CGデザイナーって、どうやって生きていくの?
職種柄、CGデザイナーとキャリアプランについて話す機会が多いのですが、その中でベテランデザイナー(30代後半から40代)に「今後自分が何をしたいのかが判らない」と相談をされる事が多々あります。
CGデザイナーという職業は「好きを仕事に」したからこそ、今を楽しむあまり、将来について考えるのが後回しになって、誰もが通るキャリアの分岐点を見過ごしてしまいがちです。そこで、後学のためにもCGデザイナーという職業のキャリアプランについての考えを整理しておこうと思います。
まず、僕はCGデザイナーのキャリアパスはざっくりと以下の2つだと考えています。(ここでは会社員/フリーランスという区別はしない方が判りやすいと思うので割愛します。)
❐CGデザイナーのキャリアプラン
①導かれるヒト:デザイナー一筋
②導くヒト:ディレクター(アーティスト)/プロデューサー/マネージャー/経営者
・ディレクター(アーティスト)は、コンテンツを魅力的な方向に導くヒト
・プロデューサーは、コンテンツを売れる方向に導くヒト
・経営者(マネージャー)は組織等をあるべきところに導くヒト
キャリア選択の上で選択肢は多そうに見えて、入り口は「導かれるヒト」か「導くヒト」の2つしかないんだと思うんです。
僕のところに相談にくる殆どのデザイナーは①の世界、つまり「デザイン/ゲームが好きでこの世界に入ってきて、デザイナーとしての自分の未来を疑うこともなく、ずっと現場一筋でやってきたけど、気づいたらそこに居続ける事が苦しくなってしまった。」人たちがとっても多いんです。
実はずっとデザイナーで居続けることって、あたりまえなんですが、とてもハードルが高い事だと改めて思うんです。
❐ハードルが高い理由
A)身体的限界
・画面を見続けること(眼精疲労など)や腰痛など
・ツール使用方法などを更新し続けること
・スピードを維持し続けること
B)感覚的限界
・センスのズレ(時代の求めるセンスではなくなる)
C)価値的限界
・アウトプットの価値と報酬が逆転(A,Bの結果)
こういう数々の困難をこえてセルフブランディングに成功したごく少数のデザイナーがアーティストに昇華して、デザインを手法にしながら価値を生んでいけるヒトになっていくのだと思います。
(みんなこうなれると一番幸せなんでしょうけど、アーティストはアーティストで価値を生み続ける苦しみって相当大きいと思いますが。)
さらに言うと、AI等新たな技術がDCCツールをもっと便利に進化させ、今以上にオペーレーターとしてのデザイン業務がなくなってくるので、デザイナーが今出来ることの延長線上に未来図を描くのは、やはり不可能なんだと思います。
まとめ
・CGデザイナーだけを続けて行くことは難易度が高い。
・今からは今以上にオペレーションだけのデザイン仕事は少なくなる。
・年齢を重ねてもなお自分の価値を高めていく為に、今出来ることの延長線上に未来図を描かない方がよさそうだ。
最後にこの記事は、CGデザイナーという職業を悲観するものではなく、むしろ応援するために書いています。いろんな事に気づき、真剣にキャリアプランを考えて、行動し、今以上のやりがい/収入/承認を手にして欲しいという願いです。
色々書きましたが、悩んだらまず動くことがオススメです!
何が成功かなんて判りません。悩むぐらいだったら動きながら考えてみるもの良いのではないでしょうか?
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