子どもを「愛すること」と「受け入れる」ことの違いからみる、安心のパートナーシップのこと
こんにちは。
幼児教育ドラマトゥルクの塚田ひろみです。
子どもを「愛すること」と「受け入れること」の違いはなんだと思いますか?
シュタイナー教育や自然育児のことを伝え、活動されている篠秀夫先生は、「愛すること」は感情のこと。「受け入れること」は態度や行動のことと教えてくれます。
感情では好きになれない、愛せない、という事は、自然に起こること。それを無理矢理に、好きになれというのは難しいですよね。
でも、目の前の人を「受け入れること」は、愛さなくても出来ることです。そして、子どもを例え愛せなくても、「受け入れること」ができれば子どもは育っていきます。
私はそんな親子の関係性が、まるで夫婦関係のようだなと思いました。
実際に、この「受け入れる」という考え方が、私自身の夫婦関係、パートナーシップにとって、とても有益に働きました。
とても、気持ちが楽になりました。
そんな、篠先生の捉える、子どもを「受け入れること」から、パートナーシップを、そして、人間同士のつながりを、考えてみたいと思いました。
自分の家なのに、安心できない感覚はありませんか?
ところで、みなさんは、自分の家の中で心から安心して、過ごすことができていますか?
私は実は、つい最近までそれが出来ていませんでした。
子どもみたいに、ちょっと家出したくなる気分になることも。それは、「たまには一人の時間がほしい」といった範囲を超えて、のびのびできないような、そんな状態だったと思います。
では、それはなぜ?ということが、この「受け入れる」ということから、はっきりと分かったのです。
理由さえ分かれば、そんなに大きく状況が変わらなかったとしても、自然と「なーんだ」と気持ちが楽になりました。私たちのストレスは、それに気がつくことさえできれば、自然と自分から離れていくようにできているのです。
「受け入れる」とは?
それでは、「受け入れる」とはどういうことなのでしょうか?
篠先生の言葉を借りれば、その人の「見方、感じ方、考え方を肯定してあげる」ということ。
また、そうした自分の見方、感じ方、考え方を偽りなくさらけ出せる、安心感に包まれた居場所をつくることです。
私は特に、この安心感というものがとても大切な気がしています。私は人に受け入れてもらえた、ただただ、ここに居てもいいんだ、という生命に対する安心の土壌を作ってくれるからです。
私がこの安心感を感じられなかった理由こそが「受け入れられている」という感覚を、心から持てなかったからでした。どこかで、私のこと、私の好きなもの、生きる上での価値観は、パートナーに否定される、と感じていたのです。
不思議とそんなときは、死というものが身近にある感覚も強くなりました。たった1人でもいいから、誰かに「受け入れてもらえる」と思えることが、生命の源だと感じます。
「受け入れてもらえていない」と感じるときに起きていること
「自分は受け入れてもらえていない」と感じるとき、その理由の1つは、自分が自分自身のことを受け入れることができないから。確かに、これは良く起こるとだと思います。
然し、私はというと、これとは少し違う理由で「受け入れてもらえない」と感じていました。
それは何かというと、家庭の中で自分らしさを発揮できないのではないか、という苦しさです。もし、どこでも好きなところで、好きな人と、好きなことが何でもできるなら、私は自分の価値を認めてくれる人、環境で、自分の心からやりたいと思うことをしたいです。
でも、家庭の中でそれを思いっきりやったら?「私はこれが好きなんだ」「私はこういう風に生きて行きたいんだ」と言ったら、「やめた方がいい」「そんなものは価値がない」そういう風に言われるのではないかと感じていました。だから、言えない。
どこか、違う場所ならばまだしも、自分の家庭の中で、日々を過ごす場所で、自分をそのまま表現できないことは、辛いことです。
では、どうすれば安心できるようになりますか?
ここまで整理をして、私自身も気がついた事があります。それは、家族であるならば、しっかりと価値観の共有をすることがとても大切だという事です。
夫婦でも親子でも、お互いにただ聴いて「そうなんだね」と言うだけ、それだけでいいのです。むしろ、それ以上、言わない方がいい。それが、案外難しいのですけれど。
そもそも、私が「私の価値観を否定される」と感じていたのは、実際にそうした言葉を受けた事が何度もあるからです。けれど、言っている本人は実は大した考えがあるわけでもなければ、ただ口から出た、ぐらいで覚えていない事があります。(これは、その人の気質にも関わってくる事なのですが、それはまた別の機会に)
だから、あえて、特別な機会を持った方がいい。
そして、人は自分自身が「受け入れてもらえた」と感じると、他の人にも「受け入れてあげよう」という気持ちが働きます。これまで全く受け入れられなかった、子どもやパートナーに対してでもです。
人間の子育ては、遺伝子に刻み込まれていないため、自分がしてもらったように、自分の子どもを育てると言います。また、自分が人に優しくして、初めて、人に優しくしてもらえるのだとも。
人間は、自分のしてもらったこと(されたこと)を、相手にもしようとする、そいういう特質があるように思えます。
だから、まずは自分から相手をジャッジしようとしないで、ありのまま、受け止めてみてくださいね。
出典)『子どもの育ちと大人の育ち 生命に目覚める子育て Vol.1 子育てあれこれ』 篠秀夫
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