ニューノーマルでも変わらない。変化に強い自燃型組織をつくるために6年間続けている大切なコト
こんにちは。Fringe81 技術開発本部の岡田です。
以下のブログにあるようにFringeには、自分の手で素晴らしい会社を創っていくというマインドを持った社員が多いと思います。
エンジニア組織でも、自分たちの手で組織文化を創っていくために6年間続けていることがあります。
それが「バンチ」という制度です。
今回は、このバンチを中心に、Fringeのエンジニア組織づくりについて紹介します。
絆を深めるオープンソース『バンチ』
バンチの歴史は長く2014年にさかのぼります。バンチという言葉の由来はヴァイオレンス映画の巨匠、サム・ペキンパー監督の西部劇『ワイルドバンチ』が由来です。
ワイルドバンチは西部のはぐれ者たちが、喧嘩などしながらも共に命を懸けて友情のために立ち上がる、そんな物語です。バンチ制度とはFringe=端/キワを掲げる我々が、仕事という戦場で戦っていくために『絆』を深めていく概念なのです。
Fringeには、今、70人超のエンジニアがいます。「技術開発本部」という部署に全員所属していますが、担当業務は、広告事業やSaaS事業(Unipos)に分かれています。実質的には、事業にもとづいてチームが形成されています。
この形態だと、事業が違うチームのメンバーと会話する量が自然と減っていき、知らないうちに部署間の壁ができやすくなってしまいます。いわゆるサイロ化というやつですね。
バンチは、組織の中にあえて余白をつくり開放するこで、誰でも自由に組織のソースコードをいじって、組織づくりに参加できるオープンソース的な取り組みです。バンチには一団という意味がありますが、現在では事業をこえたメンバー同士の相互理解を深めて助け合う仕組みとなっています。
そんなバンチは、月に一度、面白い企画を開催しています。初期はスポーツをメインとした企画でしたが、最近はバラエティに富んでおり、開発合宿、料理対決、納会企画コンペ、ミニ四駆対決にゲーム対決など多種多様な対決をバンチ対抗戦と呼びながら行っています。
そのかいもあって、普段絡むことのない人と絡む機会も多く、僕ら技術開発本部は、とても縦横に渡って仲が良いことに対しては自負があります。おかげさまでコロナ禍での新人受け入れ課題も事業をこえて協力しあえました。
相互理解&相互扶助の火が変化に強い組織を創る
僕らは6年間に渡り、このバンチという取り組みを絶やさず続けてきました。それは、相互理解&相互扶助という火は放っておくと消えてしまうからです。我々は仲間のことを大切に思っており、お互いをラブ&リスペクトすることを大事にしているからこそ、自分たちの手で火を起こし続けることが必要なのです。
事業をこえた横のつながりが減ってくれば、誰かが問題視してくれます。もはや文化と呼んでも差し支えない組織に根ざした仕組みかなと思っています。僕らにとって、相互理解&相互扶助という横のつながりはそれほど重要なのです
どうしてこんなに横のつながりを大事にしているのでしょう。
一つは、配置の入れ替えが頻繁に起きても、お互いの間合いを理解した仕事をして、より良いものづくりをするためです。Fringeでは本人の希望により開発対象のプロダクトを変更することができます。もちろん希望だけではなく実績も必要ですが、概ね異動はできます。
そのときに、はじめてのメンバーに囲まれているわけではないので、お互いの間合いを理解した仕事ができます。また、組織的にもエンジニアが所属する技術開発本部は、それぞれの事業を横断した構造をしているため、状況に応じて、素早くしなやかに体制をつくる上で、相互理解という横のつながりが土台となっています。また、事業をこえたノウハウの共有にも一役買っています。
二つ目は、僕らが事業という垣根をこえてFringeneerという仲間としてお互いに助け合うためです。これは理屈じゃありません。落ち込んでいるように見えたら声をかけられる間柄といえばわかりやすいでしょうか。直接業務で関わりがなくても、お互いのことを気にできる間柄を保ちたいと考えています。
私達はそういう思想を持った人たちなんです。横のつながりだからできる相談やアドバイスがあります。全くつながりが無いよりも、仲間であることを選んでいるので、横のつながりを大事にしています。
バンチョウが自燃自走して「勝手にプレジデント状態」
バンチは現在、14バンチ存在します。それぞれ5名程度のメンバーで構成されています。14のバンチには、一人ずつバンチョウと呼ばれる人たちがいます。バンチョウはバンチのリーダーを任される人です。
技術開発本部は合計70名超のエンジニア組織になりました。すると組織ではリーダーとしてチームを率いる役割も求められるようになってきました。なんと!バンチはリーダーとしての経験を積む場としても機能しているのです。
バンチョウは、年齢も様々で歴戦のリーダーから新卒2年目の新米リーダーまで幅があります。バンチョウは事業的リスクを背負うことなく、自然とリーダーとしての振る舞いを身につけるためにうってつけのポジションです。
バンチョウ達が自走しだすと、各自がどんどん組織の課題を探して解決したり、見えにくい断絶を埋めてってくれるのです。もはや「勝手にプレジデント状態」でみんなが高い視座をもってアクティブになっちゃうのです。こうなれば、コロナ禍だろうが大きく心配する必要はありません。なんせみんなが勝手にこの課題について議論を始めてくれます。
ある日突然チームを率いる人になるのは、誰しも不安なものです。リーダーとしてのスタイルもなく自信もないなか、チームを率いるのは緊張しますよね。バンチではそんなリーダー未満の人がバンチョウをやっているケースが数多く存在しています。それはバンチが新たなリーダーを育成する機能も担っているからなんです。
バンチは事業を背負って立つチームとは異なり、ビジネスの目的をもっていません。そのため、のびのびと自らのリーダースタイルについてじっくり試行錯誤できます。ここで磨いたリーダーとしての経験を生かして、そのまま事業でもリーダーとして活躍する人が出ています。
バンチを止めるな!テレワークという危機
弊社も2月末からテレワークになっています。4月になり新入社員や中途入社の方も数多く入社されました。そんな中、4月からバンチも、新バンチョウを迎え14バンチが新たに発足しました(1年に一度リフレッシュされます。バンチョウの任期は一年間なんです)。バンチョウには早速、コロナ禍を始めとする数多くの難題が突きつけられました。
バンチョウにはリーダーとしてバンチ対抗戦などの企画運営のほかに、技術開発本部に存在する課題解決のリーダーシップも求められています。普段の業務とは異なる視野で、技術開発本部全体を見渡して7名ずつで課題について議論します。
今までやってきたバンチ対抗戦はどうするべきか、新人さんはどう迎えるべきか、今年度も最初からヘビーな議題を議論しました。まだまだお互いにバンチョウになりたてで、バンチョウ同士も距離感がいまいちわかっていませんでしたが、「何のためにやってるんだっけ」というWhyを軸にした議論が始まりました。
これは僕たちにWhyを軸として考える習慣が文化として根付いていたので、議論の間合いがわからなくてもスムーズに議論することができました。Whyについての共通見解を持つことができた僕たちは、どうやるのかを話すことにしました。
その結果、新人さんは全く新しい取り組みで相互理解を育むことにしました(企画名チキチキランチ)。任意参加型のスポーツ企画スポ会も「生活改善プログラムブートキャンプ」が走り出そうとしています。
そして先日、テレワーク初のバンチ対抗戦が開催されました。50名以上の参加者でワードウルフというゲームを行うことができました。
会場は大盛りあがりになり、白熱したゲームが展開されました。驚くことにこれだけの人数参加した大会にも関わらずほとんどグダグダになることなくワイワイできました。これってすごくないでしょうか!?
ほぼ初めてのテレワークの我々が、初めてのリモートで、初めてのワードウルフというゲームをワイワイできたというのは少し感動しました。やっぱり相互理解&相互扶助なんじゃないでしょうか。
テレワークなどの大きな変化を前に一人で太刀打ちするのではなく、全員で変化にしなやかに対応する、それを実行できる仲間がいることが大事で、それを今まで大事にしてきてよかったと思いました。
結果的に、僕らはテレワークの変化に対して目的をあまりぶらさずに柔軟に対応する道を選びました。テレワークという理由で相互理解&相互扶助を諦めることなく、それでもしつこくお互いをラブ&リスペクトするために関係の質向上に向けて、これからも取り組んでいきます。
自らを燃やして、自らの手で組織をつくる
テレワークになったことに対して、世の中に文句を言っても世の中は何も良くなりません。バンチを通して、自らを燃やして、自分たちの手で組織づくり行っていくんだという感覚と仲間との絆を培ってきた僕たちは、突然の変化や混乱に飲み込まれることも、あらがうこともなく、「今、僕たちは何をするべきか」という問いを主体的に立てることができました。
新人さんには今まで以上に手厚いオンボーディングを行い、今まで以上に他事業や営業さんとの会話を増やそうとしています。自社サービスであるUniposもフル活用してお互いの活躍も称え合います。世の中がこんな状況だからこそ、今までのつながりを当たり前としてではなく、改めて薄くならないように考える機会ができました。
働き方や組織のあり方が大きく変わっている真っただ中ですが、僕らはこれからも「バンチドリブン」の精神で、自らの手でより良い組織を作っていきたいと思います。それが僕らが社会に貢献するためのパワーになると信じているからです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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