「海外の子供達も楽しんでいる日本の児童書」

数多くの海外の児童書が日本で翻訳出版されていますが、日本の数多くの児童書も海外で翻訳出版されていることをご存じですか。
ただ、日本で翻訳出版されている児童書の多くが欧米圏からですが、海外で翻訳出版されている日本の児童書は東アジア(韓国、中国、台湾)圏
が圧倒的で、次に東南アジア(特にタイやベトナム)、そして欧州では日本文化好きのフランスとなります。

フレーベル館の出版物も、海外で翻訳出版されるタイトル数のうち実に9割が東アジアでの出版です。
なお、中国と台湾は同じ中国語圏ですが、書き言葉として、中国は簡体字(簡略化された漢字)を、台湾(香港とマカオも)は繁体字
(伝統的な漢字)と異なる文字を使用しているため、翻訳出版の契約としては別々となります。

さて、フレーベル館のタイトルで海外で翻訳出版されたタイトルをご紹介していきましょう。


①出版言語圏が多いタイトル(5~6言語)

くるりんぱ な~に?』『くるりんぱ だ~れ?』中国、韓国、台湾、ベトナム、タイ 、フランス(同シリーズはもともと英文併記のバイリンガル版です)

くるりんぱ


ドワーフじいさんのいえづくり』 スペイン、フランス、台湾、中国、モンゴル、韓国 (フランスの書店で、同書のフランス語版を見つけたスペインの出版社の担当者から直接、弊社に連絡が入り、スペイン語版の出版が決まりました)

ドワーフじいさん


おおかみだってきをつけて』 ベトナム、韓国、台湾、フランス、中国(日本語版は、イタリアのボローニャのブックフェア会場や市内中心部の児童書専門店で販売されたことがあります)

おおかみ


しっぽしっぽしっぽっぽ』 ベトナム、中国、台湾、フランス、韓国(他とは違う、しっぽを活かしたフランス語版のデザインにも注目です。)

しっぽ



②シリーズもの

ねこざかな』韓国、台湾、中国(中国の簡体字版は、現在18タイトルが出版されていますが、売上部数累計で100万部突破しています)

ねこざかな1

ねこざかな2


コケッコーさん』韓国、中国、タイ、ポーランド(ボローニャBFのフレーベル館ブースで、同シリーズを見た担当者が気に入り、ポーランド語版2タイトルの出版が決まりました)

コケッコーさん

コケッコーさん2




③学校図書館もの

いのちって、なんだろう?』シリーズ 中国、韓国、台湾(韓国語版は合本、中国の簡体字版と台湾の繁体字版はセットケース入りです。また、ベトナムでも出版予定です)
アルゴリズムえほん』シリーズ 韓国、中国、台湾(中国の簡体字版はソフトカバー版、台湾の繁体字版ははセットケース入りです。イラストでわかりやすくアルゴリズムを学べる内容に、それぞれの出版社から「面白い」と大絶賛でした)

図書館もの



④ベトナムで読み物多数出版

いたずらおばあさん』『わたしたちの帽子』『赤いペン』『さよなら宇宙人』『ぜったいくだものっこ』『ショクパンのワルツ
(2018年と2019年にこの6タイトルが出版されましたが、これからも出版予定の読み物タイトルがあります)

読み物


ある中国の翻訳出版エージェントの方は、子供の時に近所の日本人駐在員の子供が見せてくれたフレーベル館の月刊誌がきっかけで、日本と出版という世界に興味を持つようになり、大学で日本語を学び、現在の日本と中国を結ぶ仕事をしているそうです。このように、海外で翻訳出版されている日本の児童書が、現地の子供達の興味や将来に影響を与えるきっかけになるかもしれないことを考えると、ワクワクします。

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