カナダで賃貸物件探し~その7 娘のダメ出し。
2024年の春、一人暮らしをするために賃貸物件を探した体験を書いています。
前回はジョンの家を見に行ったところまで書きました。
今回はこの家を見た娘の感想をお伝えします。娘は、ジョンの家の家賃の高さを気にしていました。家賃はこの記事で紹介しています。
それ以外にも、娘には気に入らないところがいくつかありました。
1.家賃が高いわりに狭い
ジョンの家は700スクエアフィートで、これはメートルに直すと、だいたい65平方メートル。畳になおすと35畳ぐらいです。
こちらの記事によると、
60平方メートルは、夫婦2人暮らしなら余裕で住むことができ、3人になるとちょっと手狭というレベル。
65平方メートルはそれより広いので、広い家だとは言いませんが、めちゃくちゃ狭いわけでもなく、1人ならこれで十分です。でも、カナダの一般的な家にくらべたら相当狭いです。
エマやタイラーがふつうに家具を置いていたので、よけい狭く感じたのかもしれません。寝室は大きなベッド(クイーンサイズ?)でほぼ満杯でした。
娘もクイーンサイズのベッドに寝ていますが、娘の寝室は、このベッドを置いても、まだ余裕があります。
2.家の手前にある階段でママは確実に転ぶ
前回の記事にも書きましたが、ジョンのベースメントは、室内ではなく、玄関の前に階段があります。今朝、彼の家に行って、写真を撮ってきました。
広さもある普通の階段ですが、娘は、冬、この上に雪が積もると、私は必ず転ぶと言うのです。
確かに、言われてみると、冬場、階段が危険なことは危険ですし、凍りつかないようにしっかりメンテナンスしなければなりません。
3.車道のすぐそばだから、うるさいはず
ジョンの家の前には6車線の車道があり、車がぶんぶん走っていて、相当うるさいです。
ただし、ジョンの家は車道のすぐ脇にあるわけではなく、この車道とジョンの家の間に、木の塀、木、車を出すための車道があります。
実際、エマにうるさくないか聞いてみたら、「不思議なほど静かよ」と言いました。
ただし、昼間、エマは仕事、タイラーは学校なので、平日の昼間のことはわかりません。というより、エマが細かいことを気にしないタイプだと、相当うるさくない限り、「静かよ」と言いそうです。
4.ゴミ出しが面倒
入口が前にあるので、ゴミを出すときは家の横手を通って、裏まで行かねばなりません。家の横には塀があり、家と塀までの間がそんなに広くないので、通り道が狭いです(この記事の後半にのせる家の全景写真を参照してください)。
この「家の横」というのがちゃんとした歩道になっていないため、冬場、しっかり除雪しておかないと、歩行が困難です。雪が多い場所に住んでいない人には、わからないと思いますが。
この点は、娘がジョンと電話で話をしたとき、ジョンから、「こういうふうになっているけど…」と話があったそうです。
娘がエマに、どうやってゴミを出しているのか聞いたら、「出勤するとき、トランクにゴミ袋を入れ、車で裏手まで回ってゴミを出す」と言っていました。
ゴミ箱(厳密にはビン)があるのは家の裏手なので、そんなに遠くありませんが、家、庭、ガレージが入っている敷地を歩くと考えると、カナダの家は日本より大きいため、「すぐそば」とは言えません。
特に冬場は、ものすごく寒くなり、氷点下30度以下の日もふつうにあるので、ゴミ出しがスムーズにできないのは住民にとってストレスでしょう。
ちなみに、今私が住んでいるベースメントはドアを開けて数方歩けば舗道で、さらに30メートルほど歩くと、ゴミ出しエリアに到達します。
カヴィ(家主)は、家の周りに囲いを設置するらしいですが、塀ができて、その内側を歩いたとしても、入口から塀までわりと距離があるので、狭くて通りにくいということはありません。
私達が出すゴミは、生ゴミ、一般ごみ(燃えるゴミ)、リサイクル用のゴミの3種類ですが、リサイクル用のゴミにはダンボールも入れるので、袋がけっこう大きくなります。
ゴミ出しのときに歩く場所は、そこそこ広さのあるちゃんとした道で、冬は除雪がなされていて、ライトなどから明るさがしっかり取れないと危険です。
懐中電灯を持ってゴミ出しをすると、ゴミを1度に運べなくなります。
5.バスルームの洗面台に収納がないし、タイルの目地が真っ黒
前回の記事にも書きましたが、バスルームはシンクの下の下水管が通っているスペースしか物を入れる場所がありませんでした。つまり、引き出しがないので、パーソナルケア用品などは別の場所に置く必要があります。
私はしっかり観察しなかったのですが、今の家に入居して、ものを収納しているとき、「そういえば、ジョンの家って、トイレットペーパー(12個入りなど)、どこに置くんだろう」と思いました。
まあ、バスルーム内にトイレットペーパーをたくさん置けない家はほかにもあるでしょう。
娘の家のバスルームの収納は洗面台の引き出し(わりと大きい)4つと、引き出しの上にある、斜めに引き出すタイプの物入れ(こんな説明ではわからないでしょうが、引き出しではないので、たいしてものは入らないとだけ理解してください)が2つだけなので、娘は便器の脇に、トイレットペーパーをいくつか重ねて入れるホルダーを置いています。
タイルの目地は、ふつうに使っているとカビがはえて黒くなりますが、特に真っ黒だったと娘は言いました。「まだ新しい家なのにこんなに黒いなんて」というわけです。
実は娘のバスルームのタイルの目地もふつうに黒くなっていますが、それよりひどかったそうです。
私はそこまで見ていなかったので気づきませんでした。
6.家の前に車を停めにくい
ガレージは通常メインフロワーのテナントが使い、ベースメントのテナントは家の前か横(スペースがあれば)に路上駐車します。
場所によっては、駐車する場所の奪い合いが起きるときがあります。
内見には娘の車で行きましたが、娘は「私、ここ嫌い。車を停めにくい」と言いました。
私は、車を運転しないので関係ありませんが、娘が私を車で歯医者に送り迎えするときや、2人で買い物に行き、大きなものを持ち帰ったとき、スムーズに車を停めることができないのは不便です。
今朝は、車が2台停まっていました。木の後ろにあるのがジョンの家です。両隣の家との間にそんなにスペースがないのが写真でわかるでしょう。
ベースメントの記事に書いたように、この家はインフィルなので、もともと狭い敷地に建っています。
Uホールのバンで引っ越しをして、荷物を搬入したときや、娘と一緒にIKEAに行って家具を買ってきたときに、家のすぐそばの広いスペースに車を停めることができるほうが断然便利だし、家の前に階段があるより、家の中にあるほうが、大きなものの搬入が簡単かもしれないとも思いました。
これは、実際に自分でやってみないとわかりませんが。
こちらは、現在の私の家の路上駐車エリアです。玄関を出て見える正面の景色の写真を撮りました。
前にある車は2台とも、いつも停まっている車ではありません。
写真を撮ったのは平日の昼間なので、家のまわりに車がない時間帯ですが、週末でも、朝でも、私の側に車が停まっていたことは一度もありません。Uber EatsやAmazonの配達の人も、このあたりは車を停めやすいと思っているはずです。
7.上に住んでいる人がずっと在宅
娘がジョンと電話で話したとき、階上にはアフリカ出身のおばあさんとその娘が住んでいて、娘さんは銀行勤務という話でした。
でもエマは、この娘さんは在宅勤務だと言いました。
いつも階上に人が2人いるとうるさいので、娘はこの点も気にしました。
最初、娘は、「アフリカの人って、いい人が多いよね。陽気だし」と肯定的な意見だったのですが、2人とも在宅と聞いて、「でもアフリカの人ってやたらとパーティするんだよ。きっとうるさい。ママ、仕事の邪魔になるかも」と否定的になりました。
実際、エマも、「上の人達はたまにパーティとうか、家族の集まりっていうのかしら、そういうのをするわね」と言い、タイラーは、「僕たちは僕の祖母を呼んだだけなんだよね」と言い、さらにエマは、「私たち、本当に、すごく忙しいのよ。私、フルタイムで働いてるし、タイラーは勉強が大変だったし」と続けました。
ジョンは、娘に、「上のおばあさんは庭で何か作ってるから、きみのママも一緒にやるといいよ」と言ったそうです。
私がそんなことをするはずがないと知っている娘は、「ママ、上の人に無愛想にしちゃだめだよ。会ったら笑顔で挨拶してよね。でもやたら馴れ馴れしくされるのも嫌だよね。ほっといてほしい」と言いました。
8.一番の問題は雪かき
前回も書きましたが、ジョンの電話では、私は雪かきをしなくていいと聞いていたのに、エマが、「雪かきは全員がする」と言ったことです。
内見が終わったあと、私はジョンにメールで、「雪かきはしなくてもいいと聞いていましたが、エマは全員でやっていると言いました。しなければならないのなら、私もやりますが、雪かきも私の責任ですか?」と聞きました。するとこんな返事が届きました。
だいたいの訳:雪かきについては、それぞれのテナントが、自分の玄関の前や階段の雪かきをします。
自分の家の前の階段に続く共通の舗道はテナント全員が行います。だから、はい、雪かきはあなたの責任の一部です。
ジョンは、ここまで雪かきにこだわるテナントに会ったことがないかもしれません。でも、雪かきや芝刈りをやるかやらないかは私にとっては大きな問題です。
雪かきにはけっこう時間を取られるので、やるなら、それを計算に入れて日々のスケジュールを組まねばなりません。
しかも私は家の前の階段を雪かき中にすべって転んで尾てい骨や大腿骨を折ったら、寝たきりになる年齢です。
さらに私は「手が空いた人がやればいいよね」的な、なあなあなやり方は嫌いで、責任の所在がはっきりしているほうが気分的に楽に思うほうです。
もちろん、それが自分の責任ならきっちり果たします。
娘はジョンの返事を見て、「これ、電話で言ってたことと違う(嘘つき)」と言いました。
たぶんジョンはこれまで、雪かきについて、しつこく聞くテナントがいなかったし、自分は遠くに住んでいるので、誰がどう雪かきしているかも知らなかったのでしょう。
ジョンの家はデュプレックスですが、片方のメインフロアにはジョンの友達が住んでいて、何かあったら、まずこの人が見に来て、修理が必要なら彼がするという話でした。
最後に
娘は内見をして、ますますジョンの家を嫌いになりました。娘が問題だと感じたことは、どれも些細なことかもしれません。
でも、前提として、「べらぼうに高い家賃」があるので、さまざまな問題が、あってほしくない問題になるのです。
私は、娘の家のすぐそばの物件だし、迷うのが嫌いなので、このままここに入居する話を進めることにしました。
今朝、実際にジョンの家に歩いて行きましたが、今の私の家から徒歩19分です(GoogleのMapによれば)。
娘の家からは徒歩20分で、内見に行ったときは、「すごく近くていいね」と思っていましたが、今の家に比べたら遠いので、カヴィの家に入れてよかったと改めて思いました。
環境も、今の家のほうが、閑静な住宅地で、昼も夜も本当に静かです。
カヴィがキッチンにいるとき以外は人の気配がありませんし、彼は昼間はめったにキッチンにいません。
在宅で仕事をしている日も多いと思いますが、ずっと2階にいるようです。
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