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大学生が考える「雇用の安定」vs「スキルの安定」

こんにちは。
期末課題などに追われ、前回の投稿から半月以上経過してしまいました。
前回の投稿は初投稿であったにも関わらず、思っていた以上の反響をいただき驚いています。今後も不定期に投稿していくつもりですのでよろしくお願い致します。

 今回のタイトルである「雇用の安定」vs「スキルの安定」は私が就活中に考え始めた会社選びの前提条件のようなものです。前回と違って少し硬い内容ですが、ご容赦ください。
 日本の新卒一括採用と終身雇用の組み合わせである、所謂メンバーシップ型雇用は、高度経済成長期を迎え、世界中から礼賛されました。しかし、現在は「働かないおじさん」問題など各所から批判が噴出する制度に変容してしまいました。新卒社会人の3人に1人が3年以内に転職するという話は最近よく耳にしますが、ここ数十年の間に働き方も大きく変わったのです。
 また、日本社会全体の動きとしても「終身雇用」という前提から崩壊しつつあります。2018年のNECの3000人規模のリストラ、2022年の富士通グループの3000人規模のリストラは話題になりました。2社とも就活生が思い浮かべるような大企業だと思いますが、「ジョブ型雇用の推進」と称してリストラを進めています(進めざるを得ない状況に置かれています)。社会の一定層において終身雇用が妄信され続けた結果、終身雇用は日本社会においていわば神話化されているような気さえします。昨今の終身雇用神話の瓦解は、日本社会における不確実性を着実に高めているとも言えます。日本において絶対であった「雇用の安定」は失われつつあるように思われます。

 「雇用の安定」に対して、「スキルの安定」を希求するという選択肢もあります。要するに、雇用に捉われずタスクを自己に依存させるという選択肢です。雇用に捉われないというのは、転職や独立も視野に入れて働くという意味です。自分のスキルに需要がある限り、雇用はあり続けるし、その場で働くのが嫌になったり、ライフステージの変化で環境を変える必要が出てきた時に、柔軟にキャリアの路線を変更できることが「スキルの安定」を取ることのメリットです。

 ここまで、今回のタイトルにもなっている二項対立について述べてきましたが、どちらの選択肢も一長一短です。「雇用の安定」に関して言えば、先述したとおり、会社が存続するかどうかがわからないという不確実性の高い社会に変容してきていることや、クビになったときに次の働き口を見つけるのが比較的難しいことがリスクとして挙げられます。働き方も含め、会社に一存することになるため自律的なキャリア形成は難しいかもしれません。一方で、自発的な行動が得意ではない人や、労働は単なる金稼ぎの手段として捉えている人にとっては最良の選択肢かもしれません。ただし、「雇用の安定」が望めるような企業が少なくなっていることで、昔に比べ難しい選択肢になっているのではないでしょうか。
 他方、「スキルの安定」に関しては、学び続ける必要があることや、労働時間が(「雇用の安定」側の方に比べて)長くなる可能性があることがリスクとして挙げられます。自分がやっていることにやりがいを見出せなければ、仕事がただの苦行になってしまうかもしれません。加えて、研鑽を重ねてきたスキルが、技術革新などの外的要因によって、需要を喪失する可能性もあります。これが「スキルの安定」にとって最も大きなリスクなのではないかと個人的に考えています。

 結局は何をするにしてもリスクは付きまとうことになります。しかし、各々のリスクを認識し、理解した上での選択を繰り返していくことで、自分にとっての最適解を見つけられるかもしれません。

 ここまで長々と書いてきましたが、この文章は社会人経験もない大学生の拙文です。仰々しく書いてきたリスクだったり、メリットだったりはただの思考された可能性に過ぎません。しかし、働き始めた後のキャリアの柔軟さと自律性を考えた結果、私は「スキルの安定」を取ろうという考えに至り、新卒就活を進めました。私自身が「スキルの安定」寄りの考えを抱いている故に、この文章には多少のバイアスがかかっていると思います。その点を頭に入れて考えてみて頂けたら幸いです。


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