書の勉強方法②

(前回の続き)
では次に、②お手本を見たまま、そのまま真似るべきなのか、という問題。

この答えには色んな意見がありますが、私は敢えて、

「そのまま真似るべき」

とお答えしておきます。

なぜなら、そのお手本は、自分が良いと決めて、勉強のために選んだはずだからです。

自分で決めたお手本に対して、少なくとも初歩の段階で②のような態度で臨むこと自体、おかしなことではないでしょうか。

例えば、語学の習得をイメージしてください。

語学は、お手本となる言葉やフレーズを耳で聞き、口でそれをそっくりそのまま、いつでもきちんとした発音で言えるようになるまで繰り返し練習しますね。

それと同じように、書道の場合は目でお手本を見て、手で繰り返し練習する。できないうちはそっくりそのまま真似するしかないのです。

勉強とは学ぶこと。学ぶことはまねぶ(真似る)こと。どの世界でも同じですよね。

そこに、②のような考えが入る余地は全くありません。

②は、相当に経験を積んだ人が、更なる上達を求めたときに直面する問題です。

が、初心者や経験の浅い人にかぎって②のようなことを言い出す人が多いように思います。

ちなみに、できるようになれば、あとは自分の好きなように書けば良いと私は思っています。

ところで、肝心なことが一つあります。

それは、

自分が選んだお手本が、果たして本当に
お手本としての機能と価値を備えているのか?

ということ。

次回は、この大問題について触れていきましょう。