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カナダの庭の3つのメンテナンス~テナントがやる場合もある。

カナダの一軒家に住むと、庭の手入れという作業が発生します。

バンクーバーのように暖かいところは雪かきはしなくてすむと思いますが、昨今は異常気象のせいで、バンクーバーにもしっかり雪が降るときがあります。

もちろん、屋根や雨樋、外壁なども、ときどきメンテが必要ですが、こういうことは、ホームオーナーが心配することであり、テナント(賃借人)の私は関係ありません。

しかし、庭のメンテナンスは、テナントがやらねばならないときがあります。


基本的な3つのメンテナンス

すでに何度も書いていますが、庭付きの家には、以下の3つのメンテナンスがついてまわります。

・春夏の芝刈り

・秋の落ち葉かき

・冬の雪かき

こうしたメンテナンスを完全に外注してしまう家主もいますが、テナントにやらせる家主もいます。

現在の家に入居するとき、家主のカヴィが、「そういうのは人にやらせます」と言った話は、ベースメントの記事に書きましたが

実際は、カヴィのお父さんが芝刈りをしています。落ち葉かきや雪かきも彼がやるんでしょうか?

芝刈りは、数週間に1度すればいいのですが、雪かきは雪が降るたびにしなければならないので、雪の多いシーズンだと、たびたびここにやってくる必要があります。

お父さんがどこに住んでいるのか知りませんが、冬場のあの寒い中、車で長距離を運転するとガソリン代もかかります(暖房が必要なため)。

芝刈りについて

私が住んでいる州にある一軒家には、もれなく芝生があります。

ごくまれに、茶色いだけの庭を見かけますが、ひじょうに数少ない例外です。

よって、芝刈りは必須。

芝刈りをしなければならない理由は説明しなくてもわかるでしょう。

芝刈りをせずに放置すると:

・見た目が悪い

・芝の健康が損なわれる

・害虫が増える

・芝が伸びすぎると火災の恐れがある(カナダはとても湿度が低くドライです)。

・あとでまとめて刈ろうすると、ふつうの芝刈り機では太刀打ちできない

とにかく見た目が悪くなり、「ここは誰も住んでいません」とアピールしているようなものなので、防犯上も好ましくありません。

ただ、私は芝刈りをしたことがありません。これまでは夫と暮らしていたから、テナントがやる必要があるときは、夫にやってもらっていました。

芝刈りは必ずしも男性の仕事というわけではありませんが、男の人がやっているのを見かけることが多いです。

しかし、娘が今住んでいる家は、メインフロアとベースメント、両方の住人が、メンテナンスを担当しているので、娘は芝刈りをしています。

娘は2ベッドルームのベースメントを、私(シングルルームのかなり狭いベースメント)より安い家賃で借りています。

なぜこんなふうに優遇されているかというと

・娘が、家主の息子の当時のガールフレンドの友人で、友人のつてで入居したから

・庭や家のメンテナンスも担当するという条件だったから

この2点の理由からです。

尚、家全体をテナントが借りている場合、芝刈りはメインフロアの人が担当することが多いです。

落ち葉かきについて

カナダの家は、高い確率で庭や歩道に木があるので、秋は落ちた葉を誰かがほうきで掃き集める必要があります。

歩道の上に葉がたくさん落ちることはあまりなく(落ちているんでしょうが、定着せず風で飛ばされるのだと思う)、通常芝生の上に落ちます。

これを放置して、冬になり落ち葉がいっぱいのった芝生の上に雪が降ると以下の問題が発生します。

・芝の健康が損なわれる

・落ち葉の間に害虫が発生する、カビも生える。すると芝生がスノーモールド病(snow mold disease、直訳:雪カビ病)にかかる

スノーモールド病は草木の病気ですが、強いアレルギーのある人は、ほかのアレルゲンに接したときと同じように、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、呼吸困難などの反応が出るかもしれません。

・春になったとき、ネズミなどによる芝生への被害が増える

雪かきについて

冬は、雪が降るので、歩道に落ちた雪を誰かがシャベルで歩道から取り除かなければなりません。

雪が積もったまま放置すると、気温の変化で表面が凍結してスケートリンクのようになってしまいます。

つまり、通行できなくなるか、できたとしても危険です。ずっと雪かきをしないでいると、家の持ち主に市から苦情の電話が入ります。

雪かきをしない罰金は100ドルだと市のホームページに書かれていますが、それより怖いのは、誰かが、家の前の歩道ですべって怪我をした場合です。たぶん訴えられます。

私は、雪かきは何度もやりました。家がコーナー(角)に位置していると、雪をかく歩道の量が増えるので、しんどさが倍増します。

少しの雪ならそこまで大変な作業ではありませんが、どかっと一気に降ると(そういうことはよくあります)、雪かきも大仕事です。

また、氷点下20度、30度で風がビュービュー吹いている日に雪かきするのは決して楽しい作業ではありません。

通常、雪を取り除くのは、家の前の歩道と、歩道から玄関まで続く道、ガレージの前、ゴミ箱を置く周辺です。

以上がカナダの家でやらなければならない庭関係のベーシックなメンテナンスです。

メンテナンスについては要確認

家のメンテナンスについて、賃貸契約書に書かれていることは少ないので、いったい誰がメンテナンスをするのか、ちゃんと聞いてから入居を決めたほうがいいです。

私の元夫のように、失業してひまを持て余しているなら、庭のメンテナンスをしなければならない状況をありがたく感じるかもしれませんが、多くの人は、それなりに忙しいので、全面的に責任を負うのをしんどく感じるかもしれません。

まあ、こういうのは、その人の性格や生活環境にもよります。

娘の場合

娘はいつも仕事が忙しいので、雪かきはかなり負担に感じています。

去年の冬は、病気でふらふらになりながら雪かきをしていたこともありました。

娘の家のドアから、歩道に続く道が凍りやすいため、娘は凍結を解消するための薬剤をホームセンターに買いに行きました。

でも、この薬剤を買いに行く時間がなかなか捻出できず、娘は、しばらく道を凍ったままにして、びくびくしていました。

私ならアマゾンか、アマゾンに売っていなかったら店に直接オンラインで注文し届けてもらうところです。

この薬剤は大袋に入っている青い液体ですが、使い切っていない袋を娘がキッチンの脇にあるクローゼットに置いておいたら、袋が破れ、青い液体が流れ出てきました。

娘は、袋の下に段ボールやペーパータオルを置いて応急処置をしていましたが、放置すると床が青くなってしまうかもしれません。

メンテナンス作業にはこういう不測の事態も起きます。

元夫の場合

私が前に住んでいた家では、雪かきや芝刈りをやりたいテナントがいたら、その人に家主がお金を払ってやってもらっていました。この家主は、タマラの前にこの家を所有していた人です(この家は私が住んでいる間に持ち主が変わりました)。

長く、メインフロアに住んでいたアンドリューという若者がメンテナンスを担当していましたが、彼が引っ越したあとは、なんとなく夫がボランティアでやっていました。

夫はお金がないので、やるなら、ちゃんとお金をもらってやるべきだと思ったのですが、夫は、「家主に自分の銀行口座を知られたくない」とかなんとかわけのわからない理由を言って、ずっとボランティアでやっていました。

実際は、アンドリューは小切手でメンテ代をもらっていたのですが。

夫が中途半端にボランティアでメンテナンスをやっていたので、途中から家の家主になったタマラは、メンテナンスを外注しませんでした。

そりゃそうですよね? ほっとけば夫がやるのだから。

実際、タマラは一度、夫に、「お金を払います」というメールを送っていました。でも、夫は受け取りませんでした(というか、彼女の申し出を無視した模様)。

私はメンテナンスをやるならちゃんとお金をもらってしっかりやるべきだと思います。

ボランティアだと、やったりやらなかったりという状況が発生しますから。

実際、ある秋、誰も落ち葉かきをしなかったので、あの家の芝生はかなり傷み、ところどころハゲもできました。

芝生が痛むと、痛みを解消するための薬剤を振りかけることになるので、環境によくありません。

「やるならお金をもらってちゃんとやれ、やらないなら中途半端に手を出すな!」

私はそう夫に言いましたが、夫は私の意見も無視しました。

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