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幸せな結婚への必読書!?ジェイン・オースティンのおすすめ3選

ライターマガジン「日刊かきあつめ」の今回のテーマは「結婚」。

ジェイン・オースティンは、結婚にまつわる数々の名作を残したことで知られるイギリス人の作家です。

ジェイン・オースティンの魅力と、大学の授業がきっかけでジェイン・オースティンにハマり、全作品を読み込んだ私がおすすめする3冊をご紹介します!

ジェイン・オースティンとは?

ジェイン・オースティン(ジェーン・オースティン)は、18世紀から19世紀にかけて活躍したイギリス人の小説家です。

ジェイン・オースティンの作品では、男女の結婚話をメインテーマとして、18世紀イギリスの田舎の中流階級の人々の暮らしぶりがユーモラスに描き出されています。

「男女が結婚するまでのお話」と聞くとストーリーが少々退屈そうにも思えますが、個性的な登場人物と彼らのリアルな会話が面白く、ぐんぐんと物語に引き込まれてしまうんです。

夏目漱石は「Jane Austen は写実の泰斗(たいと)なり。平凡にして活躍せる文字を草して技神に入る」と著書のなかで絶賛しています。

ヒロインが知性と優しさにあふれる心の美しい女性ばかりで、そこもジェインの作品の大きな魅力だと思っています。

ちなみに、作者のジェイン自身も恋多き女性かと思いきや、本人は未婚のまま41年間の生涯を終えました。一度プロポーズをされたことがあるものの、いったん受け入れたのちにお断りしたのだそうです。

実体験をもとにしていないからこそ、とことん写実的で、シニカルな視点から物語を創作できたのかなとも思います。

おすすめのジェイン・オースティン作品BEST3

ジェイン・オースティンは、6つの長編作品を発表しています。特におすすめの3作品をご紹介します!

3位:ノーサンガー・アビー

あらすじ(Amazonより):17歳の平凡な少女キャサリンは、リゾート地バースで恋に落ち、由緒あるお屋敷に招待されて有頂天。古めかしいお屋敷で、愛読中のゴシック小説に出てくるようなホラー体験ができる、と大喜びでノーサンガー・アビーに出かける。ところが、小説の読みすぎでキャサリンの妄想はとんでもない方向に…。オースティン初期の辛口ラブコメディー。定評ある読みやすい新訳で初の文庫化。

『ノーサンガー・アビー』は、ジェイン・オースティン作品のなかではやや異色ともいえる、コメディ色の強いラブストーリーです。

ヒロインであるキャサリンの妄想癖と、恋愛に関することや他人からの悪意への鈍感さが可愛らしく、ツッコミどころが満載の作品です。人を疑うことを知らない素直なキャサリンだからこそ、最後には大きな幸せを手にします。

コミカルで読みやすい内容であるうえ、大長編の多いジェイン・オースティン作品のなかでは比較的短い作品なので、長編はハードルが高く感じている方にも◎

2位:説得

あらすじ(Amazonより引用):准男爵の娘アン・エリオットは二十七歳、独身で、影の薄い存在だ。八年前、周囲から反対されて海軍軍人のウェントワースとの結婚をあきらめたことが、いまだにアンの心に影を落としている。しかし、そんなアンに思いがけない再会が待ち受けていた。イングランドの美しい自然を舞台に、人生の移ろいと繊細な恋心をしみじみと描くオースティン最晩年の傑作。定評ある読みやすい新訳で贈る。

『説得』は、周囲の反対によって仲を引き裂かれた男女の再会ラブストーリです。令和の時代でも十分にあり得そうなシチュエーションで、現代女性もすごく共感できるお話です。27歳という結婚について微妙なお年頃も然りw

この作品の魅力は、ヒロインのアン・エリオットの人間性にあると思っています。アンは、知性と優しさを兼ね備えており、分別があり、出しゃばらない、とにかく素敵な女性なんです。

「こんな女性になりたい…」と、作品を読みながら何度思ったことでしょう。最近はやりの自己啓発本よりも、よっぽど女性の品格を学ぶのに役立つお話ではないでしょうか。

他作品と比べるとコメディ色はそれほど強くなく、登場人物の心の動きを細やかに描き出した静かな作品です。落ち着いたストーリーが好きな方に合うと思います。

1位:高慢と偏見

あらすじ(Amazonより引用):経済的理由で好きでもない人と結婚していいものだろうか。いつの時代も幸福な結婚を考える女性の悩みは変わらない。エリザベスとダーシーの誤解からはじまるラブロマンスは、いつ読んでも瑞々しく、オースティンの細やかな心理描写は、ときおり毒もはらむがユーモラスで、読後は幸せな気持ちにさせてくれる。愛らしい十九世紀の挿絵五十余点収載。 

ジェイン・オースティンの代表作ともいえる『高慢と偏見』。原題は「Pride and prejudice」で、「プライドと偏見」や「自負と偏見」などいくつかの和訳があります。

ジェインの作品のなかでも、ひときわ登場人物たちの個性が際立っているのが特徴です。いわゆる「キャラ強め」な人たちが多く、彼らの会話や心情の描写がとにかく面白いんです!

勝ち気で知性溢れるヒロインのエリザベス、プライドが高く気難しいけど実は心優しい相手役のダーシー、娘の結婚に命を懸けているヒステリックなベネット夫人(エリザベスの母)などなど…。ラブロマンスにはつきものの、意地悪な恋のライバルも登場しますよ。

後世の恋愛小説や恋愛ドラマの原型ともいえるのでは?というくらい、ストーリーや登場人物のキャラクターが面白いので、恋愛ものが好きな方はぜひ!

エリザベスは、個性豊かな登場人物のなかで揉まれ、紆余曲折ありながらも、最後には妥協のない幸福な結婚を実現します。自分に素直に生きることの大切さを思い知らされる作品です。

高慢と偏見は、何度も映像化されています。2006年にはキーラ・ナイトレイ主演の映画も公開(タイトルは「プライドと偏見」)されており、読書はちょっと…というときは、まずは映像作品から楽しんでみてはいかがでしょう?

執筆:らいむ

編集:鈴きの彩子

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