるい。バイトサボろ。「遅刻と無断欠勤が多くて困る」とかえらそーに説教してくるバイト先のハゲは、メールでリスカしたときの写メ送ってやったらマジびびっちゃって「辛いときは休んでもいいんだよ」とかメールしてきたし。ちょーウけるんですけど。「何か悩んでるなら相談するよ」とか言っちゃって何勘違いしてんだよ。どーせ若い女にエロイことしたいだけのくせにかっこつけやがってマジキモい。誰がお前みたいなハゲに相談するかっての。
 めんどいからチョコでも食って寝よ。まだ昼間だけど、んなのしらねーし。だりぃだりぃ全部だりぃ。そう思って机を見たら、いつも置いてあるチョコの箱が空になってる。あー、めんどい、下に取りに行かなきゃ。
 部屋を出て階段を駆け下りて、ババァと顔を合わせないように居間を通り過ぎて、台所の冷蔵庫を開ける。あたしの命令でこの中にいつもはチョコが……ない。
「ざけんなよ、チョコねーじゃねぇかよ!」
 居間に向かって怒鳴りつける。何百回も切らすなって言ってんのに、ババァ、マジむかつく。
 あたしの怒鳴り声に言い訳するようにびくびくした声で「あら、ナミちゃん、ごめんね。お母さん、まだあるかと思ってて……、すぐに、買ってくるからね」とか言ってるのが聞こえるけど、あたしは無視して階段を力任せに踏みつけながらのぼった。すぐに買ってくるからね、じゃねーよ、今ないと意味ねーんだよ。あーむかつくむかつく。
 部屋に戻ってあたしはベッドに倒れる。ベッドの上に転がってたくまプーのぬいぐるみを一発殴りつけてから思いっきり壁に叩きつける。アホ面しやがってむかつく。こんなにむかつくのにチョコもくえねーし。亡いと思ったら余計食べたくなってきた。我慢するとかマジありえねー。だりぃから死のうかな。でも手首切るのもだりーな。あー寝たらこのまま目ェ覚まさなきゃいいのに。
 うとうとしたところで、ケータイが鳴る。バンプの着メロが鳴ってる。
 誰だよ人が寝ようとしてるときにむかつくな!
 ケータイを開けると「受信メール一件」の文字。見たら、あいつからのメールだった。

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たまには学校に来いよ。話がしたい。
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 は? なにそれ気取っちゃって。馬鹿じゃない?
 むかつくからそのメールを消去してやろうとケータイを操作しようとした。何でか、消去できなかった。ケータイが壊れてたわけじゃない。
 あーむかつく。

――inspired by BUMP OF CHICKEN「ハンマーソングと痛みの塔」

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