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宿木と回帰

 

もうおやすみ、と、優しく前髪を撫でる。逆毛立った神経のひとつひとつが、そろりと閉じて、暗転しても温もりはずっと、すぐ傍にあって、それに得られる安心感に、泣き出してしまいそうになる。ぼくはぼくが思うよりもずっと、傷口を放置して、手を当ててくれる誰かが欲しくて、弱さを赦されたかった。

 

11:36am


傷んだ羽根を休める居場所が欲しかったんだ。



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