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安全地帯歌ったら黒霧島もらった

玉造温泉。スナックでカラオケでもってことになって一番近くのお店にイン。22時少し前かな。

先客2名は地元の紳士だろうか、軍歌を美しく歌い上げておられる。

俺らはお店の奥の団体席つーかコーナー席に通された。

ママなのか手伝いに来てる人なのかよくわかんない感じのママ。そろそろ店じまいにしようと思ってたのよ感がムンムン。

「何時間?」

うーん、1時間じゃ足りないくらいかなあ。

「1時間半?」

うーん、2時間くらいかも?

「1時間だったら3,300円、1時間半ちょっとだと4,500円」

ああ、2時間って選択肢はないのね。それでお願いします。

「何飲む?」

芋焼酎の水割り、全員。お願いします。

カウンターの奥でこしらえた水割りを持ってきてくれるスタイル。ああ、ここで水割りこしらえるわけじゃないのね。

平成初期のカラオケシステム。ブラウン管式テレビって久しぶりに見た気がする。槇原敬之やらミスチルやら響いてたあの頃がよみがえる。

それぞれ水割りのおかわりもらって。呼ばないとママまったくこっち来ない。

1時間半が経過した頃、俺はステージにいた。ママがリモコンを撤収してるのが見えた。そうか、この曲がラストソングだ。歌ってた曲は安全地帯「ワインレッドの心」。

1番を歌い終わったとき、次の曲のリクエストが入力された。あれ、誰か歌いたくなっちゃったかな? まあいいか。

気持ちよく歌い終わったらママがいる。

「もう1曲歌って〜、アタシ何年もやってるけどこんな安全地帯聞いたことがない、ほんと素敵ね〜」

ということで続きましては「恋の予感」。心を込めてアンコールにお応えした。

どうもねー、ごちそうさまーと店をあとにするときママから紙袋渡された。ずっしりと黒霧島のボトルが入ってる。

「これみなさんでお部屋で飲んで〜。なんかアタシみなさん帰るように急かしちゃった気がして、ごめんなさいね〜、これ飲んでね〜、安全地帯があんまり素敵だからあ」

スナックで歌って何かもらったのは、宮崎日南で100点出したとき歯磨き粉もらって以来。

書いてて思ったんだけど、ママによる一流の印象操作術だね、これは。早く追い返されたって思わせない。むしろママ喜ばせて焼酎までもらっちゃう俺ってすげーじゃんって気持ち良くさせちゃう。まんまとしてやられた。

楽しい思い出になった。


世界のゴキゲンが増えるといいなって考えたりしゃべったり書いたりしてます。ありがとうございます。