「筆先三寸」日記再録 2009年1月~4月

2008年4~12月は、日記の更新はありませんでした。


2009年1月1日(木)

 あけましておめでとうございます。

 昨年は、3月からすっぱり更新も途絶えておりまして、大変失礼いたしました。
 更新のタイミングはいろいろあったと思うのですが、どれもこれも見送ってしまいました。
 というところで、年末ぎりぎりにトップページのカウンターが70万ヒットを超えましたので、やっぱり年初からの更新がよかろうと思い至った次第でございます。
 今年もぼちぼち、ほんとまあ何回更新できるか心もとないところではありますが、やっていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 この更新を目にされた方のすべてに、幸多い年となりますように。


2009年1月3日(土)

 というわけで、更新を再開しようと思ったものの、なにをどう書いたものやら。
 せっかくだからなんか面白いことを書こうとか、かしこそうなことを書こうとか、どうせなら雑文を一本とか、欲をかくとろくなことがない。自分でハードルを上げ過ぎちゃって、結局手が止まることになる。なので、こうして頭の中に浮かぶ言葉をだらだらと書き付けていくのが一番楽でよい。ていうか、そんなの読まされるほうが迷惑だっての。ねえ。

 んじゃま、とりあえず今後書きそうなネタを箇条書きで。

  • 正月だってのに、あのイスラエルとパレスチナの馬鹿者どもはドンパチドンパチなにやってんだ。

  • 去年のM-1は、まさかのNONSTYLE、ていうか、まさかのナイツの失速って感じ?

  • 筆箱の中とインク瓶の数がえらいことになってきました。

  • 私にしては、ものすごいペースでCDを買うようになりました。「とらのあな」とかで。<ここはすごく「(爆)」ってつけたい。

  • 実は去年の4月、私の人事異動はなかったのですが、自分以外のほとんどが異動するという「逆人事異動」を喰らいました。

  • 去年の夏なんて、突然の腹痛で緊急入院して、ばっさり腹を切られてしまいました。ただの虫垂炎ですけど。

  • アキバの殺人事件とか、凶悪事件についてはいろいろ書きたかったんだけど、時機を逸したなあ。

  • ゲームをやらなくなりました。

  • 本を読まなくなりました。

  • 頭髪が薄くなりました。

  • 老眼が進みました。

  • 今年46歳です(爆)。


2009年1月6日(火)

 やっぱり自分は教育パパというやつなのだろうと思う。

 この年末年始、「M-1グランプリ」はもちろんのこと、相次いで放送された「ガキの使い」や「レッドカーペット」、「オンエアバトル」の特番、「ドリームマッチ」等々を、HDレコーダーに録画しておいて、子どもたちに命じた。
 「宿題の合間にはこれらをきちんと見ておくこと、時間があれば繰り返し見ること」
 もちろん、正月の三が日は、格闘技もサッカーもほったらかしで、お笑い番組を流しっぱなしであった。

 くわえて、最近はホラー漫画も主要科目に加えることにした。
 手はじめはもちろん、楳図かずおの『赤んぼ少女』である。
 ついで、日野日出志の『蔵六の奇病』。
 そして、昨日買い与えたのが、つのだじろうの『亡霊学級』である。
 ひとまずの基礎教養としてではあるが、いずれおとらぬ歴史的名作である。小学生にはトラウマ必至かもしれぬ(うちの小学生は一番喜んでたけど)。
 こうなると、この後の教材の選択が悩ましいところである。楳図なら「洗礼」や「おろち」、つのだなら「百太郎」や「恐怖新聞」となるのだろうが、早々に作家がかぶるのも気にくわない。
 ここは藤子不二雄Aにご登場願って「魔太郎」や「黒ベエ」でいくか。ホラーというよりはブラックユーモアだが。
 ホラーの大家では古賀新一というのもありだな。作品はもちろん、「エコエコアザラク」である。
 ホラーとはいえ、グロい/汚いだけのものは品がないのでパス。
 となると、今はどんな漫画があるのだろう。

 あと、必須科目としては超常現象系の諸分野がある。UFO・宇宙人、心霊・幽霊、超能力、超古代文明、陰謀史観、都市伝説、ノストラダムスの大予言、etc. etc.
 その昔は、矢追純一の特番をはじめとして(川口浩探検隊を含む)、これらの話題がテレビで放映されることも多く、基礎教養を身につける機会には事欠かなかったのだが、近ごろは「テレビ特捜部」風の番組のワンコーナーでごくたまに取り上げられる程度になってしまった(しかも失敬な事に半信半疑の扱いである)。子どもの知性に責任を持たねばならぬ保護者として、非常に困難な時代になった。
 ひとまず、なおちゃんはすでに中2なので、基礎を飛ばして、『トンデモ本の世界』をあたえた。『トンデモ超常現象99の真相』などが次に来る。基礎を飛ばしたとはいえ、これらの本は叙述・構成が非常に丁寧なので、必要な知識の漏れを懸念する必要はない。
 問題はともちゃんである。テレビはお寒い状況だし、子ども向けのテキストにも良いものがない。「ムー」はやや高度だし。
 かつては、学研の「ジュニアチャンピオンコース」に「ユアコース」、秋田書店の「写真で見る世界シリーズ」における中岡俊哉先生の著作など、すばらしい教材が目白押しであったのに。
 いまや児童書のそれらしき棚は、へぼいマンガ調の挿絵の怪談(まがい)本で埋め尽くされている。
 小学生をなめるのもいい加減にしていただきたいものである。

 ある人がどこかで書いていたのだが、大人になってから友人に「ナルニア国ものがたり」を薦めたところ、読み終えた友人にこういう返事をもらったという。
 「中学生の時に読みたかった」と。

 結局はそういうことである(だから我が家には「ナルニア」も全巻ある)。
 怖いマンガを読んで、ひとりでトイレに行けなくなるのは、子どもの特権ではないか。
 夜空を必死で見上げてUFOを探したり、心霊写真に震えあがったり、カレーのスプーンを一心にこすり続けたりするのは、子どもの大切な経験ではないか。
 海底に今も沈むというアトランティスやレムリアに思いを馳せ、南米の奥地にいるという巨大な人喰いカタツムリとの出会いを夢みるのは、子どもの重要な仕事ではないか。

 だから私は、今後もしばらくは、家庭での厳しい教育を続けようと思う。
「なあ、宿題なんかあとでええから、テレビ見ようや。アリゾナで宇宙人が捕まったらしいで」
「怖いマンガ買うてきたから、寝る前に読んでしまえ」
「ちょっとそこへ座れ。そもそもカリブ海のバミューダ海域では、これまで何機もの飛行機が……」

 いやほんと、教育パパってとっても大変だよ。


2009年1月9日(金)

 昨日、ふと立ち寄ったメロンブックスで、「りんごレストラン」を発見。即確保。ついでに立ち寄ったまんだらけで、ウェブでしか売ってない「TECHNORIDER TAMMY 2」を発見。これももちろん即確保。ほんとにまあ、たいそう素晴らしい一日であったことだよ(そんなとこ“ふと”立ち寄るかよ、という突っ込みは禁止)。

 と、書きたいのはそれじゃなくて、今日、ふと立ち寄った行きつけの文房具屋で、モンブランの2008シーズングリーティングインク“White Forest”を発見。去年の秋に出たインクなんだけど、わざわざモンブラン・ブティックまで行くのも億劫で、見送っていたのだ。
 2006年の茶色(チョコレート)や2007年のピンク(サクラ)は、もひとつそそられなかったのだが、もともとグリーンのインクが好きだということもあって(セーラーのインク工房で石丸さんに誂えてもらったのもグリーン系だった)、今回は迷わず購入。
 ちょっと明るいのが好みとしては微妙だけど、素直なグリーンでとてもいい感じ。香りもさっぱりしていて好感(モンブランのシーズンインクは香りつき)。

 で、とりあえず、どのペンに入れてみようかと考えつつ、手持ちのインクを数えてみたら、カートリッジも入れて38種類もあった。いくらなんでもそんなにあるとは思わなかった。どうやって使うんだそんなにたくさん。
 ま、それはおいといてー(ジェスチャー)、せっかくの2008年限定の緑色だし、2008年限定つながりで、LAMYサファリのライムグリーンにでも入れて使ってみようかな(このペン、本当はリンク先の写真よりもっとずっときれいなグリーン。まさにガチャピン色)。
 でも今、ペンケースには万年筆だけで8本も入ってるのに、もう一本って、それこそどうやって使うんだ。


2009年1月13日(火)

 掲示板でも声があったので、今年の手帳の話を少々。
 結論から言うと、今年もフランクリンプランナー(コンパクトサイズ)を使うことにしました。
 そこそこ高価な革製の専用バインダーまで買っておいて、たった1年でお払い箱にするのは気が引けるので。ていうか、「ほれみてみい、すぐ飽きる言うてるのに、そんな高いもん買うてから」て、お母ちゃんに叱られるし。
 ま、もったいないというのはあるんですが、まだまだ実感として、「フランクリン・プランニング・システム」とやらを使いこなせていない気もするもので、もうちょっとがんばってみようかと思いました。
 べつに、「ミッション・ステートメント」や「価値観」、それに向けて「刃を研ぐ」とかには、まったく興味はないのですが、上手に使えば結構うまく時間とタスクの管理ができそうなシステムに思えます。去年はのべにして3日ほどしかちゃんとできませんでしたが、業務が大量かつ錯綜したおしてるような時期に、手帳の力を借りてきれいにさばいて片付けられた時は本当に気持ちよかったですし。

 というわけで、この手帳のデメリットから。

  • でかい。でかすぎる。何がコンパクトサイズじゃ。

  • 高い。バインダーもリフィルも、無駄に高い。

  • リフィルの紙質がいまいち。万年筆派にはつらい。

  • 「ちゃんとしろ」「よく生きろ」ってうるさい。そのための手帳かも知らんが。

  • どのシステム手帳も同じだが、使ったリフィルの管理がめんどくさい。

 次にメリット。前も書いたか。

  • なんでも書ける。いくらでも書いてはさめる。

  • スケジュールが立てやすい。時間枠が6時~2時のリフィルもある。

  • 月間、週間、一日とタスクの管理もしやすい。

  • リフィルの縦はバイブルサイズだが、幅が108mmと1センチ以上広い。これが意外と使いやすい。

  • 資料の縮小コピーもしやすいしはさみやすい。

 てなことを思ってたら、ほぼ日手帳にA5サイズの「ほぼ日カズン」というのが出てて、実はものすごく迷ったのです。1日分のページはたっぷりあるし、ほしかったウィークリーのページまでついてるし。資料とかも貼り込みやすそうだし。紙のいいのは、以前に使ってわかってるし。
 でも、カズンはやめにしました。

 だって、やっぱり、お母ちゃんに叱られるもん。


2009年1月18日(日)

「新常用漢字表試案、追加191字 丼・那・冶・呂・苛…」(朝日新聞)

 全部の文字が表になってるのはここくらいしかないので、一応リンク貼っとくけど、朝日の記事ってすぐ読めなくなるんだよな(案の定リンク切れ。2023年9月23日註)。

 てなわけで、大枠が固まったようだけれど、やっぱりなんか釈然としないところはある。
 「鶴」「亀」「鹿」「嵐」「藤」「誰」「枕」なんてのは、「えー、そんなん、これまでなかったん?」見たいな感じで大歓迎だけれど。

 せっかく常用漢字を増やすんだから、基本的に「いろいろと使い道の広い漢字」を増やせばいいと思う。画数が多くても、音訓両面で日常的にいろいろ使える漢字がありがたい。だから、「貪」とか、「溺」とか、「蔑」とか、「挫」とかは、加えた甲斐があると思う。
 あと、よく使う熟語なのに、無理やり分かち書きでひらかな表記されてた漢字とかも、加えてもらうにいい機会だったようだ。「山ろく」の「麓」とか、「きゅう覚」の「嗅」とか、「わき見」の「脇」とか、「おう盛」の「旺」とか。

 微妙に気に入らないのが、「使い道も限られてるのに、かなでええやん」系の漢字である。「挨拶」「曖昧」の4字なんて、会話でも非常によく使う単語だけど、常用漢字に入れたからってほかの使い道あんまりないのに、無理に押し込む必要もなかったように思う。「昧」だけは、「愚昧」とか「蒙昧」とか「三昧」とかあるけど、熟語自体がマイナーだし。「梗」も「梗概」でしか見たことない。「采」もそうだ。「喝采」以外どこで使うんだ。「采女」とかか? 「瑠璃」の2文字にしても、ほかの出現場所は、正倉院御物と元ヤンの子どもの名づけくらいだろう。「畏」も、「畏怖」しか思い浮かばない。サヨクなら、「恐れ多くも畏くも」の復活でも狙ってるのか、と書くところだけど、残念ながら「かしこ・し」の読みはないみたいだ。「哨」も値打ちがよくわからない。軍事方面でしか使われないのに。
 まあ、でもこのへんは委員の好みもあるだろうから、言い出せばきりがない。

 で、何が気に入らないかといえば、訓読みに対する冷淡さだ。
 訓読みというのは、じつのところ、「その漢字がもともと持っている読み方」とかではなくて、「その漢字の意味を和語で言うと」、あるいは「この和語の意味に近い漢字を探したら」ということだから、なるべくセットで漢字表に加える方がいいと思う。
 だから、今回加わる「爽快」の「爽」は、「ソウ/さわ・やか」となってるし、「嘲罵」の2文字にも、「チョウ/あざけ・る」「バ/ののし・る」と、音訓両方の読みがついていて、新たにその字を学ぶものにとって漢字そのものの意味もよくわかるようになっている。

 にもかかわらず! 「咽」に「のど」という読みがない。「耳鼻咽喉科」が気の毒だ。「潰」に「つぶ・れる」という読みがない。これだと「潰滅」「潰瘍」でなんで使われてるのかわからない。「惧」にも「おそ・れる」がない。「危惧」がなんでそう書くのか教えようがない。「傲」にも「おご・る」がない。「傲慢」「倨傲」とかあるのに。「戴」には「いただ・く」がない。ちゃんとした訓読みがあれば、「戴冠式」とか「頂戴」「推戴」もわかりやすいし覚えやすいのに。「喩」には「たとえ・る」がないし。「比喩」「隠喩」をなんだと思ってるんだ。「挫」に「くじ・く」がない。捻って挫くから「捻挫」だろ。「凄」に音読みの「セイ」のみ与えて、「すご・い」と読ませない度胸もたいしたもんだ。
 まあ、「堆」や「宛」に、「うずたか・い」とか「さなが・ら」と読ませるとか、「恣」に「ほしいまま」と読みをつけるとかになると、ちょっとマニアックな気もするけれど、せめて「椎」には「しい」、「捗」には「はかど・る」くらいの訓読みつけようよ。

 3月には公式確定版が出て、文化庁のサイトでパブコメを募るらしいけど、似たような意見が多いんじゃないかな。


2009年1月22日(木)

 今使っているイヤホンは、オーディオ・テクニカのATH-CK10という、国産初のBAデュアルドライバ、実売でもそこそこの値段はするモデルである。最近、上位機種のCK-100というのが出たので多少値は下がっているようだが、今なお国産最上位機種の一角を占めていることはまちがいない。
 さすがに音質は素晴らしいと思う。とくに高音のキラキラした華やかさと解像度の高さは、海外製のハイエンドモデルに決してひけはとらない。ただし、各所のレビューを見渡しても書いてあるが、低音の量には不足がある。解像度が高いので、ベースにしてもバスドラにしても、どこでどんな音が鳴っているのかはよくわかるし、引き締まったクリアな低音ではあるものの、ヘッドホンのようにズンズンと楽しめる音ではない。
 それでも、1年も使っていると耳も慣れてくるもので、女性ボーカルの「シ・チ」音の刺さるような感じも気にならなくなったし、低音も脳内でブーストできるようになったのか、量感も十分に響いてくるようになった(私はBA機のエイジングには懐疑的)。
 だから、私のイヤホンスパイラルも、とうとう終着点かな、と思っていた。音源はしょせんMP3(192bps)、DAPにしてもiPod nano 2Gだし。
 それが先日、何を血迷ったか日本橋の「e-イヤホン」に足を踏み入れてしまったのである。ここは、自分のDAPを持ち込んで、ありとあらゆる高級イヤホンが自由に試聴できるのだ。高級機となると試聴機種も限られ、店員にいちいちケースから出してもらわないといけないヨドバシなどとは大違いである。
 で、以前からある大御所のUE-10proやShureのSE530、ER-4Sあたりはもちろんのこと、昨秋相次いで発売された3万超の高級機群、ゼンハイザーのダイナミック型のIE8や、クリプシュのX10、スリーク・オーディオのSA6、オーテクのCK100、いつ出んねんと言われ続けた3way3ドライバのWestone3まで、軒並み聞き倒すことができた。
 といっても、短時間の試聴レベルなので、あれこれ自信のあることが言えるわけではない。一言だけいうと、「やっぱし高い奴はスゲエ」というところか。IE8やX10の低音の豊かさには驚いたし、ものすごい値段のSE530やWestone3はさすがの一語に尽きる。CK100は、CK10とは少し傾向が違う感じで残念かも。CK10の素直な置き換えなら、むしろSA6のような気がした。
 意外と気に入ってしまったのが10proで、音の分離と音場の広さは評判通りだったうえ、よく噂に聞いていた高音のこもりやボーカルの引っ込みは感じられなかったのだ。私はたいてい高音特化型オーテク耳になってるはずなのに。でもこれ、4万もするんだよなあ(ヨドバシだと49,800円!)。

 だれかバレンタインのプレゼントにください(そんな、サイにねだるなんて……(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル)。


2009年1月24日(土)

 前回の日記で書きたかったのは、じつはイヤホンの話ではない(ならなんなんだっちゅう文章だけど)。
 あのあと、スパイラルの終着点かとまで思っていたCK10の粗(高音の癖、低音の不足、遮音性等々)が気になるようになってきたのである。10proがほしくなってきたのである。CK10だって、昔は満足していたDAP付属のイヤホンとは雲泥の差だし、知らない人なら値段を聞いて驚く1万円クラスのイヤホンと比べてもはるかにいい音なのに。

 なぜ、昔よりずっといいもの持ってて、より不満が募るんだ?

 書きたかったのはその話である(イヤホンの話は枕のつもりだったのに、そこで力尽きた)。
 食通あたりを例に出せば、よりよくわかってもらえるかもしれない。

  1.  おいしいものを食べたいと、あちこち食べ歩く。

  2.  だんだんと舌が肥えてくる

  3.  素材の味、だしの質にまでこだわり始める

  4.  並の有名店や評判の店では満足できなくなる

  5.  大枚はたいて産地めぐり、料亭めぐり

  6.  どんどん舌が肥える

  7.  いくら完璧に近い料理でも欠点に気づくようになる

  8.  身の回りから、「おいしいもの」が消えてしまう

 本人は悪くない。おいしいものを探して食べてただけである。にもかかわらず、最悪の結果を招いてしまっている。
 舌が肥えたせいで、みんながおいしいと称賛してやまない料理でも、素材の欠点や調味料の過不足を感じ取ってしまうのである。これが不幸でなくてなんだろう。
 音楽でも同じことはあるだろう。同じ曲でも無数の演奏があるクラシックなんかは特に。
 娯楽小説でさえ同様のことは起こりうる。シドニイ・シェルダンを喜べていたころが懐かしい。
 芸術娯楽は言うに及ばず、恋愛や仕事にかかわっても同じようなことがあると思う。
 そこで、私はこれをあの有名マンガにちなんで、「海原雄山のジレンマ」と呼ぶことにしたい。
 どんなに贅をこらした料理を出されても、「こんなものをわしに食わせる気か!」と怒鳴りつける(ようになってしまった)傲岸にして不幸なおっさんの姿そのままだからである。

 誰か、集英社新書あたりで、『海原雄山のジレンマ ~なぜ人は幸福を求めて不幸になるのか~』ってのを出してくれないか。それらしい社会調査のデータとかを引きながら。それで、「老子」の「天下皆、美の美たるを知るも、斯れ悪のみ」とか、「マタイ伝」の「何を食べようか、何を飲もうか、あるいは何を着ようかと言って思いわずらうな」とかもおりまぜて、ですます調で書いたら、それなりの本になりそうな気がするんだけど。


2009年1月25日(日)

 前回の『海原雄山のジレンマ』だけど、私に注文くれたら、はりきって書くのに。
 というわけで、先に儲けを計算してみる(どんだけ皮算用)。なんだけど、出版関係に知り合いがいるわけでなし、以下の原稿料とか刷り部数とかはすべてあてずっぽうなのでご了承ください。

 ひとまず、素人なので原稿料は三千円/枚として三百枚で90万円。印税は、定価が1冊700円として、著者印税8%で56円/冊、新書なので増刷1回欲張って、トータル2万部として、掛け算すると112万円。合計202万円の、源泉徴収1割なら手取り180万円強。
 おおお、これはおいしい! 家買う時の頭金以来、見たこともない金額だ。我が家の貯金通帳にも入ってないぞ、そんなにたくさん。<それはそれで大丈夫なのか。

 でもやっぱり、そんだけの金もらえるクオリティのものが、私に書けるかというとたぶんムニャムニャなので、やっぱり注文はちょっと待って。
 (ただ、企画はいいと思うので、出血サービス価格でどうすか?>集英社新書の人。ていうか、金とるつもりか。)


2009年2月2日(月)

 今日の帰り道、久しぶりに茶太の歌声を聞いた。iPodの奥のほうに眠っていたアルバムが、シャッフルでめぐってきたのだ。
 それは、去年メジャー筋から出た『ちゃたのわ』というアルバムで、無理やりな過去曲の詰め合わせのせいでとっちらかった印象の出来になってるやつなんだけど、やっぱり茶太はいい。
 甲高いのに柔らかい、しっとり歌ってもどこか明るい、そんな無類の声質なのに、よくある声優系の萌え要素をきっぱりと拒否していっそ潔い。
 基本はインディーズの人なのでCDは入手しにくいのだけれど、個人的にはウサギキノコ名義の『たぶん青春』がいちばん好き。2007年に買ったいろんなアルバムの中でもベストかもしれない。ちょっとこっぱずかしい気もする少年のまっすぐさやぐだぐださが、ギターメインのシンプルなアレンジに、茶太のぴったりな声と歌詞で歌われてて。

 あと、忘れてはならないのが、ぺーじゅんと組んだ犬猫ソング。電波ってわけでもないのだが、何も考えずにニコニコして聴ける。ニコ動でひところ流行した「ワスレナゴハン」は、1月9日の日記に書いた『りんごレストラン』てのに入ってるし、去年の夏に出た「とらじまのたてわき、しっぽうた」というのも傑作である。その一節、「♪死んだとうちゃん いってたよ!? おとこは意地はれ! どんなぴんちでも 働くな!」は、すでに私の座右の鼻歌となっている。いいのかそれは社会人として。1曲しか入ってないのに1200円というのはまことにあれだけど、明るい歌声がチラリと試聴できるようなのでよろしければどうぞ。オススメです。


2009年2月6日(金)

 2ちゃんねるのどっかのスレで見た言葉だったと思う。J-pop界隈で次から次へと出てくる女性アーティストが話題に上がった時に。

量産型女性ボーカル

 ひどい言い方だけど、なんかあまりに言い当てていて吹き出してしまった。ジムかっちゅうねん。おかげでテレビの歌番組を見るたびに、微苦笑するようになってしまった。「また出た」とか「こいつもや」とか思いながら。

 誰がそうとは言わないけれど。


2009年2月7日(土)

「ねえ、ぼくたちはきっと、目に見えない赤い糸で結ばれているんだよ」

「え? なんで、なんで? なんで目に見えへんのに、赤い糸ってわかるん? なんで? やっぱり見えるん? おかしいやん。なんで、なんで? 赤いって、ほな見えてるんちゃうん? 説明してえな、なあ、なあて」

 世の女性たちに言いますけどね、どんなにくさい口説き文句でも、「きしょっ」とか、「ププッ」とか、「ぎゃははは、いっぺん死んでこい」とか、そうゆうんじゃなくてですね、ちゃんと拾ってあげましょうよ。ていうか、拾ってくださいよ 。・゚・(ノД`)・゚・。


2009年2月10日(火)

 みなさんこんばんは。毎週テレビで、「探偵! ナイトスクープ」と「みなみけ おかえり」を楽しみにしている45歳、むしまるです。

 ちゃうねん。

 ええと、1月25日の皮算用日記で、きっと自分はトンチンカンなことを書いてしまったにちがいないという気がして、一冊本を買ってきました。
 日垣隆『売文生活』(ちくま新書/780円)
 ざっと読んだところ、新書でも書き下ろしじゃあ原稿料って出ないっぽいようで(ギャラは基本印税のみらしい)、やっぱり件の日記はぷっぷくぷーだったわけですが、そんなことより夏目漱石から立花隆まで、いろんな作家の原稿料の話が読めてとても面白かったです。
 でも、テーマがテーマだからってわけではないでしょうが、文章にどうも品がないような気がして、いまひとつ好みではありませんでした。個人的なルサンチマンもちらちらのぞくし。週刊誌調というか、俗情結託調というか、妙に揶揄する調子で。もちろん、そこを面白がれる人には、絶対はまると思うけど。
 当代ではずいぶん人気のあるライターだし、面白そうな本もいろいろ書いてるので興味はあるんだけど、他の本も同じような文体ならちょっと手が出ないなあ。


2009年2月11日(水)

 昨年の秋葉原の殺傷事件をはじめとして、近ごろ繰り返し起きる「だれでもよかった」型殺人事件に、思いをいたしつつ詠める。

一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと

 もう一首。

どんよりと
くもれる空を見てゐしに
人を殺したくなりにけるかな

 と見せかけて、これらの歌は1910年刊行の『一握の砂』より引用。このとき啄木石川一24歳。
 近ごろの事件のたびに、テレビや新聞は「ゲーム感覚」だの「バーチャル世代」だの、紋切り型のコメントしか言わないが、人生に行き詰った若年性ろくでなしは、昔から同じようなことしか考えないという好例である。

 「その一線」を越えさせたものは何か、こそが重要なのに。


2009年2月14日(土)

 こないだ茶太のことを書いたけど、次に好きなのは民安ともえだ。女子なのに、エロゲ好きが昂じてエロゲ声優になった(もちろん今も現役)というカミングアウトも見上げたものだが、特筆すべきはそのボーカルの破壊力である。基本的なボーカルの調子は、それこそ朋先生やとろ美に連なる「素っ頓狂なロリ声」の系譜にあると思うのだが、子どもっぽい女子中学生が跳ねまわるような感じが抜群に楽しくて魅力的だ。

 そんな彼女が、今回、「民安★ROCK」というバンドを率いて、「Rocks-Juice」というメジャーアルバムを出した。もちろん、発売日に即購入である。

 ええー!? こんなん民安ちゃうわー! かっこええがなー!
 なんか、「いきものがかりやチャットモンチーと真っ向勝負!」みたいな(毒もひねりも色気も民安の勝ち)、バンドアルバムに仕上がっています。ボーカルも、どちらかといえば地声ベースで、電波ソングに免疫のない方でも楽しめます。
 収録曲の「サカレサマー」なんて最高に楽しいし(自前のバックコーラスが民安ボイスの真骨頂かも)、一方「Dog Food」なんてのは、80年代か! と言うほど骨太のロックになっています。

 でもなあ、民安はやっぱりこっち系(ページ下部試聴推奨)がいいなあ(独り言)。


2009年2月15日(日)

 「出会い系サイト」の利用が中高生にまで広がりだしているというニュースは、もうずいぶん以前から取り上げられているけれど、一昨年あたりからかな、「プロフ」だの、「学校裏サイト」だのが話題に上がるようになりだして、「ネットいじめ」による死者や仲間内の書き込みをめぐる暴力沙汰がニュースに現れるようになったのは。
 新聞などではそのたびに、ことさらインターネットのグロテスクな側面を取り上げつつ、「義務教育から、インターネットにおけるマナー教育を」みたいな論を張る記事があふれる。

 もうね、アホかと。バカかと。

 ネット上には、スキあらばカモを食い物にしようという輩がごまんといる。とにかく他人を痛めつけたいというクズもごまんといる。肩がふれたというだけでつかみかかってくるチンピラもごまんといる。これだけでもう十五万である。
 そんな世界で、「君たちがまずマナーを守りなさい」というのは、肉食獣のあふれるサバンナで、「君たちは羊として生きなさい」というようなものであろう。

 もちろん、インターネットを楽しんで遊弋し、自分なりの有用なネットワークやコミュニティを築き維持していくためにはマナーやエチケットは重要だが、不用意に手を出しただけでゴロゴロと現実の被害者が出るようなものについては、護身術を先に教えるべきだろう。
 曰く、「煽り荒らしは華麗にスルー」
 曰く、「うんこさわるとうんこつくよ」
 曰く、「出会い系に出会いなし」
 曰く、「パスワード確認はフィッシングと思え」
 曰く、「無料は有料、有料はボッタクリ」
 曰く、「もうけ話は、向こうのもうけ話」
 そして、「裏サイトや掲示板の悪口は、反応せずに即通報」。<これ重要。とくに学校関係者のみなさんや、今悪口書かれてて凹んでるそこの君。

 だいたい君ら、クラスの不良やゴミみたいな連中が、夜中にどっかの溜まり場で君の悪口言うてても気にならんでしょ。ていうか、気にしようがないでしょ。そんなん、たまたま人づてに耳に入ったかて、気に病むほうがアホらしいっちゅうねん。
 でもまあ、ネットでそんな掲示板やサイトを見つけたとしよう。自分らのこと面白がって書いてるような。それが気持ち悪いのはわかる。誰がやってんのかわかれへんし。おまけに名指しでキモいだのウザいだの書かれてた日には、学校イヤになるのも当たり前やわな。
 そんなときこそ、なにも気にせず即通報。
 リアルな場面で、さっきの溜まり場みたいなとこへ一人で乗り込んで、「おどれら、みんないてもうたらぁ!」と叫んで、ガソリンまいて火ィつけるなんちゅうのはまともな根性ではでけへんけど、適当なとこへ通報して、クソサイトやクソ掲示板のひとつふたつ潰すのは屁みたいなもんやから。リアルな暴力とちごて、絶対に誰がやったかわかれへんし。誰も怪我せえへんし。そんなもん、見つけるたんびに、「なにまた狭いとこ寄り集まってグチャグチャぬかしとんねん、石の下のダンゴムシかお前ら」とでも呟きながら、ジェノサイド気分で潰したれっちゅうねん。
 な、そんなん気にしたらあかんで。自殺とかしたら笑いもんやで。いてもたれ、いてもたれ、な。

《通報先参考》


2009年4月1(水)

 久しぶりに日本橋を散歩。2008年最大の電波ソング、「めろ~んのテーマゆかり王国国歌」の入った田村ゆかりのミニアルバムを見つけたけど、3000円もしたのでスルー。いくらライブ会場でしか売らなかったやつだって3倍はないだろう。


2009年4月2日(木)

 最近お気に入りの文房具はこれ。セーラーの修正ペン「ホワイトル」。梅田じゃどこにも売ってなくて、このあいだやっと発見した。
 これの最大の売りは、キャップのゴムでこすると、乾いた修正液がきれいにはがれるところ。私はよくやるんだけど、消さなくていいところまで塗っちゃったとか、修正液の上から再びまちがった字を書いちゃったとか、そんなのでもぜんぜん平気。あわてて書き足したり、修正液を山盛りにしなくても、紙を傷めずに剥がせるので非常に助かる。
 あと、チップは0.7mmボールなので、手帳の細かな修正にもとても使いやすい。それと、修正液ってツルツルのカチカチに固まって、塗った上から書きにくい印象があるんだけど、これは薄くマットな感じに固まるので鉛筆でも上から書きやすい(実はこの点が一番気に入ってるかも)。
修正テープが嫌いな私は、思わず2本も買ってしまった。


2009年4月3日(金)

ケストナー『飛ぶ教室』(光文社古典新訳文庫/743円)

 今さらながらはじめて読んだらほんまに泣いてしもた。

 まえがきにいきなり、「人生で大切なのは、なにが悲しいかではなく、どれくらい悲しいか、だけなのだ。子どもの涙が大人の涙より小さいなんてことは絶対にない」とか書いてあるし、「どんな迷惑行為も、それをやった者にだけ責任があるのではなく、それを止めなかった者にも責任がある」という文章の書き取りを宿題に出すクロイツカム先生とか、「勇敢であることも、勇敢でないことも、できるだけひっそりとやってもらいたい」と諭す正義さんとか、「お願いしておく。若いときのことを忘れるな、と」と、「ちょっと感動」しながら礼を言う禁煙さんとか、そしてそして、作家のジョニーや、貧乏で秀才のマルティンや、ボクサー志望のマティアスや、チビのウーリや、弁の立つゼバスティアンや、どれもこれも、どいつもこいつも、ベタなんだけど最高だ!


2009年4月4日(土)

 高島俊男『水滸伝の世界』(ちくま文庫)を読んでいたら、こんな文章に出くわした。中国で、水滸伝の作者と擬せられる施耐庵の資料とやらが20世紀後半になって続々と(捏造されて)出現し、施耐庵を偉大な農民革命の思想家だとする思潮が高まった消息について述べた部分である。

これらの資料を支持する人たちは、学問的真実よりはむしろ思想的信条でこれらに執着しているのだから、いくら動かぬ証拠をつきつけてもちっともへこたれない。だからいよいよはりあいがない(さればこそたいていの人は初めから相手にしないわけだ)。

 私はこのくだりでクスリとしたのだが、こういう話って、しょっちゅう出くわすような気がする。「万世一系」とか、「南京大虐殺」とか、「スピリチュアル」とか、「エコロジー」とか、もうほんと右も左も上も下もげんなりするような言説や人間が目白押しだし。


2009年4月5日(日)

 CD3題。

折笠富美子 4thアルバム『Serendipity』(ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント/3000円)
 楽曲の幅は前作『うららかeasy』の方が広くて楽しかったと思うけれど、いつまでも聞いていたいと思うような美しい声と、明るくて穏やかな曲調は、一段と磨きがかって非常に完成度の高い一枚です。今のJ-POP界隈って、なんでこういうのが(べつに折笠さんでなくていい)、チャートに上がって来ないんだろう。

GWAVE SuperFeature’s vol.12 『ULTRA☆U2』(GWAVE/2000円)
 Uさんの大ファンを公言してはばからない、「Black-Ash」さんの日記(4月4日)から引用(リンク切れ。2023年9月23日註)。「相変わらずの秋葉風テクノポップ、今回は甘い鼻声風味を少し控えめに、まさに理想の「Little my star」時代に戻ったU嬢が一生懸命歌っております。≪中略≫むしろそんなことより「今こそU嬢を応援するためにCDショップに急げ国民よ」と叫びたい気持ちでいっぱいです。」
 私もそんな気持ちでいっぱいです(「GO GO☆ら~びゅ」をヘビロテしすぎて溶け出した脳みそを耳からこぼしながら)。

GWAVE SuperFeature’s vol.13 『Love Bullets II』(GWAVE/2000円)
 アーティストは、「team Love Bullets」とクレジットされますが、もちろんボーカルは“あべにゅうぷろじぇくと”や“少女病”でおなじみの井上みゆさんです。一般の方は、そんなもんでおなじみて言われても、だとは思いますが、電波ソンガーとして現在もっとも重要なアーティストの一人です。民安さんやUさんとも違う、けどやっぱり「どっから声出しとんねん」系ボーカルは病み付きになります。「1×8 ラブ・バレット」はREMIX版が収録さていますが、この楽しさはやっぱり代表曲といってよいでしょう。折笠さんとちがって、こんなのがオリコン上位に来たら、日本滅亡も近いでしょうけれど。


2009年4月6日(月)

 最近の文具系のうれしい新製品はこれ。

 あなた好みのジェットストリームに――三菱鉛筆、55種類のリフィルから選べる「STYLE-FIT」

 もちろん買いましたよ、黒赤青緑のシグノリフィルを3種類の太さで計12本。シャーペンは使わないし、ジェストは持ってるし。
 ゲルの4色ペンは、ゼブラのクリップオンマルチに、パイロットコレトのリフィルを換装することでひとつの完成を見たのですが、水にぬれると奇跡のように文字が消えてしまう耐水性の低さだけが不満だったのです。その点シグノは顔料系インクということで耐水性にも定評があります。
 というわけで、書き比べてみての印象。
 書き味は、フローのいいコレトの完勝。発色もフローに後押しされて、コレトの方がいい。ただ、ブルーの色は、コレトは暗いのでシグノの方が黒とはっきり区別がついていい。緑は逆に、シグノは明るすぎて、手帳の文字には向かないか。

 ホルダーについては、ノッチが色分けされてない純正キットのものより、パイロットのFeedやDr.グリップ4+1なら、リフィルの長さもぴったりなので差し替えるだけでよく、太さも手ごろで使いやすいです。リフィルを1センチほど切るのに抵抗がなければ、ゼブラのクリップオンマルチやクリップオンスリムでも無理なく使えます。
 今のところ、個人的には、クリップオンスリムにシグノ0.38mmの黒赤青と0.3mmのコレト緑というのが、手帳用限定なら最上の布陣かな。


2009年4月7日(火)

 『涼宮ハルヒの憂鬱』の再放送が始まりましたね。中途半端な時間帯なので一応録画しましたけど、初回が「朝比奈ミクルの大冒険」じゃなくて、普通に「憂鬱 Ⅰ」でした。時系列順に放送しなおすのでしょうか。某掲示板によると、中身もオリジナル放送版じゃなくて、DVD版らしいし。
 気になるのは、新聞のテレビ欄に「再」ではなく「新」とクレジットされていたことや、まことしやかに「28話説」が流れていることです。まさか、DVD版を使い回しながら、途中の回に新たなエピソードをまぜてきたりするのでしょうか。京アニならやりかねない気もしなくもなくもないですが。
 でもなあ、次回予告もカットするような作りだしなあ。地方U局だけの話だしなあ。うーん。


2009年4月8日(水)

 今日から新学期で、ともちゃんは5年生、なおちゃんは中3になりました。なんとまあとうとう受験生です。こないだ中学校に入ったと思ってたのに。この日記を書き始めた頃なんて、保育園に通ってたのに。

 私も受験生の親です。これから1年は我が子の合格をめざして、心を鬼にして日々を送らねばなりません。
 とりあえず、ともちゃんの誕生日が5月にやってくるのですが、ともちゃんだけだと対戦や協力プレイの面であれなので、なおちゃんにもPSPを買ってやろうと思います。

 うむ、受験生にとって、まさしく鬼のような親だ。勉強の邪魔してどうする。


2009年4月9日(木)

 こないだまで寒かったのに、昨日今日で突然暑くなった。「春めく」とか「うららか」とか、そういうデリカシーはないのか今年の気候は。

 ぜんぜん話は変わりますが、ずいぶん昔の日記で、「電車の座席で寝ていると、ひざにゴンゴン鞄をぶつけてくるのはたいてい小娘」みたいなことを書いた記憶があるのですが、最近そんなことがまったくなくなったことに気がつきました。
 原因は明らかです。どうせ寝るので、アイマスク代わりにかけているミラーのグラサンのせいです(黒いミラーでいかつい目のやつ)。頭が寒いので(ほっとけ)、ハンチングとかもかぶってたし。たぶん、危ない人もしくは変な人とみなされて、小娘系の人はみんな近づくのを避けてくださるようです。
 席の隣も埋まりにくくなりました。別に私は、足を開くとか、浅く座ってふんぞり返るとか、マナーをわきまえない座り方をしているわけではありません。ひざの上に鞄を乗せて、なるべく真面目な姿勢で座っています。でもなんか、そんなグラサンの人の隣にはやはり座りにくいようです。
 もちろん通勤電車ですから、最終的には埋まるのですが、足を開きがちでウザイ兄ちゃんはあまり寄ってこなくなり、十中八九おばさんが隣に座るようになりました。中高年の女性は基本的にこわいもの知らずですので、私がどう見えようと気にならないのでしょう。なので、開いたひざを押し付けられるようなこともなく、非常に快適な通勤ライフを送ることが出来るようになりました。
 満員電車で苦労している人にはオススメです。ヒゲ坊主とかにするともっといいかも。

 EXILEの人とか湘南の風の人とか、あのへんまで行くともっと回りが空くんだろうなあ。満員電車とか乗らないだろうけど。


2009年4月10日(金)

 今日は休みなので(その代わり明日出勤)、がんばって10日分の日記を書いてみました。しんどかった。
 散髪にも行きました。またまた思い切って短くしました。刈り上げというより、ほぼ坊主頭です。これで満員電車対策も、いっそうバッチリですね。

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