「家を建てることがゴール」になっていませんか?
家づくりを考え始めたお客様に、「どうして家を建てるのですか?」という質問をします。
当たり前の質問すぎて困惑される方がほとんどですが、そんな微妙な感覚のズレも大事な人間関係の構築だと思っています。
今すぐに家が無いと困るという人は日本にはほとんどいません。すでにどこかしらの家に住んでいるからです。
では、なぜ家がほしいのか。
それは「今よりも幸せになるため」だからだと思います。
「家賃がもったいない」
「部屋数が足りない」
「庭が欲しい」
などなど様々な要望がありますが、要は今の問題を解決して、より豊かな暮らしを送って幸せになりたい、ということなのです。
「豊かな暮らし」とは何か。
私は設計する上で、ここが一番大事だと考えています。
しかし、ほとんどの方がこの「豊かな暮らし」について深く考えず家づくりを進めていることが気になっています。
そこで私は質問します。「お家の完成が家づくりのゴール」になっていませんか?
「生活欲求」を満たすだけでは豊かではない。
突然ですが、初回面談でお客様からよく言われる要望ベスト3
① 家事を楽にしたい
土間収納、サンルーム、ウォークインクローゼット、対面キッチン、パントリ―、etc
② 性能を上げたい
耐震、制振、断熱、太陽光、床暖房、複層サッシ、防犯、ノーメンテナンス素材、etc
③ 安くしたい
資金計画、住宅ローン、返済計画、FP、補助金、etc
パッと振り返っただけですので、実際は何倍もの質問・要望を受け付けます。
これらの要望を私は「生活欲求」とまとめています。
「家づくりを進める上で絶対必要なスペック」です。
私にとってこの「生活欲求」は大前提・家づくりの土台、つまり満たすことは「当たり前のこと」です。
ですが膨大な情報量、営業マンの華麗なトークによって知識が増え混乱し、とにかく生活欲求を満たすことで満足してしまって「お家の完成が家づくりのゴール」になってしまうのです。
しかし、、、
生活欲求を満たすだけでは暮らしは豊かになりません。
生活欲求はあくまでも土台だからです。実際はその土台の上で、「どんな暮らしを送るのか」、ここが大事なのです。
「暮らし欲求」を聞き出すのが設計士の仕事
お客様がどんな暮らしを送りたいのかを、「暮らし欲求」としてまとめていく作業をしています。
「暮らし欲求」を聞き出すことで「お客様らしい」幸せな暮らし、つまり「豊かな暮らし」のヒントを見つけられるのです。
皆様も自分に問いかけてみてください。
初回面談でよくする質問です。お客様の過去・現在を振り返って、理想の未来を一緒に考えます。以下、一例。
① 過去を思い出す
Q:2人の思い出に残っている旅行先はどこですか?
Q:実家住まいの時に楽しかった暮らしの思い出はありますか?
Q:思い出に残っているレストランはありますか?
② 現在を確認する
Q:休日は家族でどう過ごされていますか?
Q:料理の回数・時間は多いですか?
Q:お子さんが好きなことは何ですか?
③ 未来を想像する(過去・現在を振り返ったあとで)
Q:休日は家族でどう過ごせたら楽しいですか?
Q:新しいキッチンでどんな風に料理をしたいですか?
Q:お子さんにどんな環境でどんな時間を過ごしてもらいたいですか?
こういった質問を投げかけて、帰ってきた返答に「どうして?いつから?誰が?」とひたすら聞いていきます。こうなってくるとカウンセリングに近くなってきますが、そうすることでお客様にとっての「豊かな暮らし」が見つかるのです。
家づくりのテーマを決める。
およそ2時間のカウンセリングを経て、私はお客様の「家づくりテーマ」を発表します。
そのテーマが家づくりのブレない軸となり、迷った時にもあなたを正しい家づくりへと導いてくれます。
もちろん2時間ではテーマを決めきれないときもありますので、その場合は次回、という具合にとにかく始めはテーマ決めを最重要課題として取り組んでいます。
まずは自問自答から!
長くなりましたが、家づくりを考えられている方は、
「家を建てることがゴールになっていないか?」
「どうして家を建てるのだろう?」
と自問自答してみてください。
その先に「家づくりのテーマ」が浮かび上がってきます。
私はそのテーマを導く手助けと、お客様の豊かな暮らしを叶えるお役立ちをしたいと思っています。
自邸の、youtube動画を下記URLからご視聴いただけます。
暮らしについて、家づくりについて、案内しています。
https://www.youtube.com/watch?v=a1Wgnl_w7Jw
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