見出し画像

映画「男はつらいよ お帰り寅さん」

小さな子には寅さんと「北の国から」さえ見せておけば立派な大人に育つもんだと、俺は考えてる。両方に出てる吉岡秀隆って偉人だな、おい。

人間は歳を取る。歳を取るとはどういうことか。肉体が衰えることを歳を取るという人がいるけれど、決してそれだけじゃない。満男の涙は今じゃなきゃ流れない涙だ。青年期、ましてやガキンチョの頃にあの涙は流せない。

いろいろな経験を重ね、いろいろなつらさに触れて初めてわかることがある。その意味では、俺はまだまだガキンチョだと思ったね。

涙を流すのは満男だけじゃない。観ている俺の涙腺も刺激される。

さくらの立ち姿、振る舞い、顔や手の皺。しみじみしちゃって涙が出そうになるのはなぜなんだろう。老いることは悲しいことなのだろうか。それとも近い将来やってくるお別れの瞬間が具体的に想像されるからだろうか。

過去の寅さん作品を一切見たことないって人にはどんな風に映るのかな。なんか画面の向こうで勝手に盛り上がってるって感じかな。後藤久美子の規格外な佇まいも滑稽に思えるかも知れない。

さておき寅さんいい男だ。シンプルだよね。一気通貫。高倉健のそれとは異なる不器用さ。

俺も味わい深い人生を送ろう。

世界のゴキゲンが増えるといいなって考えたりしゃべったり書いたりしてます。ありがとうございます。