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20240621株主様向け事業説明会_全文書き起こし

フォースタートアップス株式会社(証券コード:7089)は、2024年6月21日開催の第8回定時株主総会終了後、ご出席いただいた株主様へ「株主様向け事業説明会」を開催いたしました。

その内容及び質疑応答の概要を下記に掲載いたします。なお、皆様にわかりやすい表現となるよう、一部加筆修正を行っておりますことをご容赦ください。

株主様向け事業説明会

スピーカー:代表取締役社長 志水雄一郎

Agenda

代表取締役の志水です。本日は、事業計画及び成長戦略についてお話させていただきます。

事業ポートフォリオ

現在のフォースタートアップスの事業ポートフォリオであります。祖業であるタレントエージェンシーが売上の85%を占めます。こちらはスタートアップ企業向けの人材紹介、採用コンサルティングサービス、それから起業のサポートを行う起業支援サービスを展開しております。続いて、オープンイノベーション。スタートアップ政策支援を行うPublic Affairs、STARTUP DB(スタートアップデータベース)は未上場企業の状況を可視化するプラットフォームを運営、そしてカンファレンスを展開しております。3つ目は、フォースタートアップスキャピタルという投資子会社で運営しているベンチャーキャピタル事業を行っています。イグジット実績がまだないため、売上構成比はゼロでございます。いずれ、人とお金を組み合わせたハイブリッドキャピタルが功を奏するタイミングがくるものと考えていますので、ご期待いただければと思います。

スタートアップ育成5カ年計画における3本柱

スタートアップ政策が進んでおります。内容としては、人、お金(出口戦略)、オープンイノベーション。3つの分野で、スタートアップの育成5カ年計画が形成されております。フォースタートアップスは、国策よりも早く、人・お金・オープンイノベーションを事業化し、推進してまいりました。まさに、国策が追い付いてきたなと考えており、人・お金・オープンイノベーションを組み合わせた、次なる日本の競争力となる企業群をどう作るのか・支援するのかが、私たちの大きなテーマとなってまいります。

人材紹介市場規模の推移

そういったなかで、私たちの祖業であり、売上の85%を占めている人材紹介の領域がどんな状況なのかをお伝えしたいと思います。スタートアップを含むすべての産業を対象とした人材紹介市場については、2021年から2022年は18.6%成長していることが、矢野経済研究所のデータから出ております。少子高齢化によって新卒採用が縮小、ジョブ型雇用に関して、中途採用・即戦力採用が大きく拡大をしてくるという状況の中で、私たちはタレントエージェンシーの事業を推進しているという状況であります。このあたりは、ビズリーチ様などが非常に好調であることもお分かりいただけると思います。

スタートアップの資金調達市場の推移

次に、スタートアップの資金調達市場に関してのお話しでございます。
私ども、タレントエージェンシーは資金調達と連動している部分が非常に大きいです。日本の資金調達市場は現在1兆円規模といわれています。世界のスタートアップ・エコシステムのランキングからすると、15位(参照:GSER2023 東京の順位)であり、スタートアップの分野では日本は先進国ではないという状況であります。

スタートアップ育成5カ年計画は、5年後に現在の1兆円市場を10兆円市場にしよう、その年に10兆円スタートアップにお金が流れるような仕組みを作ろうと、政府・官庁が連携している状況であります。「スタートアップ冬の時代」という中でも、日本のスタートアップ資金調達市場が下げ止まった理由は、日本のスタートアップ市場が小さいという部分もあったと思いますが、一番大きかったものは政府の後ろ支えが大きかったと思います。

現在日本のベンチャーキャピタル群、スタートアップへ投資をする皆様の投資余力を通称「ドライパウダー」といいますが、過去最大まで積み上がっています。この資金がいつ市場に流れていくのか、2024年もしくは2025年からなのか。また、今後発表される政府の政策の中において、政府系金融機関からリスクマネーがベンチャーキャピタルやスタートアップ群に流れてくるタイミングがいつからになるのか。こういった情報をしっかり捉えながら事業を展開する必要性があるという状況であります。

当社グループのポジショニング

私たちの基幹事業「タレントエージェンシー」のポジショニングをご説明いたします。私たちはスタートアップに特化をし、そしてポジションとしては管理職以上、年収としても比較的高い水準の年収を確保されるような皆様にとっての重要なサービスとして、フォースタートアップスは位置づけられていると思います。有力なスタートアップ群×CXO・VPなどの経営幹部を中心とした領域においては、日本でフォースタートアップスを超えるチームはないと言う状況であります。

さらに、子会社で設立したシングレスは立ち上がったばかりでございますが、現在のところ、好調に事業が立ち上がっており、年収水準でみても1,500万円以上を中心とした支援が出来ているという状況であります。

さらに、Pre-IPO企業・未上場の企業の中で、フォースタートアップスはどういう支援をしてきたかといいますと、レイターステージです。IPO前・グロース市場に上場する前の比較的ハイバリュエーション、企業価値の高い企業群を中心としてご支援してまいりました。

前期、「スタートアップ冬の時代」の中で、私たちが挑戦をしたことはアーリー・ミドルステージのスタートアップ群への市場の拡大を進め、顧客群は増えてまいりました。さらに今後でいえば、私たちが支援をさせていただいている企業群、かつてはメルカリのような企業だったわけですが、今後上場会社になっていくという流れになってまいりますので、私たちはPre-IPO・未上場のステージからご支援をし、上場しさらに企業価値を高めていく企業の支援へと進化できればと考えております。

2025年3月期 通期計画

そして今期、2025年3月期の通期計画となります。

売上高に関しては41億円、前期比20%成長を果たしてまいります。「スタートアップ冬の時代」というものは、前期がいちばん厳しかった。正直。事業計画を立てるのにおいても、なかなか前向きなストーリーが立てられなかった、そんな中でも努力した結果が前期業績でありました。いま、落ち着きを示したこの市場の中では、私たちはしっかり足もとの業績を伸ばしていけるものと考え、プラス20%成長を掲げております。

営業利益は4億5千万円、前期比でいえば微増益でございます。今年度、投資をする分野がございます。それがオフィス移転でございます。現在、かなり手狭な状況の中で、ここにございますように期末社員250名、前期比56名の増員を目指してまいりますので、そのメンバーが集う場所であり、日本を代表する起業家の皆さまに集っていただき事業プレゼンをしていただける場所を「オフィス」として捉えた場合に、泉ガーデンタワーから麻布台ヒルズへの移転を決定しております。二重家賃の発生期間などを加味して、1.8億円が移転にかかるものと想定しております。それを除くと、今期6.3億円出せるレベルでありますので、従来開示しておりました営業利益率15%を達成できる本業の稼ぐ力はあると思っていますので、その部分はご安心いただきたいと思います。

通期の営業利益計画と前期の差異を示しております。その他販管費の増加分、本社移転に伴う経費・加速償却・二重家賃などというところが、マイナス要因となっておりますが、今年度だけに係る部分だけでいうと本社移転に伴う経費・加速償却・二重家賃でございますので、この1年を乗り越えて、しっかりと皆様には営業利益体質の高い企業体としてしっかりと成長していくことをお約束したいと思っております。

業績予想の前提

今回の業績予想の前提です。「スタートアップ冬の時代」と呼ばれた中、どういう市場の中で戦っているのか、このあたりを少しご説明させていただきます。

資金調達市場、これは、下げ止まった感がございます。こちらにありますように2024年1-3月の資金調達額は前期比マイナス10%ぐらいで下げ止まった状況であります。さらに、登記簿の更新などで、新たに資金調達のデータが加味されていきますと、ほぼ同水準ぐらいの数値になっているのではないかと考えられます。

また、採用ニーズについて、過去に「SaaSバブル」がありましたが、そのときの主要なクライアント群は前期「スタートアップ冬の時代」ではなかなか採用が進まなかった、そんな状況がございました。その企業群が今年4月より採用を強化したいと取引を再開されるケースがどんどん増えてまいりました。私どもとしては、「スタートアップ冬の時代」に収束宣言をし、春の時代が入ってきたのではないかと考えております。

また、こういった市況・市場は、国策「スタートアップ育成5カ年計画」が下支えしているという状況であります。

2025年3月期の重点投資ポイント

そして、進行期の重点投資ポイントでございます。ここに掲げておりますとおり、タレントエージェンシーの売上・利益の持続的な成長、ここにしっかりとコミットしていければと考えています。

一つある私たちのポイント、いままではウィルグループが親会社におりました。ウィルグループさまに大変お世話になり、支えていただいたことは事実でございます。ウィルグループから離脱・卒業をし、今日会場にもお越し頂いていますが、新たな株主の皆様とともに、第二創業として、しっかりと業績を伸ばしていくということを考えた時に重要なことは、しっかりと進行期の目標をクリアしていくこと、これがものすごく重要なことだと考えております。

そういったなかで、根幹事業・基幹事業であるタレントエージェンシーに、集中的に経営資源を投資し、さらにそこで圧倒的ナンバーワンのブランドを形成すること、第二の事業として運営しておりましたオープンイノベーション、この部分をコストコンシャスに運営しながら売上を伸ばしていくこと、これにより更なる収益率を高めていくことを目指していきたいと考えております。

タレントエージェンシーの重点領域

タレントエージェンシーの重点領域をコチラに示しております。前年度もお示ししておりますとおり、継続をしてまいります。Pre-IPOを中心に支援していき、上場していくチームをご支援していきたいと考えております。

Pre-IPO顧客開拓

そして顧客開拓の部分でございます。私たちはやはりベンチャーキャピタル群から見た、有力なスタートアップ群の投資ポートフォリオから、予実、内部統制、成長戦略などから見て、どのスタートアップ企業が企業価値が高いのか、上場確率が高いのか、そういった情報を日々、ベンチャーキャピタルの皆様から情報提供いただいております。そういった上位の企業様に対して、私たちタレントエージェンシーが支援をしているわけでございますが、この部分は継続的に強化していきます。さらに新たにアーリー・ミドルステージの企業開拓は継続をし、そして上場するPost-IPO企業への支援・その後の成長を支えた結果、次にTOPIXに入ってくるような企業群をたくさん私たちから生み出していくこと、ここに挑戦をしてまいります。

人材育成

そして、人材育成でございます。ここは、前期課題がございました。「スタートアップ冬の時代」もございましたので、前期上期、なかなか採用活動を活発化する勇気がなく、市況を見定めながら採用活動を行うということによって、採用活動が弱かったことは事実でございます。結果、下期市場が戻りつつある中で、なかなか純増数という部分において追いつけなかったということがございます。

今期は、明確に250名体制をめざす、56名の増員を目指すということを皆様に開示しておりますので、ここはしっかりと達成していきたいというふうに考えております。それはなぜか。このヒューマンキャピタリストの人材採用・育成はとても難しいので、しっかりとより早く採用し、戦力化を支援していくこと、これこそが私たちの競争力になるものだと考えております。

オフィス移転

そしてオフィス移転でございます。麻布台ヒルズへの移転、これは、SNSなどでも、「豪華なところに行って大丈夫なのか」というご指摘をいただくことがございます。今回、森ビル様にご縁をいただきまして移転することになりました。

組織拡大をするうえで、面積は現在のオフィスの2倍です。私たちは、より大きな体制を作っていくに相応しい場所を探していました。シリコンバレーにあるサンドヒル、ベンチャーキャピタルが集う場所がアメリカにはございますが、それを今回麻布台ヒルズに作ると森ビルから発表されており、70社のベンチャーキャピタルが集う場所になると発表があります。そことの連携を考えた時に、私たちのミッションである「(共に)進化の中心へ」を体現できる場所、それが麻布台ヒルズであろうということを自分たちの中で整理をし、そして経済合理性を整理できたが故に麻布台ヒルズへの移転を決めております。いずれ本社移転をする予定でございましたので、ご理解いただきたいと思います。

ベンチャーキャピタル事業の狙い

そしてベンチャーキャピタルの狙いでございます。前期、株式の評価損を発表いたしました。当然、監査法人の皆様と喧々諤々しながら、保守的に見積もって、予算と実績と乖離が大きい部分に対して評価損を発表いたしました。

ただし、方針は変わりません。このフォースタートアップスキャピタル、これはベンチャーキャピタルの皆様が最も有力だと考えるチームに対して、私たちの基幹事業であるタレントエージェンシーが支援をし、次の調達ラウンドに進んだ際に、私たちの起業家・投資家の皆様からのご評価で、投資を行える立ち位置におります。

25年、26年、このあたりにIPOなどをされてくる予定をされておりますので、こういった企業のご支援をしながら、企業価値を高める活動をハイブリッドキャピタルで支援していきたいと考えています。目線を高く、投資先に対しても提供していければと考えております。

新経営体制

そして、新経営体制です。今回、新たな人事で恒田が副社長に就任しております。恒田は、今までタレントエージェンシーのみを管掌頂いておりましたが、オープンイノベーションを含むフロント事業すべてを委ね、そして私はもちろん全社の経営を担う役割もありますが、フォースタートアップスの未来をどう作っていくのか、新規事業の探索、アライアンス、M&Aなどを私のところで責任をもって推進していくことを目的としています。社長・副社長が連携しながら、フォースタートアップスの未来づくりを進めてまいりますのでご期待頂きたいと思います。

業務提携等の推進

実は、あることに気が付きました。それは、今回のウィルグループとの親子上場解消、これを推進するにあたりまして、スタートアップを支えていただいているエコシステムの皆様と会話を進めました。その結果、資本業務提携を複数の企業と結ぶことになりましたが、実は限られた企業としか交渉しておりません。やはり、インサイダー情報でございましたので、全ての皆様と会話するということが難しい状況でありました。今期、いままさに、活動をスタートしておりますが、今までの資本業務提携先以外にも、お声がけをし、フォースタートアップスとともに次なる未来を作ろうというお話しをさせていただいております。それはやはり、フォースタートアップスが持つビジネスモデルが成しえること、ここに関心をお持ちになって、じゃあ、スタートアップ業界における人的支援において日本ナンバーワン、そこと組み合わせたら何ができるのか。また会員数ナンバーワンのデータベースと組み合わせたら何ができるのか、スタートアップのコミュニティとの連結においても強いフォースタートアップスと歩むことでなにができるのか、様々な事業者とお話しさせていただいております。

新たな私たちの事業、新たなパートナーが生まれる活動を推進してまいりたいと考えております。

中期業績目標

そして中期業績目標です。来期が中期業績目標の最終年度であります。こちらで示していますように、売上高50~55億、成長率は20~34%、営業利益率15%水準を目指してまいりますので、営業利益としては7.5~8.2億という水準です。

今期は来期この数字を達成するための1年としたいと考えておりますので、しっかりと今期の業績のクリアとともに、来期に向けた準備を進める、その1年になると考えております。

以上でわたくしの説明を終わります。ありがとうございました。

質疑応答

人材確保について

Q.
前期73名採用、45名退職とのことで、労働集約型のビジネスモデルなのに、人材がストックされていない印象があります。中途採用が多いと思うが、どういった業界から来ているというのは開示されていますが、どういった人を採用して、どのような教育をして、どのぐらいで戦力化するのか、また今後どう定着を図っていくのかを教えてください。

A.(志水)
上期に採用活動を抑制していたこと、45名の退職は、計画していた水準でありましたが、計画どおりであるから良いというわけでもありません。辞めない仕組みが必要です。開示しておりますが、採用活動を強化していくこと、人的資本経営のさまざまな打ち手により、改善していきたい。詳しいことは取締役の清水より説明します。

A.(清水)
主に3つ、どういった人をとるのか、戦力化どうするのか、定着化をどうするかのご質問だと認識しております。

まず、人物像はこれまでと変わらず、スタートアップ・成長産業支援に資することを志す方、年代としては20代後半~30代前半がボリュームゾーンです。開示のとおり、弊社の平均的な受注単価、生産性は上がり続けているので、採用している方々の素養は間違っていないという認識をしています。
そのうえで戦力化は、重要テーマと認識しています。今期も毎月4~5名中途入社をしてくるため、育成専門チームを設置しました。入社後3ヶ月間トレーニングするチームがあり、卒業した方を各チームに配属する。これまでになかった教育体制であり、結果が出始めてるのではなかろうかと考えています。
長期定着に関しては、まさに人的資本経営の部分と思っています。こちらは、今期社外取締役に就任した田久保氏とともに、Kokorozashi指数やアンケート、施策をやっていくことで、「働きやすい」というよりは「働きがいのある」事業環境を用意して、長期的に活躍できる人を増やしていくことが重要です。代表の志水が申し上げたオフィス環境や、キャリア教育・勉強会などのコンテンツをデザインして、定着年数を上げていきたいと思います。

ベンチマーク企業と、株主還元時期

Q.
ベンチマークしている企業はどこか。ユニークな事業をやられていると思うので、事業上のベンチマークと、株式市場上のベンチマークをお伺いしたいです。投資家しては、スタートアップ業界におけるJAC Recruitment社(コード:2124)、投資領域ではユナイテッド社(コード:2497)のような成長を期待しています。それから、現金がかからないビジネスなので、株主還元がはじまったら評価されるのではと妄想しているのですが、還元が始まるタイミングもお伺いしたいです。

A.(志水)
私たちは成長産業支援事業という日本初めての事業ドメインを標榜し、事業を展開しております。どういった会社と組み合わせたものかというと、タレントエージェンシーは人材紹介業を中心としていますので、上場会社でいえばJAC Recruitment社などがターゲットになるものと思います。そして、オープンイノベーション。ここは上場会社が生まれていない領域だと思っています。ただし、その中のデータベース領域でいえば非上場化しましたがユーザベース社が競合であります。ハイブリッドキャピタルの核となるベンチャーキャピタル事業は、マーケットの中ではJAFCO社(ジャフコグループ コード:8595)をイメージしています。歴史も50年ございますので、先輩企業になんとか追いつけるように展開できればと思っていますが、やはりユニークな立ち位置であり、総合スタートアップ支援企業と思っています。皆様から見て分かりやすいターゲットがあればベストですが、皆様にご理解いただけるように、様々なリサーチをしており、世界のスタートアップ支援会社の事例を情報提供しながら、自分たちの価値の一つのものさしを社会に示す必要があると考えています。そのうえで、株主の皆様と情報交換できる場を設けていきたい。

ベンチマークはどこか、これは先ほど挙げた企業群がベンチマークとなります。私たちを取り巻く環境の皆様(先輩方)を超えていけるチームになることに挑戦しなければいけない。日本の次なる競争力をつくろうというチームが時価総額40億円ではダメだと思っています。過去つけた時価総額200億円の水準を早く超え、その先を目指していけるように、事業計画の達成、そして皆様とのコミュニケーションにより、より多くの株主様にご期待頂く事を進めていきたい。

最後に、配当のタイミングでございます。こちらはまさに経営会議や取締役会などで議論を進めているところであります。今期、既存事業の推進のみならず、新たに新規事業の推進のドメインをリサーチしています。中には、外部とワーキンググループを作りながら、参入できるかどうかに具体的に検討に入っている状況の領域もございます。ですので、そういったものをすべて、テーブルに並べてみて、私たちの手元キャッシュ十数億円をどこに投資すべきなのか、そしてそれが結果的にM&Aよりも自社の株を買ったほうが私たちの未来に寄与できるものなのか、皆様にどのように還元をするのがベストなのか。成長で返すのか、配当で返すのか、このあたりを整理する1年だと思っていますので、する場合はなぜするのか、しない場合はなぜしないのか、を皆様と改めてコミュニケーションする必要性があると思っています。

原価率に対する施策、M&Aについて

Q.
原価率について、ビズリーチなどのデータベースを活用して原価を支払っている分を減らせないのでしょうか。一度転職した人材が、ほかに行くタイミングでまたビズリーチを使われると原価率が下がらないと思っている。ここに対する施策が聞きたい。また、先ほどM&Aの探索の話もあったが、EV/EBITDA倍率の目安があれば教えてください。

A.(恒田)
原価率については、ご指摘のとおりです。ITセクターにおける転職のタイミングは4年ほどと言われています。私たちが設立してから8年、9年目に入る状況ですが、現在、2回目・3回目のご相談をいただけるケースもでてきました。2回目・3回目のご相談に加え、直接フォースタートアップスに転職支援をしてほしいと思ってもらえるための施策も打っていきますので、原価率が少しずつ下がっていくように出来ればと考えています。

A.(志水)
M&Aについては、現時点では探索を開始した段階ですので、具体的な指針は決めておりません。考える領域として2つの領域があります。1つ目は、先ほどのご質問のとおり、求職者集客の手段を持てば良いのではないかというご意見はございます。実際に集客する力が強いのはビズリーチ社、Wantedly社などの大型の集客サイトになります。そうでない規模であれば、自前で作ることができると考えており、集客手段をM&Aで取得するようなことは無いと思います。そのため、先ほど恒田が申し上げたとおり、自分たちでどのように集客するか、を思考の大半に使っています。

2つ目は、AI。ヒューマンキャピタリストの一部の業務を置き換え、生産性をあげていくのかが議論されています。AI事業者を小口で買って共に歩むこともあるでしょうし、自社のシステムを開発している社内のエンジニアに新たな開発機会としてAI活用の開発を推進することも可能性としてはあるため、精査をしている状況です。

いずれにしても、タレントエージェンシーは売上総利益率が高いビジネスですので、重要なことはより早く戦力化、より多くの人に集っていただくことです。採用・育成を進めることによって、生産性の向上につながったらと考えている。経営陣全員で考えていきたい。

退職者数の増加について

Q.
退職者数の増加についてです。前々期比較で2倍近くの退職者数となっていることが気になります。計画どおりというご説明ですが、モメンタムは強くなっていないという理解で正しいでしょうか。採用を積極化しても人が増えずに採用コストがかかってしまうことを懸念しております。

A.(志水)
仰るとおりの状況ではあります。ただし、データをみていただければと思いますが、採用コストはあまりかかっていないと思います。

A.(清水)
前々期と前期のモメンタムに関してご説明します。前期の退職については、新規事業の立ち上げに伴った人員の入れ替えが少しありまして、こちらが影響しております。とはいえ、タレントエージェンシーも一定退職が出ています。社員が切磋琢磨している環境のため、結果が出ている人が残り、結果が出ていない人の退職が出てしまっています。この動きが今後どのように続いていくかについては、まずは採用を強化してメンバーをそろえていくことを重視しています。退職者の予想としては、前期同様もしくは増えると想定し計画を立てています。これは過去の実績から考えた事業計画を置いているので、前期の退職者数を無視した事業計画にはなっておらず、それなりの退職数を見込んでいるためです。
施策に関しましては、制度面、定着における研修など、先ほどのご質問でご説明したとおりでありますが、モメンタムとして退職率は下がり傾向を維持しながら、数としては一定数出るものと考えています。重要なのは「採用」と考えており、採用をみていただきたいと思います。

第三者譲渡先との業務提携について

Q.
ウィルグループの保有株式譲渡先との事業シナジーについて、足もとの数字として表れているものはありますでしょうか。進捗を教えてください。

A.(志水)
現在は、共に進めようという内容をプレスリリースとして発表していくという段階です。代表的なものでいえば、エムスリー社とは「ホワイト・ジャック・プロジェクト」をスタートアップ経営者向けに展開していくというサステナビリティにつながる取組み。ストライク社とは、スタートアップ企業数が増加するうえで、出口戦略としてのM&A創出の取組み。これらを共同イベントを開催する等、前に進めています。その他の株主の皆様とも、これからどのような事業創出をし、どのようなビジネスを創出していくのかを話し始めた段階です。進捗は継続的に開示していく予定です。

注意事項
この記事は当社のIR活動等についてお知らせすることのみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。
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