見出し画像

【日記】明日から苗場

部署の運用体制が少し変わり、監視の目が若干厳しくなったことと、月末の追い込みで数日間更新できず。昼も夜も働いているのに毎昼をクーリッシュみたいな氷菓で済ませているからか数日に一度極端に空腹を感じてしまう、冷蔵庫の夏野菜を適当に切り分けて片栗粉を塗しフライパンで焼く時間に自分の内なる部分に秘められたフェチズムを感じる。本当は毎日鶏肉がいいけど、自分がクラフトビアフリークであることを鑑みると摂生しないわけにはいかない。昨年秋の時点で肝臓の数値引っかかってるけど。

今日は諸々の準備の為在宅勤務、明日は有給を取り昼間に副業、夜はその足でフジロックの前乗り。苗場周辺のホテルは抽選倍率が尋常じゃなく高い上にそもそも2名以上〜が多いのでハナから断念し、新幹線で一駅隣の高崎にホテルを予約してある。仕事関連で言えば取材申請をして9組中取れたのが1組のみ、と惨敗の結果になってしまったが(それでもその1組はヘッドライナー級なので運が良かったと言えるかもしれない)、これがメディアの実力であるという事実は変えられないし、現実を受け止めつつ純粋に観客として、2年目新米フジロッカーとして存分に土曜、日曜は苗場の空気を吸いに行こうと思う。

フジロックの公式アプリでマイタイムテーブルを組むと、昨年よりも観逃せないアーティストで埋まっていることに気が付いた。コリー・ウォン、ルイス・コールのバカテクリズムギタリスト組とそのバックバンドの魂の交歓は必見だし、彼らの前にレッドマーキーで浴びるSlowdiveの清涼感漂う轟音も楽しみ。深夜帯になれば以前メディアのイベントで呼ばせてもらった幽体コミュニケーションズ、日中のTESTSETとは別でソロDJ出演のまりん、Brainfeederとの契約発表をしたばかりの長谷川白紙は5月のZepp公演で披露した新曲メインのセット(彼はおそらくアルバム制作の真っ只中)で挑むだろうし、肌寒さも感じるほど涼しくなった頃から朝まで小袋成彬のDJセットで終わらないパーティーを続け踊り明かす。もちろん30日も余念はなく、少しホテルで仮眠したら大本命のヤードアクトがニューウェーブとバンドサウンドが交錯するギリギリのラインで新たなUKシーンが築かれようとしていることを我々日本のリスナーに見せつけてくれるだろうし、ドミコ、ROTH BART BARON、YUKIら日本人勢の間に挟まれた100 gecsのイカレたステージセットとヘンテコ衣装にも期待したい(数日前にSNSで「私たちは疲れ切っている」とツアーキャンセルの旨を投稿していたけど、大丈夫だろうか。日本でゆっくり温泉でも入って安寧の時間を過ごして欲しい) ブライトンが放ったエクスペリメンタルとプログレッシヴの限りない融合を体現するBlack midiは昨年の来日公演に行けなかったのもあって当然期待値は高い。そして最終日で言えば何よりもLIZZO!個人的に、というか多くの人にとって共感できると思うけど、私は彼女のライフスタイルや信念、信条に愛おしいほど惹かれていて、赤の他人の評価に対していたく敏感な国民性を持つ日本でセルフラブを掲げる彼女が歌い、自身を「表現」するということは、演奏そのもの以上に何か強い意味、祈りが込められていると思う。Truth hurtのサビでLIZZOが歌う〈Why’re men great ‘til they gotta be great? Don’t text me, tell it straight to my face (どうして男って見掛け倒しなの?文章じゃなくて目を見て直接言えよ)〉ってバースが最高に好き。恋人だった男にこの曲を教えてあげたい。

7月は働き詰めで体感一瞬だったし、己のナレッジや実力不足を突きつけられて悔しさのあまり泣いてしまったりもした。月を跨いで進行している企画もあってまだまだ終わりは見えそうにないけど、1年越しのフジロック、私はこの為に生活を繋いできたのだと直前に控えた今は自信を持って言える。プライベートで起きた諸々も全て太陽の下で焼き尽くして。今日明日は飲みすぎずにたっぷり寝て備えるしかない。

In case nobody told you today
You're special
In case nobody made you believe
You're special
Well, I will always love you the same
(今日、誰も言ってくれなかったかもしれないけど
あなたは特別な存在
万が一、誰もあなたのことを信じてくれなくても、
あなたは特別なのよ
私はいつもあなたのことを愛してるからね)

──LIZZO「Special」



この記事が参加している募集

#夏の思い出

26,408件