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第2回 産学連携セミナー「地域企業のためのSDGs&DX経営実践のコツ」 開催レポートー東京エレクトロンのSDGs・サステナビリティの取組み

 2022年7月20日(水)東北大学 片平キャンパス 知の館を会場およびオンラインのハイブリッド形式で、第2回 産学連携セミナー「地域企業のためのSDGs&DX経営実践のコツ」を開催した。

 第2回のセミナーでは、荻野 裕史 氏(東京エレクトロン株式会社サスティナビリティ統括部 部長)より、「東京エレクトロンのSDGs・サステナビリティの取組み」についてご講演いただいた。
同社ではマテリアリティ領域として、製品競争力、顧客対応力、生産性向上及びそれらを支える経営基盤(ガバナンス、コンプライアンス、社会・環境対応など)を掲げている。国連グローバルコンパクトやResponsible Business Alliance(エレクトロニクス業界の責任ある企業連携)などの国際指標に準じた経営を行い、サプライチェーン全体でサステナビリティに取り組んでいる。積極的な情報開示を進め、サステナビリティレポートや統合報告書の発行を行っている。

荻野 裕史 氏 (東京エレクトロン株式会社)

 とくに気候変動問題が深刻化する環境分野では、TCFDの1.5℃上昇のシナリオに対応し、ネットゼロエミッション(カーボンニュートラル)に取り組んでいる。そのため半導体製品の低消費電力化、製造装置の環境性能の向上、事情活動全体での排出削減を心掛けている。

 人権問題では、サプライチェーン上での人権リスクに対応するため、人権デューデリジェンスの手続きを踏むようにしている。近年提唱されたSDGsでは17のゴールのすべてが人権への取り組みに関連しているといえるが、同社ではとくに自由・平等・非差別、雇用の自主性(強制労働や児童労働の排除)、安全な職場、結社の自由、適切な労働時間の確保などに力点をおいている。

 以上のような取り組みを進めるにあたって、社内での意識啓発も継続的に行っている。SDGs のワークショップを半期ごとに開催したり、RBAや人権のトレーニングを開催したり、グローバルにサステナブル・アワードを設けて優秀事例について社長表彰したりなど、ESGの志向性を高め、人材育成につながる活動を行っている。これらは短期的なコストになったとしても、社会課題へチャレンジを実践として表すことが重要である。また役員報酬についてESGと一部連動させることを行っており、経営目標への組み入れを図っている。

 このようにトップとロワー双方を巻き込み「サステナブルの好循環」を生み出していく必要がる。またコンプライアンスやガバナンスなど足元をちゃんと抑える必要があり、バリューがあると投資家の共感が得られるようにするのではなければならない。

講演の様子

 さらにサステナビリティの具体的な課題設定においては、ステークホルダー・エンゲージメントなどを通じてステークホルダーとの対話を重視すべきである。

(文:東北大学大学院 経済学研究科SDGsラボ 高浦康有)

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